2005年8月9日(火)<朝刊>
ノック早々、打撃に集中 仕上がり上々
甲子園の高知ナインは8日、西宮市の津門中央公園球場で2時間の割り当て練習を行った。この日を含め、初戦まであと2日。士気も高まり、プレーでも予想以上の仕上がりを見せている。
まずは、軽いキャッチボールの後、入念なノックで守備練習。だが、20分ほどで切り上げ、打撃練習に移った。終了時刻の午後4時ぎりぎりまでフリー打撃を約1時間半、シート打撃を15分と、ひたすらバットを振り続けた。島田監督は走塁もやりたかったようだが、選手らは「まずボールに目を慣らす」。結局、ほとんどを打撃練習に費やした。
初戦の日大三の左投手を想定。フリー打撃ではこの日も大学生左腕らがマウンドに上がり、敵の武器である変化球主体に打ち込んだ。
日大三・大越はボールになるスライダーをうまく使う。特に左打者は、外に逃げていく球に手を出さないことが重要になる。高知の先発メンバーで左は1番中谷、3番山本幸、6番富永の3人だが、「だいぶ元に戻ってきた」と声をそろえた。前日にはビデオで相手投手をチェック。「外のスライダーは難しいが、甘い球もある。しっかり見極めれば大丈夫」
控えの左打者の中にはフリー打撃でさく越えを放つ選手もいた。徐々にボールを見る動体視力も戻ってきている感じだ。島田監督は「久しぶりに試合をするのはどこのチームも同じですから」。急きょ出場が決まったハンディキャップは、もはやない。
【写真説明】ノックでも動きは軽やか。順調な仕上がりの高知ナイン(西宮市津門中央公園球場)
生きた球に照準 マシン使わず
初戦に向けて最後の仕上げに入る高知ナインの練習だが、どこのチームにもあるピッチングマシンがここにはない。打撃練習ではOBらの力も借りて何人もの投手がスタンバイし、次々とマウンドに上がっていく。
実はこれ、高知のいつもの練習風景。岡本部長、島田監督の現体制に変わってから始めた。島田監督は「マシンを否定するわけではないんですけど、生きた球を打たないと」。確かに、実際のゲームで投げるのは機械ではなく人間だ。マシンの投げるカーブはきれいな曲線を描くが、そんな球を投げる人間はいない。どんな投手でも必ずボールに何らかの癖がある。マシンも使うには使うが、調子を崩した選手が朝練習で打ち込む程度だ。
「だから今回も、OBとかに手伝ってもらってます」。今回は相手に合わせて左投手を集めた。「もし相手が150キロ投げるピッチャーやったら、マシンを使わんわけにいかんでしょうけど、そうなっても何とか(150キロ出せる)打撃投手を探したいですね」。
普段は1、2年生の控え投手が順番に打撃投手を務めるが、投げる側にもメリットがある。ブルペンでの投げ込みよりも、バッターを前にして投げると同じ球数でもはるかに練習になる。「肩、ひじにスタミナがつく」「コースを狙って投げるから制球が良くなる」。将来のエース候補は、毎日打者と対戦して力をつけている。
県大会で毎試合大量点を挙げた打線に、二神、黒田の投手陣の安定感。「ひと味違うことしの高知」は、この練習を見れば納得できる。
【写真説明】高知のバッティング練習はマシンを使わない。次々に登板する打撃投手ら
助っ人は監督の弟
毎日のようにOBや関係者が激励や練習を手伝いに来ているが、この日は強力な“助っ人”が現れた。
四国銀行の島田裕治さん。島田達二監督の弟で8、9日は職場から「休みをやるから手伝って来い」と背中をたたかれ、乗り込んできたという。この日は打撃投手を務めた。サウスポーから変化球をコントロール良く投げ込み、高知ナインにとってはいい練習になったようだ。
徐々に調子を上げている高知打線に「いい感じでバットが振れていますよ」。試合のある10日はどうしても仕事が休めず、甲子園で応援はできないが「これなら十分やってくれるでしょう」。