鶴川、松下建の2本柱が、ひと冬越してたくましさを増した。
背番号1は鶴川が付ける。秋季大会で欠いた本来の球の切れを冬場の鍛錬で取り戻した。12月からの2カ月はスライダーを投げずに直球、カーブだけ1日約200球を週5日。地肩を強化した。また、並行して「入学以来一番の走り込み」(鶴川)で徹底的に下半身を鍛えた。
球にスピードを乗せるためフォームも修正した。これまで左足を上げた後、1度止めていたのを変えて、スムーズな踏み出し。また球を放すポイントも少し遅らせた。軸足も意識しながら上体を前に出す投法だ。鶴川本人もしっくりきているようで「投げ方が分かってきた感じ」という。
無駄のないきれいなフォームに磨きが掛かり、変化球の切れだけでなく、ストレートも140キロを超えてきた。上半身と下半身のバランスを崩し、球が高めに浮くケースが少なくなり、低めに伸びのある球が集まるようになってきた。まだ線の細さは否めないが、馬淵監督は「今なら32校の中でも上位に入る投手」と仕上がりの良さに太鼓判を押す。甲子園のマウンドを3度踏んだ経験も大きな武器になる。
1年松下建も一本立ちが近い感じだ。サイドからの速球はコンスタントに140キロ近くマーク。体もがっしりしてきた。コントロールに課題を残した四国秋季大会だが、済美戦では七回でスタミナ切れ。コースが甘くなったところを狙い打たれた反省もあって、完投できる体力づくりの走り込みを徹底した。カーブ、スライダー、シュートの制球が良くなり、シンカーもほぼ自分のものにした。
課題は球の出し入れ。今までは独特の荒れ球に、かえって打者の的を絞らせない“利”があったがどうか。馬淵監督は「制球力をもうワンランク上げてほしい。投手としてはまだ過渡期」。まだまだ伸びしろがある。
完投能力も付いた2本柱で基本的には押す構えだが、3番手には一塁手久保田が控える。地肩が強く鶴川並みの速球が投げられ、カーブ、スライダーの切れも良い。すぐ肩ができるのが強みで、短いイニングなら十分通用するのではないか。
鶴川に加え、松下建も全国級の力を付けてきたのは間違いない。今後、完投をベースにするのか、継投を意識するのか。もちろん、相手の戦力を分析して決めることになるのだろうが、優勝争いに加わるためには、先発の使い分けも含めて考える必要がありそうだ。
| 投球成績 |
| 選手名 | 試合数 | 完投 | 完封 | 投球回 | 被安打 | 奪三振 | 与四死 | 失点 | 自責点 | 防御率 |
| 鶴川 | 5 | 2 | 0 | 33 0/3 | 28 | 22 | 10 | 9 | 9 | 2.45 |
| 18 | 9 | 1 | 121 0/3 | 90 | 72 | 37 | 37 | 32 | 2.38 |
| 松下建 | 4 | 1 | 1 | 15 0/3 | 8 | 12 | 9 | 5 | 5 | 3.00 |
| 15 | 7 | 4 | 94 0/3 | 62 | 60 | 22 | 18 | 14 | 1.34 |
| 久保田 | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
| 5 | 0 | 0 | 16 0/3 | 12 | 10 | 4 | 5 | 5 | 2.81 |
※上段は公式戦、下段は公式戦と練習試合の合計