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2000年8月16日(水)<朝刊>
▽2回戦 2000年8月15日(火)
(甲子園球場)
PL学園 9−4 明徳義塾
| 明徳義塾 |
000 010 300 | 4 |
| PL学園 |
016 002 00X | 9 |
【評】走者が出ればバントで送る。守りのほころびは決して見逃さない。六回の9点目はスクイズ。PLは勝つ野球を知っている。明徳はPLの描いた通りの試合パターンにはまってしまった。
三回で流れは決まった。中前打、送りバント、四球、内野安打の一死満塁。六番加藤は浅いライトフライ。犠飛になったが、それた返球が痛い1点につながった。続く徳重は遊撃後方に高く上がる飛球。風にも流され田山のグラブをかすめてポトリ落ちた。八番朝井にはボールツーから速球を左越え3点本塁打された。この後もヒットが3本続いて気がつけば6失点。
この回、三木田は7安打を許したが、快音を発したのは本塁打を含む2本だけ。明徳にとっては不運な当たりが多かった。だが、二死二塁で二塁内野安打の間に九番中山が本塁を陥れたような、PLの走塁はさすがだ。
四回まで打線はノーヒット。五回、小川の左越え二塁打で口火を切り、森岡の右越え二塁打で1点。七回にも松浦、小川、内村の3連打、森岡が右中間三塁打で続いて3点。九回も二死満塁まで攻め立てたが、田山の右中間に抜けると思われた打球が相手の好守でセカンドライナー。前半の大量失点が悔しい。細かい攻めを出せずに終わった。(土橋)
ミス出ると駄目
明徳義塾・馬渕監督 打たれて取られた感じがしない。三木田は悪いなりによく投げた。一挙6点ですか…、0点でもおかしくなかった。アンラッキーなヒットもあったが、基本的なところでミスが出ると駄目です。PLあたりは許してくれない。
気をはいた1年生森岡
明徳7安打のうち、初球ヒットは2本。いずれも九番森岡が朝井の速球を見事にはじき返した。深々と右中間を破る会心の当たりで五回、チーム初安打の小川を二塁から迎え入れた。七回も再現フィルムのような打球が右中間を破った。森岡は俊足を飛ばして三塁に飛び込んだ。
二塁打、三塁打で2打点。守りも確実で「一番、落ち着いていた」と馬渕監督は褒めた。だが、森岡は「真っすぐを狙っていました」とひとこと言ったきり。納得できない。三回、4点取られてなお二死二塁で飛んできたゴロを内野安打にして、5点目を与えたからだ。
ベンチ入り十六人でただ一人の一年生は「もっと先輩とたくさん野球がしたかった」とポツリ。また甲子園に帰ってくる日まで、笑顔はもちろんお預けだ。
【写真】<明徳義塾−PL学園>5回表明徳義塾2死二塁、森岡が右越えタイムリー二塁打を放って1点返す(甲子園)
記録に残らぬミスに泣く したたかPLと対照的
強烈な浜風だった。センターポールの旗はもちろん、レフトスタンド後方に上がった二本の「国勢調査」のアドバルーンは上ではなく、斜め四五度に傾いていた。
高い飛球は風に流された。三回のPL、一死満塁。六番加藤の飛球はライトに飛んだ。「風は計算に入れていました。でも本当に強くて慌ててしまって…」。ボールの下に入りきれずポケットキャッチした内村。PLの「足」が頭に引っかかり投げ急いだ。中継地点に入った一塁小川が「いけない」と思ったときには、内村のダイレクト返球は三塁方向にシュート回転しながら、それていった。
「無意識でした。体がボールを追いかけていた」と本塁を守る木下。タッチアップを切った三塁走者はハーフウエー。まだ戻っていなかった。自分の後ろにカバーの三木田がいることを瞬間、忘れた。内村の送球は三木田のグラブに入った。しかし、その時木下は本塁上にいなかった。突っ込んでこないはずの三塁走者が来た。「しまった」と思ったときには、遅かった。
七番徳重の飛球は遊撃田山を狙った。「『ショート、任せた』という声が耳に入った。でも、深追いだったかもしれません」。球はグラブをかすめて、落ちた。スタンドは白一色。昨夏決勝以来の満員札止めの五万五千人で膨れ上がった観客の服にとけ込んだのかもしれない。
九番中山の打球も同じ位置に上がった。今度は田山はスタートを切らなかった。直前の“失敗”が頭にあった。球は左翼田窪の左前にポトリ落ちた。気負いがカラ回りしたのか、不運だったのか。
三木田、増田が喫した16安打のうち、会心の当たりは半分程度。明徳の7安打、ヒットにはならなかったが九回、田山のセカンドライナーも含めしんで捕らえた低い打球だった。「力がなかったんです」と田山。三木田は「球が少しずつ高かったから(あんな)ヒットになった」。
それは記録には残らないミスだ。ただ、選手の記憶にはPLのしたたかさとともに、深く刻み込まれた。(土橋)
【写真】試合終了後、アルプス席前に整列して相手校歌を聞く明徳ナイン
今大会初の満員
明徳義塾−PL学園の注目カードもあり午前十時三十分、今大会初の満員の通知が出た。この日の総入場者数は八万三千人。記録を残し始めた一九六八年の第五十回大会以降では、大会最多タイ記録となった。昨年は岡山理大付(岡山)−桐生一(群馬)の決勝が行われた最終日だけが満員だった。(共同)
熱戦に温かい拍手 明徳応援団
またも厚かったPLの壁―。第八十二回全国高校野球選手権二回戦で郷土代表の明徳義塾は、大阪代表のPL学園に4対9で敗れた。序盤の大量失点にも、スタンドから「取り返せ」と大声援。4点を返す反撃に「さあこれから逆転」と力が入り、最終回も二死満塁のチャンス。田山選手のバットから快音が発したが、ヒット性の打球が好捕され試合終了。追撃は及ばなかったが、選手には、「よく頑張った」と温かい拍手が送られた。
お盆休みに明徳−PLの好カードとあって、甲子園は今大会初の満員。明徳応援団が準備したアルプス席の入場券二千枚も、試合開始一時間前にははけてしまった。
PL学園とは、二年前春の選手権準々決勝サヨナラ負け以来の甲子園での対決。応援団のリーダーを務める二年生部員、堺文成君の母、悠子さん(41)=大阪府羽曳野市=が「PLには勝たなあかん。絶対勝てる」と力を入れれば、一回戦で好投した三木田投手の母、千春さん(42)=同阪南市=も「一回戦と同じように投げてくれれば勝てる」と期待を込めた。
しかし、序盤に7失点。五回表に1点返し、その裏から増田投手がマウンドに。母、久美子さん(47)が「思い出に残るような試合にしてほしい」と見守る中、無得点に抑えて反撃を待つ。七回表、長打を集中して3得点。応援席も一気に最高潮に。力投する増田投手や、ファウルフライをダイビングキャッチした小川選手に「いいぞ」の大合唱が起こる。
今春卒業した野球部OB、寺島正清さん=麗沢大一年生=は、汗だくで声援に声をからす後輩に飲み物を配りながら「さあ流れは変わった。これからや」とげきを飛ばした。
しかし、力及ばず熱戦が終わると汗と一緒に涙をぬぐう女生徒の姿も見られ、「ようやった」「胸を張れよ」と選手にねぎらいの言葉がかけられた。
【写真】9回表、2死満塁と攻めたが、相手のファインプレーでゲームセット。肩を落とす明徳応援団(甲子園球場)
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