|
2000年2月1日(火)<朝刊>
異分野から専門指導 陸上メニューで“走り”強化
野球のユニホームこそ身に着けているが、やっている練習内容はまるで陸上部だ。
「ラダー」「ハイニー(もも上げ)」「スプリント」「ジャンピングドリル」「パワーアップトレーニング」。短距離、跳躍選手のトレーニングメニューが次々並ぶ。
「ラダー」と呼ばれる縄ばしごのようなものを敷いた走路を、明徳の選手たちが小刻みに走る。何度も繰り返すが、一回一回の走りが微妙に違う。
足裏全体をしっかり地面に着地させてのゆっくり走行もあれば、素早く駆ける時も。ひざの上げ方なども徐々に高さを増す。
続いて「ジャンピングドリル」。一定距離を片足で、あるいは両足で、左右交互に、大きく跳びながら進む。何度も繰り返す。重心の移動を考えながらのロングバウンディングは、下半身の強化に有効な半面、負荷が大きく故障を引き起こしかねない。痛みのある選手には無理はさせない。
「ダッシュ」。スタートの入り方が一回ごとに変わる。後ろ向き、一回転、正座、長座、スキップ。しかも距離が30、40、50メートルと徐々に延びて、また元へ戻る。きれいな姿勢でリラックスして、最大スピードを出せるように繰り返す。
腕立て伏せも八種類。ひじを伸ばすたびに、腕の片方を一回転させたり、足を反らせたりし、前も後ろもバランス良く筋力が鍛えられるように工夫されている。
指導にあたるのは馬渕監督ではない。西内伸夫さん(55)。女子三段跳びの国内トップクラスのジャンパー、鈴木誠子選手の父でありコーチ。二女、由美さん(24)が明徳陸上部の監督という縁で、一役買っている。
昨冬に続いて二度目。しかも、西内さんの担当する時間は大幅に増えた。十二月中は三時間強、一月に入ってからも二時間。残る二時間でロングティーや軽いノックをする。
「スピードが出てきた。陸上選手に負けんばあの、えいフォームになってきたね。どこへ出しても恥ずかしゅうない」
西内さんが言えば、馬渕監督も「全然、走りが変わった。ちょこちょこじゃない、大きな走り。今まで何やってきたんやと思われると恥ずかしいが…」と自省を込めての苦笑いだ。
五年連続の「春」。明徳はスピードアップで挑戦する。
(写真=写真部・吉良憲彦)
( 文=運動部・掛水雅彦)
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
【「浜トレ」ダッシュ】
|
|
学校に近い砂浜を走るのは日ごろ使わない筋肉を鍛えるいい手段。だが、明徳ナインの場合は、別の意味も持つ。グラウンド内での単調な「地味トレ」からの重要な気分転換。青い海原をバックに思わず笑顔も(土佐市竜ノ浜)
|
|
【筋力アップへ】
|
|
冬場おなじみのウエートトレーニング。陸上練習メニューの「西内講座」の後、3班に分かれて、トレーニング、軽いノック、ロングティーに2時間取り組む。一冬越すと、8種類合計の総筋力で200キロ近くアップ(須崎市浦ノ内の明徳義塾高)
|
|
|
【紙ボールのティー】
|
|
夜、寮内の食堂では一部の選手による夜間練習が始まる。新聞紙とガムテープで作った紙ボールで、併殺の素早い動きやティー打撃。最初は2、3人だったのが、次第に増えて、場所取り競争まで起きているそうだ
|
|
【くつろぎの湯船】
|
|
寒いグラウンドで練習後の寮の湯船は生き返った心地。湯につかりながら、「一日が終わるのが早い」。他人の体を見ながら「こいつ筋肉ついたなー」と成長も感じるそうだ
|
|
|
【基本スロー】
|
|
春が近づくとボールを投げたい、打ちたいの気持ちが日に日に増すが、ひたすらこらえて地味にスナップスロー。軸足に体重をきちんと移動させて、目前のネットめがけて投げる。肩が強くなる
|
|
【地味な練習も】
|
|
4日に1度、従来から行っている地味なサーキットトレーニングを入れる。肩車したり、手押し車の格好で腕の力を鍛えたり。写真は「イヌ」と呼ばれる動きで、両足をポーンとけって、手をついて進む。やってみるとかなりしんどい
|
|
|