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99年11月24日(水)<朝刊>

明徳 無念の逆転負け

<今治西−明徳義塾>1回裏明徳2死一、二塁、内村が中前にタイムリー打。1点を先制する(徳島県営鳴門球場)  明徳義塾、無念の逆転負け――秋の四国地区高校野球大会最終日は二十三日、徳島県営鳴門球場で決勝を行った。明徳は今治西の継投の前に初回の1点しか得点できず、逆転負けした。

 明徳は初回、二死一、二塁で内村が中前にはじき返して1点を先制。しかし、五回は一死一、二塁から左前適時打で、七回にも2安打、1四球の一死満塁からスクイズで1点ずつ奪われ、逆転を許した。明徳は八回に一死一、二塁、九回にも二死三塁の同点機があったが、後続が凡退した。

 明徳が甲子園出場につながる四国内の公式戦で敗れたのは、二年前の夏の県大会決勝、対高知商戦以来二年四カ月ぶり。今治西の優勝は五年ぶり三度目。

 【写真】<今治西−明徳義塾>1回裏明徳2死一、二塁、内村が中前にタイムリー打。1点を先制する(徳島県営鳴門球場)


敗れたとはいえ、5被安打、10奪三振で2試合連続好投した三木田  「投手にはいい勉強」馬渕監督

 「ワンサイドにならないように、食らいついて行きたい」。試合前、今治西の宇佐美監督は謙虚に語っていたが、投手陣の出来が抜群。決勝にふさわしい、力の入った試合となり、投攻守ともに上回っていると見られた明徳は、足元をすくわれた。

 今治西の二番手堀元は背番号11。小学一年生からボーイズリーグに加入、早くから硬球を経験している。エース村上がひじ痛のため、急きょ県大会を一人で投げ抜き、この四国大会も準決勝まで2試合で16回3分の2の投球。連投の疲れもあるはずだが、それを全く感じさせない力投。打てない明徳打線よりも、相手投手を褒めた方がいいようだ。

 球威は120キロ台だが、外角低めへの制球が抜群。球持ちが良く、打者のタイミングがずれる。カーブとストレートですいすいと追い込み、ボールになるカーブで泳がせ、内角ストレートで詰まらせた。

 明徳にとっては、県大会から通じて初めての競り合い。今年最後の大会を、気合を入れて締めくくるはずだったが、故障上がりの先発村上から1点を奪っただけ。

 「うちの投手のいい勉強になった。スピードが少々なくても、丁寧にいけばそう打たれるもんじゃないということだ」と馬渕監督を脱帽させた。

 相手も良かったが、自チームの三木田の出来も期待通り。甲子園をにらんで、真価を見るための連投だったが、球威十分。カーブのキレも回を追うごとによくなり、最終回は三者連続三振。「90点はやれる」と評価。左腕増田も復活し、頼もしい左右二枚エースに成長した。

 負けはしたが、明徳にとっては甲子園への手ごたえをしっかりつかんだ最終試合と言っていいだろう。(掛水)

 【写真】敗れたとはいえ、5被安打、10奪三振で2試合連続好投した三木田


今治西 2−1 明徳義塾
今 治 西 000 010 100
明徳義塾 100 000 000

 明徳 今治西の継投に的絞れず 2回以降追加点なし

 【評】相手投手の出来が予想以上に良く、明徳打線は沈黙させられた。

 初回、3安打の集中で幸先良く1点を先制した明徳だが、二回以降は散発4安打。無死からの走者が出せず、ようやく出たのは最終回。三木田が左前にはじき返し、送りバント、内野ゴロで二死三塁。バッターは勝負強い主将の田山。しかし、2−2からの内角ストレートに詰まる。二塁手が前にはじいたものの、あと一歩及ばなかった。

 初回と八回、いずれも2走者を置いてホームラン性の大きな飛球が出たが、右から左への風にも流されてわずかにファウル。八回、松浦のライトフェンス直撃の二塁打も、向かい風でなければさく越えだっただけに、不運な面もあった。

 連投の三木田は被安打5、10奪三振で上々の内容。注文をつけるとすれば、五回の一死一塁の場面でのバント処理。好フィールディングで二塁に送球。封殺かと思われたが、ボールが高く浮いて間一髪で野選に。直後の同点打につながった。

 今治西は継投が成功。特に四回から登板の一年生堀元は連投にもかかわらず、内外角低めを丁寧に突く投球。明徳打線は的を絞りきれなかった。(掛水)


総 評  明徳 わずかの狂いが致命傷

3連覇は逃したが充実した戦いぶりを見せた明徳ナイン  競り合い“春”への財産に

 投攻守三拍子そろった明徳。大会が進むごとに評価が上がる。試合を控えた相手は「名前負けしないように」、「一方的にならないように」と発言。「決勝も明徳」という前評判が高かったが、今治西の一年生、堀元の活躍で四国大会三連覇は夢と終わった。

 「今日は勝負にこだわる。そして、この冬の課題を見つける」。試合前、馬渕監督は言った。甲子園出場が確実になった後だけに、決勝は気が抜けがちだが、甲子園初戦のつもりで臨むことを宣言した。それに見合う内容。見ていて久々に力が入った。

 五回の失点。レフト田窪からの返球は1回戦同様、抜群だったが、弾みがほんの少しだけ小さく、捕手の捕球が低い位置。一瞬の動きのロスが相手に本塁を許した。

 その直前の投手三木田の野選も、アウトとセーフは一瞬の差。いずれも競り合いの中でのわずかの狂いが致命傷になった。甲子園レベルの戦いだ。プレッシャーのかかった貴重な教訓。敗戦に明徳ナインはベンチで沈み込んだが、勝って慢心するよりも、冬を越すための大きな財産を手に入れた。

 明徳の充実ぶりと逆に、1回戦で丸亀に敗れた高知商の戦いぶりは悔いが残る。「負けた」というよりも「勝ちをやった」という内容。一つのミスが出た後の修復する力が働かなかった。県大会で楽な勝ち上がり方しかできなかったツケが出てしまった格好だが、その背景に選手層の薄さがある。

 常に控えの選手がレギュラーの座を脅かす明徳。競争相手の少ない高知商。その差が出たとも言える。

 高知商は県内の「打倒明徳」の一番手。この悔しさをバネに練習を積んで夏を目指してほしい。(掛水)

 【写真】3連覇は逃したが充実した戦いぶりを見せた明徳ナイン


99年11月23日(火)<朝刊>

明徳、高松下し決勝へ 5年連続センバツ出場確実

<明徳義塾−高松>2回表明徳義塾2死一、三塁、清水が右中間芝生席に本塁打を放ち5−0とする。三塁走者三木田(徳島県営鳴門球場)  明徳義塾、五年連続のセンバツ確実――。秋の四国地区高校野球大会第三日は二十二日、徳島県営鳴門球場で準決勝を行い、本県第1代表の明徳義塾は香川第2代表の高松と対戦。序盤のリードで優位に立ち、終盤追い上げを許したものの8−4で勝った。決勝進出は五年連続八度目。来春のセンバツ出場も確実となった。

 明徳は二回二死一、三塁から三木田がレフト左をライナーで抜く2点二塁打。さらに清水が右中間芝生席に3点本塁打を打ち込み、一気に5点をリードした。五回には二死二、三塁で、村田が右前に2点適時打。八回にも外野失策で1点追加。右腕三木田も好調で、八回は失策絡みで3失点したが、8−4で逃げ切った。

 第1試合の丸亀−今治西は、序盤は互いのミスから点の取り合いとなったが、中盤以降、今治西堀元投手の出来が良く、五回以降は一走者を許すだけのほぼ完ぺきな内容。今治西が3−2で逃げ切った。今治西は五年ぶり三度目の決勝進出。

 最終日は二十三日午後一時から同球場で、今治西−明徳の決勝を行う。

 【写真】<明徳義塾−高松>2回表明徳義塾2死一、三塁、清水が右中間芝生席に本塁打を放ち5−0とする。三塁走者三木田(徳島県営鳴門球場)


 明徳 攻撃陣に詰めの甘さ 三木田には合格点

高松エース松家攻略へ、円陣を組む明徳ナイン(徳島県営鳴門球場)  「20対0の試合やったのに。まあ、8−1で終わるよりは、明日のゲームのためにはいいのかもしれんが…」

 終盤の思わぬ展開を、馬渕監督はぼやいた。

 試合は前日の1回戦を思わすような展開。二回に大量5点。自信を持って送り出した右腕三木田も、球威が乗って三回までパーフェクト。「ノーヒットノーランを狙え」と思わず言ったほどだ。

 作戦もピタリと当たる。相手投手のモーションの大きさを突いて機動力を展開。塁に出ると走らせて、ストレートしか投げられないようにプレッシャーをかけた。

 「クイックで投げると、コントロールが落ちるらしいんですわ」。試合前の打撃練習では、マシンを140キロに設定。松家の速球に照準を合わせた。

 計算外だったのは、5点を取ってからの攻め。三回は二死二、三塁、四回は一死満塁、六回も一死一、三塁を無得点。

 いい当たりが正面を突く不運もあったが、いらいらする展開。「6点差で勝っていても、(昨夏の甲子園で)横浜にひっくり返された。取れる時は一気に畳み掛けておかんといかんのに」と攻撃陣には不満だ。

 攻撃時間だけがだらだらと長くなり、緊張感に欠ける内容。そんな中、集中力を持続して投げた三木田は合格点。

 「変な当たりもあったし、パスボールは捕手の責任。ワンバウンドのカーブを要求しときながら、後ろへそらすんだから。本当なら零点に抑えていたはず」とかばう。

 決勝は二年連続、準決勝で破っている今治西。この日の試合を見る限り、投攻守とも明徳の力が上回っているが、馬渕監督は「投手の球持ちがいい。そう簡単には打てないでしょう」と、謙虚な発言。(掛水)

 【写真】高松エース松家攻略へ、円陣を組む明徳ナイン(徳島県営鳴門球場)


明徳義塾 8−4 高松
明徳義塾 050 020 010
高  松 000 100 030

 高松エースを攻略 2回に清水が3点本塁打

 【評】明徳序盤の大量点で大味な試合になりかけたが、高松の終盤の思わぬ粘りで引き締まった。

 明徳は二回に3四死球と三木田の二塁打、清水のスリーランで大量5点。1回戦同様、立ち上がりで勝負を決めた。五回にも二死二、三塁で九番村田がカーブをうまく右前に運んで待望の中押し。三、四回と連続で好機を逃していただけに、価値ある一打。三木田も調子が良く、完勝かと思われた。

 だが八回、不運なヒットをきっかけに反撃を許す。二死三塁で相手二番の詰まった一塁線ゴロが、ベースに当たる内野安打となり1失点。さらに安打と、バットの先に当たってイレギュラー回転するゴロの取り損ないで二死満塁。捕逸、三塁強襲打(記録はエラー)で2失点。死球まで出して再び満塁。しかも次打者はノースリー。場内騒然となったが、ここから三木田は、3球連続ストレートで押して見逃し三振。背番号1の意地を見せた。

 途中、相手投手のつめの治療や、中堅手の負傷退場で試合が間延びしたのも、明徳守備陣のリズムを崩した要因。だが、大量点もあり、それほど心配なく見られた。(掛水)


今治西 3−2 丸亀
丸 亀 011 000 000
今治西 020 100 00×

 今治西が競り勝つ 丸亀打線5回以降1安打

 【評】序盤は要所の失策が互いに失点に結びつく荒れ模様。中盤からは一転、投手戦。今治西が1点差を守り切って五年ぶり三度目の決勝進出を手に入れた。

 1点を追う今治西は二回、連続四死球と二塁打、暴投で2点を入れ逆転。追い付かれた後の四回にも、四球、犠打エラーで得た無死一、三塁から併殺打の間に1点。これが決勝点となった。

 今治西のエース堀元は序盤、味方内野陣に足を引っ張られたが、五回以降は、球速はないものの低めを丹念に突き、ストライクも先行。丸亀の早打ちにも助けられ、八回の1安打のみに抑えた。

 丸亀は二回表二死から安打、三塁失策、安打で1点を先制。三回にも二塁失策、安打の走者をバントで送って一死二、三塁。内野ゴロの間に還って同点としたが、そこまでだった。先発中村も制球が1回戦同様悪く、五回までで6四死球では苦しい。(掛水)


99年11月22日(月)<朝刊>

明徳、丹原に快勝 初回に一挙5点

<丹原−明徳義塾>1回表明徳1死二、三塁で内村が左中間を破る二塁打。2者生還し3−0とリードを広げる。捕手近藤紋(徳島県営鳴門球場)  明徳義塾、丹原に快勝――秋の四国地区高校野球大会第2日は二十一日、徳島県営鳴門球場で1回戦の残り2試合を行った。本県第1代表の明徳は第1試合で愛媛県第2代表の丹原と対戦。初回に相手の5失策につけ込んで一挙5点。左腕増田もまずまずの出来。8−3で快勝した。

 明徳は初回、無死一、三塁から小川の左前打で先制。一死後、内村の左中間二塁打で二者生還。さらに内野の連続エラーと2四死球で計5点。七回にも松浦の一塁線をゴロで抜く三塁打などで2点。八回には二死三塁で田山が一、二塁間を抜いて8点目。明徳左腕の増田は、持ち味の打たせて取るピッチングをしたが、キレがいまひとつ。バックの再三の好守でしのいだが、四回と七回には3安打ずつ許して計3失点。安打数では丹原に9−10で負けた。

 第2試合の高松−鳴門工は投手戦。1−1で迎えた九回、表の守備でピンチをしのいだ高松が、一死二塁からサヨナラ打。香川県勢としては九年ぶりの準決勝2校進出を決めた。

 第3日は二十二日午前十時から同球場で、丸亀−今治西、明徳−高松の2試合を行う。

 【写真】<丹原−明徳義塾>1回表明徳1死二、三塁で内村が左中間を破る二塁打。2者生還し3−0とリードを広げる。捕手近藤紋(徳島県営鳴門球場)


<丹原−明徳義塾>3回裏丹原2死二塁。左前打で二塁走者近藤紋は本塁を突くが、レフト田窪の好返球で本塁刺殺。ピンチを逃れる。捕手木下(徳島県営鳴門球場)  明徳 相手監督もうなる守備

 「相手は一年生が六人。こちらは甲子園経験者もいる。その差がどこで出るかだ」。試合前、馬渕監督が指摘していたことが、初回にいきなり出た。

 先頭清水の打球を、遊撃が一塁悪送球。続く投前送りバントも、素早く処理すれば一塁はアウトだった。小川の左前打をレフトが後ろへ弾いて傷口を広げる。そして三塁、遊撃が連続ファンブル。4点奪ってまだ一死一、二塁。ここから連続四死球の押し出しまで出て、勝負は試合開始から20分足らずで決まった。

 明徳はジャンケンで負けて先攻となったが、「かえって良かった。硬くなっているところに、うまくつけ込めた」と馬渕監督。

 拙守の続いた丹原に対し、明徳は要所でバックが好捕、増田をもり立てる。レフト田窪が好返球で本塁刺殺すれば、センター清水、ライト内村もダイビングキャッチで増田を救う。内野陣も負けない。二、八、九回と3併殺。特に九回、田山のバックハンドからの二塁送球には「オッー、うまい!」と感嘆の声。

 丹原・井上監督も「愛媛に、あれを併殺にできるショートはいない。攻撃的守備だ」と絶賛。チーム全体でも球際の強さ、送球の正確さ、スピードの迫力を挙げ、「明徳は威圧感があった。対戦して初めて感じた」と素直に力の差を認めた。

 明徳打線は5点を奪った後、相手投手の落差の大きいカーブに手を焼いたが、100球前後から球威が落ちることは調査済み。「愛媛大会決勝でも、初回に2点取られた後はしばらく抑えていた」と馬渕監督。終盤の加点も筋書き通りと明かした。

 甲子園のかかる準決勝の先発は、右腕三木田が有力。高松のサヨナラ勝ちをバックネット裏で見届けた後、「三木田は絶好調。やってくれると思います。見といてください」と力強く言った。(掛水)

 【写真】<丹原−明徳義塾>3回裏丹原2死二塁。左前打で二塁走者近藤紋は本塁を突くが、レフト田窪の好返球で本塁刺殺。ピンチを逃れる。捕手木下(徳島県営鳴門球場)

明徳義塾 8−3 丹原
明徳義塾 500 000 210
丹  原 000 100 200

 明徳 再三の好守で反撃許さず

 【評】守備力の差を見せつけて明徳が順当勝ちした。

 初回、明徳は先頭清水が遊撃左に流し内野安打。一塁への悪送球を誘って無死二塁。さらに送りバントが内野安打となり無死一、三塁。小川の左前ライナーで2点先制すると、一死後、内村も左中間へ2点二塁打。ここから相手内野失策が二つ連続。さらに投手の三塁悪送球、連続四死球と続いて押し出し。この回4安打、5失策で5点をもらった。

 明徳増田は大量点をもらって気が緩んだのか、いまひとつの出来。単打ばかりだが、10安打を浴びる。しかし、バックがファインプレーの連続。三回はレフト田窪の本塁好返球で刺殺。四回は二死一、三塁で中前ライナーを、清水がダイビングキャッチ。際どく失点を防いで追撃を許さない。最終回には一死一塁で遊撃田山が地をはうようなゴロをバックハンドでさばいてゲッツー。守備力の違いをアピールして締めくくった。(掛水)


高松 2−1 鳴門工
鳴門工 000 010 000
高 松 000 001 001X

 高松が劇的サヨナラ 投手戦で鳴門工制す

 【評】ピンチの後にチャンスあり。投手戦は、終盤の窮地を乗り切った高松が、ワンチャンスをものにして最終回サヨナラ勝ちした。

 六回、同点に追いついた高松は九回、中前打の松家をバントで送って一死二塁。ここで六番升岡が中越えに放って、松家が歓喜のホームを踏んだ。

 高松は苦しい戦いだった。エース松家は立ち上がり制球に苦しみ、初回は一死一、二塁、三回は二死二、三塁のピンチ。中盤、お互いに1点ずつ取り合った後の八回は三番に打たれて無死二塁。しかし、送りバントを三塁手の好ブロックで刺殺。九回は二死二塁で中前打されるが、本塁への好返球で間一髪アウトに抑えた。

 鳴門工は松家のスライダーをうまく使った投球に的が絞れなかったのが敗因。横手投げの矢野も力尽きた。(掛水)


99年11月21日(日)<朝刊>

高知商、丸亀に逆転負け 最終回のチャンス生かせず

<高知商−丸亀>7回裏高知商2死二、三塁、市川裕の遊撃内野安打と悪送球の間に山下(背番号8)、秋山が相次ぎ生還。4−5と追い上げる。捕手土田(徳島県営鳴門球場)  高知商、無念の逆転負け――秋の四国地区高校野球大会は二十日、徳島県営鳴門球場で開幕。1回戦2試合を行った。本県第2代表の高知商は第1試合で香川県第1代表の丸亀と対戦。逆転を許し、4−5で惜敗した。高知商は四回、市川裕の左前打、送りバント失策で得た無死一、三塁で併殺打の間に1点を先制。しかし、六回に4長短打と2失策などで5点を丸亀に奪われた。高知商は七回に2四死球、1安打に2失策が絡んで1点差まで迫り、最終回も無死二塁まで詰め寄ったが、追い付けなかった。

 第2試合の鳴門一−今治西は、今治西の打線が爆発。先発全員安打の15安打を放って14−1で大勝した。

 第2日は二十一日、同球場で丹原−明徳義塾、高松−鳴門工の2試合を行う。

 【写真】<高知商−丸亀>7回裏高知商2死二、三塁、市川裕の遊撃内野安打と悪送球の間に山下(背番号8)、秋山が相次ぎ生還。4−5と追い上げる。捕手土田(徳島県営鳴門球場)


4回表、高知商は遊撃森本(背番号6)、二塁市川裕のコンビで併殺を完成。高知商の守備陣はこの後の6回、ミスが出た(徳島県営鳴門球場)  高知商 投攻守に初戦の硬さ出る

 投攻守とも初戦の硬さがもろに出た格好の試合だった。

 制球のいい高知商先発長友のはずだが、ボールがはっきりして球数が多い。1点リードで勝ちを意識しすぎたのか。六回、相手三番からの攻撃に、安打−バント−四球−安打で同点を許す。

 犠打以外の三人はいずれもフルカウント。同点適時打はストライクを取りにいって、ど真ん中に入ったカーブだった。

 なおも一死一、三塁のピンチ。ここで守備のうまい木浦が本塁悪送球。ストライクならアウトだったが、左に大きくそれた。

 「慌てて持って、コントロールが利かなかった」とうなだれる木浦。丸亀の搆口(かまえぐち)監督は、「ふつうなら一塁送球だろうが、守備がうまいだけにホームに投げた。うまさから出たミスだ」と同情する。

 さらに長短打と挟殺失敗で2点を失ったのは痛かったが、丸亀投手陣もピリッとしない。高知商は七回、2四死球と2失策から、1安打で3得点。息を吹き返し九回も、安打と捕逸で無死二塁。流れは高知商に傾いた。

 ここで三番木浦は浅い右飛。県予選で犠打を多用した高知商。三塁に送ってプレッシャーを掛けるかと思ったが…。この後、搆口監督が「秘密兵器」と呼ぶ三番手に抑えられた。

 「最悪で右へ転がして三塁へ進めたかったが。全体的にうちは追い込まれてからの思い切りが悪かった」と正木監督。

 勝てる試合だっただけに、試合後の高知商ナインは打ちひしがれ、痛々しかった。(掛水)

 【写真】4回表、高知商は遊撃森本(背番号6)、二塁市川裕のコンビで併殺を完成。高知商の守備陣はこの後の6回、ミスが出た(徳島県営鳴門球場)

丸亀 5−4 高知商
丸 亀 000 005 000
高知商 000 100 300

 高知商、悪夢の6回 痛恨の5失点

 【評】失策数は高知商4、丸亀5。守備のチーム同士の戦いのはずが、守りの破たんで点の取り合いになる予想外の展開。高知商は投打ともに悔いを残して初戦で消えた。

 四回、敵失絡みで1点を先制したが、六回まさかの逆転に合う。1四球、2安打で同点にされ、なおも一死一、三塁。七番打者は浅いサードゴロ。前進した木浦は迷わず本塁へ送球したが、左へそれる悪送球。バックネットまで達する間に一塁走者も生還。さらに二塁打と三本間の挟殺プレー失敗で、一挙5点を献上した。

 高知商も七回、連続四死球と犠打失策で1点もらうと、さらに二死から市川裕の遊撃内野安打と一塁への悪送球で1点差。九回にも秋山の右前打と捕逸で無死二塁となり、同点に追い付く絶好の場面を迎えたが、ここで代わった三番手投手に五、六番が連続三振。あと一本が出ず泣いた。(掛水)


今治西 14−1 鳴門一
今治西 200 234 01214
鳴門一 100 000 000

 今治西が猛打で快勝 鳴門一の2投手に15安打

 【評】今治西は鳴門一の2投手に容赦なく襲いかかり、計15安打で14得点。先発堀元も7回3分の2を初回の1失点に抑え、投打ともに快調な滑り出しを見せた。今治西は初回、安打と四球で得た一死一、二塁に四番相原が左中間二塁打で2点を先制。四回に失策絡みで2点を追加すると、五回には近藤の左翼上段へのスリーランで試合をほぼ決定。この後も攻め手を緩めず、六回には4長短打で4点、最終回には相原のツーランまで飛び出した。

 相原はこの試合、6打数4安打で二塁打3、本塁打1、打点4の大当たり。

 堀元もストレートが走り散発の5安打。大量点に守られて、八回途中からは故障上がりの二番手村上に引き継ぐ余裕だった。

 鳴門一は力負け。要所でのミスもことごとく失点につながり、いいところなく終わった。(掛水)


99年11月20日(土)<朝刊>

秋季四国高校野球 きょう開幕

 第五十二回四国地区高校野球大会は二十日から徳島県営鳴門球場で開幕する。十九日午前の抽選で、県1位代表の明徳義塾は愛媛2位の丹原と、県2位の高知商は香川1位の丸亀と対戦することが決待った(別表)。午後からの割り当て練習は、相手も分かって気合十分。五十分の短い時間だったが、両校とも集中して仕上げにかかっていた。

割り当て練習で盛んに足を使った攻めを見せた明徳義塾(徳島県営鳴門球場)  明徳は前日の練習をノックに費やしたことから、この日はシート打撃のみ。丹原のエースは左腕。左投手を登板させて一死一、三塁、二死二塁などの設定で盛んに足を使った練習を繰り返した。

 丹原は先発に一年生が六人の若いチーム。戦力的には劣ると見られるが、明徳・馬渕監督は「愛媛で一番練習している。侮れない。ショートとライトの選手は一年の夏からレギュラーで要注意」と気を引き締める。

 左打者が五人いるため、明徳は左腕増田の先発が有力。増田、三木田ともに調子は良く、それほど打たれることはないと見てよさそうだ。


初戦に向け最後の調整に懸命の高知商エース長友と見守る正木監督(徳島県営鳴門球場)  高知商は、明徳と逆で、前日は打撃、この日はノックのみ。他県1位校のエースが全員右腕であることから、午前中の別会場での練習で右の打ち込みを十分行い、球場では守備慣れに力を入れた。

 「うちは(県大会の)決勝で失策が出ているので」と正木監督。高知商、丸亀ともに守りのチームで、カラーは似ている。投手は最速125キロ前後で変化球を多投する。どこまでボール球を見極められるかがポイント。

 初戦をものにすれば、準決勝まで一日空いて長友を休ませることができ、日程的には恵まれた。その長友は県大会よりかなり調子を上げてきているという。

 【写真】左=割り当て練習で盛んに足を使った攻めを見せた明徳義塾

     右=初戦に向け最後の調整に懸命の高知商エース長友と見守る正木監督(いずれも徳島県営鳴門球場)



99年11月19日(金)<夕刊>

秋の四国高校野球 明徳は丹原、高知商は丸亀と対戦

 来春のセンバツ甲子園への重要資料となる第五十二回四国地区高校野球大会の組み合わせ抽選会が十九日午前、鳴門市内のホテルで行われ、別表の通り決まった。

対戦相手が決まり健闘を誓って握手する左から高知商福本、丸亀峰久、明徳田山の各主将(鳴門市内のホテル)  本県一位代表の明徳義塾は第二日の第一試合で愛媛県二位の丹原と、二位の高知商は第一日の第一試合で香川県一位の丸亀と対戦する。

 抽選会には各県の代表校の部長、監督、主将らが出席。同県同士が決勝まで当たらず、一回戦で各県一位校が二位校と対戦するように各校主将がくじを引いた。

 全国十ブロックの最後の大会で、二十日から四日間の日程。初日は午前九時に徳島県営鳴門球場で開会式を行った後、同十時から試合を開始する。

 やっと試合だ

 明徳義塾・田山国孝主将の話 相手が決まり、やっと試合をやるという気持ち。相手は左投手で、変化球主体でくると思う。ボールを振らないようにしたい。朝の試合は県予選の時から慣れているので大丈夫。

 胸を借りたい

 丹原・渡辺修三主将の話 明徳はいいチーム。胸を借りるつもりで戦う。上に行くには絶対当たらないといけないので、いずれは当たると覚悟していた。うちは左打者が多いので、左腕の増田君なら単打狙いでつなぎたい。

 守ってリズムつくる

 高知商・福本譲二主将の話 一番当たりたい相手だった。失策の少ないチーム。うちと似ている。守ってリズムをつくり、少ないチャンスをものにしたい。うちは主軸の調子が良く、投手の長友も順調。

 5、6点勝負か

 丸亀・峰久朋之主将の話 高知大会を直接見たが、よく打ついいチームだ。二位校だが強豪。勝ったら勢いがつくと思う。やりがいがある。左打者が多いので、うちの投手の出来次第。5、6点勝負になるのでは。

 【写真】対戦相手が決まり健闘を誓って握手する左から高知商福本、丸亀峰久、明徳田山の各主将(鳴門市内のホテル)


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