|
2004年3月16日(火)<朝刊>
左腕攻略へ始動 桐生一戦「勝つ自信ある」
23日に開幕する、第76回選抜高校野球大会の5日目第1試合で桐生一(群馬)と対戦することが決まった明徳義塾ナインは15日、同校で練習。対戦相手が決まったことで、一気に臨戦モードに入った。
この日のナインは練習前から「東北とやりたい」「熊本工と当たりそう」などと、やや落ち着かない雰囲気。対戦相手決定の一報が入ったのは、練習の準備が終わった午前9時半ごろ。飯野副部長がベンチ前に選手全員を集め、専門誌を見ながら「昨年の夏4強で、4番篠崎らメンバー3人が残る」「スタメンに左打者が7人」などと、桐生一の情報を伝えた。
「チャレンジ精神を持って頑張っていこう」と飯野副部長が声を掛けると、選手たちは「ウォーッ」と気合。グラウンドに飛び出した。練習では早速、相手の左腕エースを想定して、控え選手やマシンを相手にフリー打撃、バント練習を行った。
攻撃の鍵を握りそうな森岡、松原の1、2番コンビは「体を開かなければ、逆に左投手の方が打ちやすい。塁に出てチャンスをつくりたい」(森岡)、「与えられた仕事をきっちりしたい」(松原)。副主将の梅田も「勝つ自信はある。初戦まで10日以上あるし、しっかり準備をして、一戦一戦全力を尽くすだけ」と平常心を強調した。
また左打者が並ぶ相手打線に対して、エース鶴川は「左打者に苦手意識はない。バックを信じて、打たせて取る投球をしたい」。1年松下建も「インコース低めをつけば、左打者でも打たれる気はしない」と、甲子園をにらんだ。
ナインは練習試合4試合をこなした後、19日夜に甲子園入りする。
【写真】対戦相手も決まり、気持ちも新たに練習に励む明徳ナイン(明徳義塾野球道場)
昨夏4強の桐生一 巧みな継投 接戦に活路
1991年以来13年ぶり2度目のセンバツだが、昨夏の甲子園4強。旧チームが勝ち進んだことで、チームづくりが少し遅れたが、粘り強さには定評がある。群馬県大会準優勝から関東大会4強に食い込んだ。99年夏を制した福田監督の下、全員野球を掲げている。
マウンドは継投が得意パターン。軸になるのは、左腕坂田と1年右腕武藤。坂田はストレート130キロ前後で打たせて取るタイプ。カーブ、スライダー、チェンジアップを織り交ぜ、打ち気をそらす。防御率1・43と安定感がある。武藤も落差のあるカーブをコーナーに散らす。ストレートも球威を増し、成長著しい。3番手の山木も上向きだ。
勝負どころを見極めて選手を起用する福田監督のさい配が光る。秋季大会も巧みな継投で接戦をしのいだ。「(坂田と武藤の)調子のいい方が先発」という福田監督だが、主軸に左打者が多い明徳が相手なら、経験豊富な左腕坂田の先発が濃厚か。
打線は夏の甲子園を沸かせた集中打をしっかりと引き継いでいる。先発メンバーに左打者7人が並ぶが、左投手を苦にせず機動力もある。絶対の主砲はいないが、チーム打率は3割5分3厘(公式戦は2割9分4厘)と侮れない。
昨夏の甲子園でただ1人、2年生レギュラーとして4番に入った篠崎は182センチ、84キロのスラッガーでパンチ力がある。5番坂田も秋季大会で33打数15安打11打点。左が並ぶ打線で、右の3番近藤もポイントになりそうだ。そのクリーンアップで小島、半田の1、2番を返すのが得点パターン。力の落ちる下位が上向いているのが心強いが、ここに来て3―5番はやや下降気味という。
守備は秋季大会9試合で17失策。記録に残らないミスも多かった反省から冬場は守りを強化。捕手松井、半田―大沢の二遊間、中堅西山のセンターラインを軸に秋より数段レベルアップした。甲子園の経験もあり、守備から試合を壊すことはまずないだろう。
小粒だが、攻守ともまとまっていて穴がない。福田監督は、明徳を一枚も二枚も上と言い「接戦に持ち込んで活路を開きたい」。粘り強く臨んでくるはずだ。
|