|
2004年3月29日(月)<朝刊>
明徳 八幡商の右腕想定し打ち込み
大勝にも気を緩めず―。27日の1回戦で桐生一(群馬)に10―0と完勝した甲子園の明徳義塾ナインは28日、西宮市津門公園野球場で、割り当て練習を行った。
この日は八幡商のエース上田を想定した「右」マシンを打ち込むなど、2回戦モードへ切り替え。体の切れを保つことにウエートを置いて約2時間、しっかり汗をかいた。
1回戦を終えたナインは、27日夜は全員ぐっすりと眠り、たまっていた疲れを取ったという。
この日はフリー打撃の前に馬淵監督が全員を集め、「10点取ったからといって、絶対大振りをするな。低い当たりのライナーを打て。次が1回戦だと思って取り組め」。バッティングに臨むナインの気持ちを、ベテラン監督らしく引き締めた。
フリー打撃は右投手2人の真ん中に据えたマシンで、100キロ弱の右カーブと、125キロ前後の右ストレートを40分打ち込んだ。1回戦で快打を連発した梅田、田辺ら主軸を中心に、気持ちの良い当たりを続けた。シート打撃には、右の沖田と重兼コーチが交互に投げて2巡。徹底した右対策で、感触を確かめた。
【写真】シート打撃で汗を流す明徳ナイン(西宮市の津門公園野球場)
八幡商の横顔 粘り強さが武器
八幡商のセンバツ出場はベスト8に進んだ1993年以来、11年ぶり6度目。レギュラー9人のうち5人が新2年の若いチームで、近畿大会は8強。そつのなさ、粘り強さに定評がある。1回戦の常葉学園菊川戦では九回表に3点を取られて1―3。絶体絶命のその裏、二死一塁から逆転サヨナラ勝ちで2回戦進出を果たした。
投手陣は新2年上田が大黒柱。秋季大会では7試合のうち6試合に登板して防御率2・12。130キロ前後だが切れのいいストレートとカーブ、スライダーのコンビネーションで打たせて取るタイプ。コーナーに投げ分ける制球力が持ち味。1回戦では三―八回に先頭打者を許しながら、すべて無失点で切り抜けるなど、落ち着いた投球が目を引いた。スタミナにも不安はない。同じ新2年の右腕中川が控えるが、上田1人にマウンドを任せることになりそうだ。
右打者が7人の打線は旧チームから主軸の4番種村が軸。ミートのうまさには定評があり、勝負強い。秋季大会は打率4割。常葉学園菊川戦では八回二死二塁から0―0均衡を破るタイムリー、九回もサヨナラ打を放った。
1番三上は長打力もある切り込み隊長。2番北川は俊足。1回戦では九回二死一、三塁から同点のバント安打を決めるなど機動力の中心になる。6番梅陰も種村に負けないパンチ力の持ち主だ。秋季大会のチーム打率は3割2厘ともうひとつ高くないが、勝負強さは侮れない。課題だった守りも冬場のトレーニングで底上げしてきた。
就任3年目の池川監督が掲げるのが、「相手のミスを逃さず、粘って粘ってきん差に持ち込む野球」。初戦は「1―0なら、もっとうちらしかった」とちょっぴり不満もあったようだが、「明徳さんを意識せず、自分たちの試合をするだけ」。伊藤主将も「胸を借ります」と“無欲”を強調。小粒だが、攻守にまとまっていて大きな穴はない。
チームが若く、経験不足は否めないが、逆転サヨナラ勝ちで勢いづいているのは確か。馬淵監督も「ああいう勝ち方をするチームは怖い」と警戒を強める。総合力で上回る明徳だが、気を引き締めてかかる必要がありそうだ。
【写真】八幡商の大黒柱上田。落ち着いた投球が持ち味だ(1回戦の常葉学園菊川戦から)
|