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第76回選抜高校野球大会 明徳義塾高情報

2004年3月31日(水)<朝刊>

    鶴川粘投 明徳逃げ切る

 第8日は30日、甲子園球場で2回戦2試合を行い、明徳義塾は八幡商(滋賀)と対戦、4番久保田の4打点の活躍などで4―2で下した。明徳のベスト8進出は2年ぶり7度目。春夏の通算白星は38勝に(春19勝)。また、馬淵史郎監督は春夏の甲子園通算30勝を記録した。

 明徳は一回、先頭の森岡がいきなり中前打。松原がバントで送って、続く梅田の当たりは遊撃後方にポトリ落ちる幸運な二塁打。一死二、三塁として4番久保田の左犠飛で先制した。久保田は五回二死、四球の赤瀬、梅田を置いて右中間最深部に本塁打。八幡商を突き放す貴重な一発だった。

 2試合連続先発のエース鶴川は三回まで連続で先頭打者出塁を許すなど苦心のマウンド。終盤、八、九回には長打を足場に1点ずつ失ったが、要所は締めて10安打を浴びながらも2失点で完投した。

 2回戦最後となる第3試合の金沢(石川)―東海大山形(山形)は雨のため中止。31日はこの1試合のみを12時30分から行い、それ以降の日程は1日ずつ順延となった。決勝は4月4日の予定。

 明徳は4月2日の第2試合(午後1時30分開始予定)で、金沢―東海大山形の勝者と準々決勝。1983年以来21年ぶりのベスト4進出をかけて戦う。

▽2回戦(11時53分、1万2000)
八幡商 000 000 011
明徳義塾100 030 00×

 【評】明徳は中盤までのリードを何とか守り切った。

 明徳の先制は早かった。一回、森岡、梅田のヒットなどの一死二、三塁で4番久保田がきっちり犠牲フライ。無死の走者を生かせなかった八幡商と対照的だった。久保田は五回、雨で制球の乱れた上田の甘い球を見逃さず、右中間へ3点本塁打を放った。

 しかし、打線は全体にもうひとつ。上田のコースをつく緩い球に対し、力任せに振り回して6安打。雨の影響もあるのだろうが、機動力も見せずじまい。明徳らしい攻めは影を潜めた。

 エース鶴川はぬかるんだマウンドに踏ん張りがきかず苦しんだが、初戦同様粘りの投球。一―三回は先頭打者に安打を許したが無失点。1点返されてなおピンチの八回二死三塁は5番伊藤を外角低めのストレートで三振。2点差に詰め寄られた九回も、最後はこの日3安打の三上を内野ゴロに打ち取った。

 八幡商は序盤むしろ押し気味。エース上田も直球、変化球のコンビネーションで明徳打線に的を絞らせなかった。終盤2点を返したが、三回までの逸機が響いた。

 久保田一振り暗雲払う

【明徳義塾―八幡商】5回裏明徳2死一、二塁、久保田が右中間に3点本塁打を放つ。投手上田(甲子園)  五回二死一、二塁。4番久保田の一打が右中間スタンドに吸い込まれた。八幡商の終盤の粘り強さを考えると、この3点がなければ負けていてもおかしくない展開。甲子園と、明徳義塾を覆った暗雲を振り払うような一振りだった。

 リードはしているものの、前半はむしろ押され気味だった。「(八幡商は)勢いがあるので前半で突き放したい。競ったら苦しむ」。馬淵監督が心配した展開になった。

 ノーアウトで出た赤瀬を、期待の森岡、松原は進塁打すら打てなかった。嫌な場面に打席に入る前の3番梅田が「回すぞ!」と言った。これで久保田は気合が入った。「前の打席(三振)がノースリーから直球、スライダーと来たので、直球の後のスライダーを狙っていた。(スタンドに)入ったのが分からなかったので、二塁まで全力で走りました」

 旧チームからのレギュラーだが、甲子園では音無し。同学年の田辺、梅田がホームランを打っているのに対し、27日の1回戦までシングルヒットすらなかった“主軸”。引け目もあったが、「これでようやく追いついた気がします。ホッとしました」。

 守備でもみせた。三回、2番北川のセーフティースクイズをダッシュよくさばき、本塁タッチアウトを導いた。内野は一通りこなしているので判断力は抜群だ。「北川君は1回戦もうまいセーフティースクイズをやったし、頭に入れていた。いいところに球が来てくれました」。1回戦に続きエース鶴川を救った。

 照れ屋だ。ホームランを打っても派手なガッツポーズはできないという。この日も笑顔いっぱいだが、ゆっくりと丁寧にホームベースをひと回り。「正反対」の日本ハムのスター新庄にあこがれるという久保田だが、「自分は『亀』。一歩一歩進んで行くのが持ち味。4番と思わず、4番目の打者としてしっかり仕事をしたい」。一日数百回のバットスイングを心掛けるチーム一の努力の花が、ようやく開き始めた。(西村

 【写真】【明徳義塾―八幡商】5回裏明徳2死一、二塁、久保田が右中間に3点本塁打を放つ。投手上田(甲子園)


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