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2002年8月16日(金)<朝刊>
明徳休まず12安打 青森山田に9―3
明徳12安打で圧倒し3回戦へ――第8日は15日、甲子園球場で2回戦を行い、郷土代表の明徳義塾は序盤で火のついた打線が休まず攻めて青森山田(青森)を9―3で下し、3回戦に進んだ。
明徳は一回、森岡の左越え適時三塁打、筧の右犠飛で2点を先行。二回には先頭梅田が左越え本塁打。三回1点を加えた後、四回もタイムリーエラーと山田の左越え2点本塁打で突き放した。
明徳エース田辺は三、六回に青森山田の1番金井に連続本塁打を浴びたが、いずれもソロ。打線は終盤にかけても犠打を絡めるなどして追加点を奪い、八回を除く毎回安打、長打5本を含む計12安打9点で青森山田を寄せ付けなかった。明徳は夏の甲子園14勝目で、春と合わせ通算30勝。
明徳は大会第11日第3試合の3回戦で、柳川(福岡)―常総学院(茨城)の2回戦の勝者とベスト8進出を懸ける。
【写真上】【明徳義塾―青森山田】1回裏明徳義塾1死二塁、森岡が先制の左越え三塁打を放つ。投手笹川(甲子園)
【評】12安打9点の明徳は、無安打凡退が最後の八回裏だけ。攻め続け、一度取り込んだ試合の流れを決して放さなかった。
一回、森岡が先制の左越え三塁打すると、筧も右犠飛で続く。二回は梅田がソロ本塁打、三回は筧の左越え適時二塁打。四回には山田の左越え2点弾といずれも青森山田の左腕エース笹川の甘い球を見逃さなかった。4個のバントも決めて、攻撃リズムを生んだ。
エース田辺は8回2/3を投げ、青森山田の金井の2打席連続弾と、山中の左翼左への二塁打が絡む3失点。球威、切れともあったが、時折甘いコースに入るのは上位戦へ向けての課題だろう。
打つべき者が打った
明徳義塾・馬淵史郎監督の話 1回から点を取れ、1回戦より楽だった。点差がついたが、流れを変えないように大事にいった。森岡がいいところで打ち、筧も打って、打つべき者が打った。森岡は次も打てそうだ。1試合ずつ、持てる力を出していく。
すべての面で力負け
青森山田・渋谷良弥監督の話 すべての面で力負け。田辺君の直球を打ちたかったが、カーブでかわされた感じで打線につながりが出なかった。私の判断が悪く、継投がひと呼吸遅れて四回に3点取られたのが痛かった。
エース田辺 次戦はきっちり
明徳義塾エース田辺は三回まで5奪三振。三回、金井の最初の本塁打は、「低めの真っすぐ、失投じゃない。相手がうまかった」。1回戦の反省で立ち上がりから丁寧な投球。カーブでカウントを取り球威ある直球で押した。
ところが、「三振恐れず振っていけ」と指令を受けた青森山田打線に、中盤は鋭い当たりを許した。球威は落ちていない。捕手筧も「田辺の球は良かった。打者がうまかった」という。
馬淵監督は「点差がついて気を抜いたかな。金井の2本目の本塁打はツーワンから。失投というより、考えないかん」。七回、自らのけん制悪送球、四球で招いた一死一、三塁のピンチは併殺に切った。だが、ベンチに帰ると馬淵監督から「バテたら代えるぞ」と厳しい言葉。馬淵監督の胸には、本来なら田辺はもっとできる投手との思いがあるからだ。八、九回は危なげない投球。あと1人で経験登板の1年鶴川にマウンドを譲った。
田辺は「バランスが少し悪くて、ひじが上がっていた」と言い、これは試合の中で修正した。これからは強豪との戦い。田辺は「悪いところは1、2回戦で出して、分かった。追い込んでの変化球が甘い、今度はきっちり投げる」と自ら課題を挙げた。
久々に打線爆発
「久々に明徳打線を爆発させよう」とベンチに入ったナイン。言葉通りに森岡、梅田、筧、山田が長打を放ち、青森山田のエース笹川を四回半ばで引きずり降ろした。
明徳は一回から青森山田を揺さぶった。山田の内野安打に沖田がバントの構えから、エンドラン。馬淵監督は「初戦はバントばっかりやったから、最初にかまそうと思った」。1回戦は7犠打。バントを予想した相手の出はなをくじいた。
そして、一発が欲しかった森岡。一死二塁のチャンスに、スライダーを引きつけて待望の左越え三塁打。筧の犠飛が続き2点を奪う。
二回も梅田が初球の甘いスライダーに、体をうまく回すと、ボールは左翼スタンドに一直線。夏の甲子園、1年の県内選手の本塁打は初めて。筧は「梅田の本塁打でベンチは一気に盛り上がった」と話す。その筧が三回に左越え二塁打して4点目、四回は好調山田に甲子園初ホーマーが出て、ここまで計7点。笹川をノックアウトした。
エース田辺は要注意の金井に連続ソロホーマーを許し、四回も連打で失点するが、流れは逃さなかった。七回にけん制悪送球と四球で一死一、三塁になり、この試合一番の嫌なムード。タイムを取ったベンチからの伝令は、「1点やってもいいから、守ってアウトにしろ」。田辺はセカンドゴロを打たせ、4―6―3の併殺に仕留めた。安定したバックもエースを支えた。
山田、筧は3安打、打点も2。梅田は犠飛も含み2安打2打点。主砲森岡は初回の1打点だけだったが、「きょうは内容が良かった。次は打ちます」と元気がいい。打線がさらに上向いて、輝くナインの目に、次戦への意欲があふれていた。 (土居)
【写真中】【明徳義塾―青森山田】2回裏明徳義塾無死、梅田が左翼スタンドにソロホーマーを放ち二塁へ向かう。後方は一塁コーチスボックスの藤井
【写真下】【明徳義塾―青森山田】4回裏明徳義塾2死二塁、山田が左越えに2点本塁打を放つ。捕手大科
打てると思わなかった
二回に左翼ポール際へ本塁打を放った明徳義塾1年の梅田。「打てるとは思っていなかった。びっくり」と興奮気味だった。
愛知県の中学時代に、森岡が甲子園で活躍する姿にあこがれ、明徳義塾入りを決めたという。
「人間的にも野球の面でも、すべてにおいて尊敬している」と、大好きな先輩の話に目を輝かせた。
「(森岡主将に)ナイスバッティングと言ってもらえるかと思ったら、気を抜かないよう集中しろ、と言われました」と笑顔を見せていた。
明徳義塾・筧捕手(3安打1犠飛、2打点)「緩い球をしっかり踏み込んで打てた。去年負けた2回戦を突破できてよかった」
明徳義塾・山田外野手(四回に2点本塁打)「カーブのすっぽ抜けを思い切りたたいた。入るとは思わなかったのでうれしい」
明徳義塾・鶴川投手(注目の1年生。九回二死から初登板)「全然緊張しなかった。もっと投げたかったけど、きょうはこれで満足。最高でした」
青森山田・笹川投手(7失点で四回途中降板)「良くなかった。調整の仕方を間違えたかも」
青森山田・山田主将(4打数無安打2三振)「思うように体が動かず、不本意な成績に終わった。もっとヒットが出ると思ったが力を出し切れなかった」
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