2005年8月10日(水)<朝刊>
24年ぶり大舞台 高知万全、必勝モード
さあ、いよいよ甲子園の晴れ舞台―。日大三との初戦を翌日に控えた9日、甲子園の高知ナインは西宮市津門中央公園球場で2時間の割り当て練習を行った。周囲の心配をよそに急ピッチの調整もしっかり、万全の状態でゲームを迎えられることになった。
この日も練習メニューはバッティングが中心。決戦まであと1日とあって、20人近い報道陣が見守る中の練習となった。けん制練習と内外野に分かれたノックを計20分こなした後は、割当時間いっぱいまでひたすらフリーバッティング。日大三先発が予想されるサウスポー大越に合わせて左投手を打ち込んだ。
各打者とも日に日にボールに目が慣れてきた感じだ。この日はヒット性の当たりも増え、さく越えも何本も出た。ケージの後ろでもティー打撃でスイングをチェック。岡本部長も「ただ試合に出て打つだけなら問題はないでしょう。あとは1試合スタミナがもつかどうかだけ」。
ブルペンで競い合うように投げる二神、黒田の両右腕も快調。二神はやや球のばらつきがあったが、黒田は切れのいい変化球をしっかりコーナーに決めていた。亀井コーチも「二神は80パーセント以上、黒田はもう百パーセントでしょう」とホッとした様子だった。
練習の最後は中谷主将の号令で全員でベースランニング。大きな声で「ありがとうございました」とグラウンドに一礼した。思いがけず伸びた「夏」だが、この日の練習が最後の練習になるとは、誰も思っていない。
【写真説明】少しでもボールに目を慣らそうと、時間いっぱいまでバッティング練習する高知ナイン。打者は山本幸(西宮市津門中央公園球場)
島田監督かく戦う 「勝ちにこだわりたい」
突然の出場決定から、ぶっつけ本番の入場行進、夜の甲子園練習と忙しい日々が続いた。時間がない中でも、初戦に向けて選手らの動きは日に日に良くなってきた。24年ぶりの夏の甲子園に臨む高知の就任1年目島田監督に、試合に向けての決意、チームの仕上がり具合などを聞いた。
―ほとんど準備時間がなかったなか、調整具合は?
「不安はありましたが、開会式で(スタンドが)温かく迎えてくれて、選手らはふっ切れたんじゃないですか。今さら調整がどうのとか言っている場合じゃない。ただ勝ちにはこだわりたいです」
―日本全国から応援されていますね。
「差し入れの品物が宿舎の廊下にまであふれて、歩けないぐらいになっています。日大三のビデオもOBでもない知らない人が送ってくれた。とてもありがたい。いい試合をして恩返ししたいですね」
―相手チームの印象は?
「打線がすごい。パワーヒッターがそろっているし、1番の江原君と3―5番。9番ですが投手の大越君も要注意でしょう。ただ、うちの二神、黒田もほぼ完ぺきに調子が戻っている。3、4点ぐらいには抑えられるんじゃないでしょうか」
―相手の左腕投手をどう見ましたか?
「大越君は県内でいうと中村の千谷君のようなタイプ。スライダーが武器ですが、そのスライダーをあえて狙わせようと思ってます。ボールになる球をしっかり見極めれば、甘い球もある。何とかして5点取りたい」
―投手陣の仕上がりには自信があるようですね。
「二神も黒田も、甲子園入りして投げているうちに復調してきた感じです。球自体は来てますよ。ただ、久しぶりの試合になるのでスタミナが問題。黒田の調子もいいので、継投も十分あります」
―打線の状態はどうですか。
「練習を見るとしっかり振れている感じですけど、実戦をやってないですから…。どうなるか分からない。県大会決勝でけがをした5番の中川が間に合ったのは大きい」
―監督就任から1年足らずで初の甲子園ですが、監督自身はどのような戦いをしたいですか。
「自分はベンチの横で選手らを盛り上げていくのが仕事。うちのチームの力を全部出せればいい試合はできると思います。試合中どうするかは、今晩ゆっくり考えます」
【写真説明】バッティングを指導する島田監督。甲子園初さい配も自然体で臨む