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2000年11月5日(日)<朝刊>
狙う甲子園、投手力に収穫 県代表の両校
剛の高知甲藤、柔の高知東今橋という、好対照な両投手の投げ合いで始まった決勝。両校とも二枚看板。高知は福山、東には藤田が控える。
エース甲藤は、室戸との代表決定戦を福山が投げ、自分がマウンドに立てない悔しさに耐えた。そして、決勝で先発。立ち上がりが悪く、百球近く投げ込みマウンドへ。
「後ろに福山がいる。いつつぶれてもいい」と全力で臨んだ。二回は制球に苦しんだが、三回からはカーブが決まる。五回まで散発3安打で9奪三振。当初の予定通り、六回2安打を許したところで継投。福山に片手を挙げ、頼むと目配せした。
甲藤は「今の状態では百点。県外勢と練習試合をやったけど、いけると思う」と吹っ切れた表情。福山も「両方にいい信頼関係ができた」とライバルの好投を喜んだ。
四国大会は連戦があり、継投の可能性もある。九五年センバツ以来遠ざかる甲子園は、二投手がカギを握る。中村監督は「甲藤も投げられることを知らせたかった。二人のめどがたった」と、バントなどを含む攻撃面を次の課題に挙げた。
一方の高知東は、今橋、藤田の両一年生が、大会で成長しながら継投を確立した。初の県代表となって明徳を倒したのが“フロック”でないことを証明。今橋のしんを外す投球術に、高知打線は再三の凡打。藤田も最後まで切れの良い球で、2安打に抑えた。敗れたとは言え、二人の持ち味が、終盤の粘りを導いたことは収穫だった。
橋田監督は、「バッティングは水もの、1点の重みが分かった。バント処理やバント攻撃、細かな部分を磨こう」とナインに呼び掛けた。二けた安打で勝ち上がった東も、決勝は7安打。四国大会では接戦をどう制するかが課題となるからだ。
「絶対、甲子園に出たい」と誓う両チームのナイン。四国大会では強敵が待つ。しかし、この大会を勝ち抜き、決勝では大きな収穫を得て課題も明らかになった。約一週間後の春野球場で、また力を発揮し、実力を増した姿を見せてほしい。(土居)
【写真】<高知東−高知>2回表高知無死二、三塁、谷が一塁内野安打を打ち、三塁から福本が生還して2−0とリードする(春野球場)
判定めぐり中断
六回裏、高知東の攻撃で微妙なプレーがあり、ゲームが約5分間中断した。一死一、三塁で五番細川の当たりは右飛。ライトの福本は捕球したが、送球モーションに入った時点で落球した。三塁走者はタッチアップしたが、一塁走者は捕球ミスと勘違いしてハーフウエーからそのまま二進(審判団の見解)。慌てて一塁へ戻ったものの、その前にライトから一塁へボールが転送された。
高知側からは「一塁走者のタッチアップ失敗で、三塁走者のホームインは無効ではないか」、高知東側からは「一塁走者はきちんとタッチアップしているのでセーフではないか」と抗議があり、審判団が協議。結局野球規則四・〇九により、三塁走者のホームインが一塁走者のタッチアップミスによる3アウト目より早いため、ダブルプレーにはなったものの、三塁走者の生還が認められた。
2000年11月4日(土)<朝刊>
高知東 苦節7年、夢の切符
高知東 4−3 岡豊
苦しい戦いだった。高知東は先発今橋が三回から制球を乱す。五回には4四球で押し出し。七回、一死から連続死四球を出した場面でようやく藤田にスイッチ。初の四国大会への切符を託した。
藤田は速球で押して七人をパーフェクト。明徳義塾を破った必勝リレーが、この日も生きた。「藤田は球のキレがある。ラスト一回りなら抑えられると思った」と橋田監督は冷や汗の胸中を明かした。
不安の中で臨んだ岡豊戦だった。負ければ、明徳を破っているだけに、選手のショックは倍増する。橋田監督は前夜、慰めの言葉まで考えたという。
だが、選手は監督の不安を吹き飛ばし、この日も13安打。効率こそ悪かったが、早々に4点を奪い逃げ切った。
東は強くなった。昨年の夏の甲子園県予選から4大会連続でベスト4。そしてついに準決勝の壁を打ち破った。その陰には、山崎部長との二人三脚の指導がある。
三年前、六年間の県教委出向から教育現場に帰ってきた山崎部長が、守備強化を引き受けた。中村高野球部出身で三十九歳。気を抜いたプレーをしようものなら、どんどん近づいていって、ノックした。
その分、捕手出身の橋田監督は、投、打育成に力を注ぐことができた。成績が上がると、中学から主力級が集まりだした。今年初めて、秋の新チームで二十人を超えた。競争がおこり、135キロの投球マシンをガンガンと打ち始めた。
母校である東に帰って七年目の橋田監督。「最初のころを思うと、夢のようです」と、目をうるませた。(掛水)
高知・福山 「中盤まで」返上の好投
高知 6−2 室戸
高知の先発福山がテンポ良く、室戸打線を切っていく。135キロ前後のストレートが伸び、シンカーでもスイングアウト。怖い三、四番は外角攻めを徹底し、快音を許さない。五回二死一、二塁のピンチも、九番でピシャリと抑えた。これまで好調の室戸打線に、しんを当てさせない。
中村監督が「どこと戦っても、五回まで心配ない」と言い、立ち上がりから安定感のある福山。しかし、最近の宇和島東との練習試合で、最終回に大量点を取られたように、後半に崩れる不安がつきまとってきた。
ライバルのエース甲藤がおり、どちらが投げるか―。先発が決まったのは前日。試合形式の練習で中村監督が審判をして、悩んだ末にチームのリズムを考え決めた。雨で日程が延び、福山の連投疲れが取れたのも良かった。だが、いつ崩れるか。「途中で胃薬を飲んだ」と心配した中村監督。甲藤、福本も肩をつくり救援態勢をとっていた。
室戸は追い込まれてからの変化球を嫌い、早めに打つ作戦に出たが、福山の球威が予想以上。特に七回は初球狙いから2球で二死。結果的に疲れの見えた福山を助けた。ここで福山も完封を意識した。
最終回は四番前田にツースリーから右前打されるなど、2失点。目前の完封を逃した福山だが、「点は取られたけど、(相手の苦手なコースを)きっちりつけば室戸でも抑えられる」と振り返る。
中村監督は「福山には(練習試合の結果で)きつい言い方をした分、形になった。甲藤と二人で競ったから、頑張れたろう。完投は自信になったと思う」。背番号10が「中盤まで」のイメージを、代表決定戦というビッグゲームで返上した。(土居)
2000年10月30日(月)<朝刊>
高知東が明徳制す 明徳まさかの「投」「打」崩壊
明徳が負ける信じられない幕切れを見て、どよめき、沸き立つスタンド。その一方で手早く荷物をまとめ、引き揚げる明徳ナインに「まさか」の表情が読みとれた。馬渕監督は敗因を「ピッチャーも悪いし、守りも悪い。10点取って負けるようじゃ、話にならん」と言い捨てた。
準決勝、決勝を視野に入れ、「本人にとっても、チームにとっても試金石」と先発に背番号10の竹内を起用。その竹内は「コースが甘く当てられた」とぽつり。まっすぐ狙いでセンター返しを心掛けた東打線に、二回の3連打など5安打で3失点してしまった。エース筧が四回途中から救援したが、外へのカーブを打たれ、九回は直球がシュート回転し甘く入るのをはじかれた。結局11本の痛打を浴びた。
エース先発でなかったことが、高知東ナインに「いけるかな」との意識も芽生えさせた。打撃力あるチームに、先発を打ち込まれて自信を持たれ、エースさえものみ込まれてしまった。
合計7個の失策も、勝利を遠ざけた。九回に逆転された4点は3失策が絡んだもの。四回の1点も、無安打なのに3失策で与え、自分の足を引っ張った。六回二死一塁、内野ライナーをうまくさばけなかったことも、後を引いた。この回4失点がなければ、コールドもある展開だった。
2回戦の高知商戦。「初戦は大事。今後を左右する」と危機感を持って臨んだが、ここでも苦しんだ。この時に4連続四死球を出した筧だが、気持ちの上で伏線となるものがあったかもしれない。
高知東は2回戦、13安打したが5得点。常勝チーム明徳には「そう打てないだろう」と心の油断はなかったか…。高知東の勢いがすごかったとはいえ、“自爆”した部分が今後の課題として残る。
馬渕監督は「九回に3点差をひっくり返されるようじゃ、四国大会に行ってもだめ」。言葉は少なく、足早に球場を去った。(土居)
2000年9月25日(月)<朝刊>
目指せセンバツ! 秋季四国高校野球県予選きょう開幕
第五十三回秋季四国地区高校野球県予選は二十五日、春野、東部球場で開幕する(開幕前の特例試合、宿毛−高知高専は雨天中止で宿毛が不戦勝)。今年は高知球場の改修工事などのため、1回戦を九月二十五−二十七日に行い、2回戦以降を十月二十六日−十一月二日(春野球場)に開催。上位2校が来春のセンバツ出場への選考資料となる四国大会(11月10日から4日間・春野球場)に出場する。
大会は八月の県選抜大会(新人戦)の成績から、明徳義塾が2回戦からの第1シード。反対側の第2シードが高知で、土佐と室戸が第3、4シードに入る組み合わせ。
「春」を目指し六年連続の四国大会出場を狙う明徳は、投攻守がそろい一歩リード。これに残りの3シード校と、2回戦で対戦が予想される高知商らが挑む戦いとなりそう。順当なら2回戦で対戦しそうな中村−岡豊、追手前−西、これに海洋なども二番手に迫る勢いで、1回戦の戦いぶりが注目される。
大会第一日の二十五日は午前八時半から1回戦6試合が行われる。
2000年9月23日(土)<朝刊>
宿毛 不戦勝で2回戦へ 雨で対高専戦中止
二十五日開幕する第五十三回秋季四国地区高校野球県予選に先立ち、二十二日に特例として行われる予定だった宿毛−高知高専戦は雨のため中止。高専は定期試験の都合で1回戦期間中に出場できず、順延はされずに宿毛の不戦勝が決まった。
雨に泣いた高専 定期試験控え順延できず
高知高専ナインは数日前から、天気予報が気になって仕方なかった。雨で試合が中止になれば、定期試験の準備期間に入るので、順延はできない。自分たちの不戦敗が決まるからだった。
ところが、夜半から無情の大雨。戦わずして負けてしまった―。「ずっと晴れていたので、絶対やれると思っていた。なぜ、きょう降るかな。むっちゃ悔しい」と朝比奈主将。午前七時、雨天中止の決定を確認した谷沢部長は寮にいる部員を集め、「長いシーズンオフになるが、前に向かって気持ちを持ち続けよう」と呼び掛けた。
高知球場の改修工事が遅れ、高野連は八月初旬、今回の二分割日程に変更した。高専は前期試験が九月末に始まり、二十五日からの日程では出場できなかった。
高野連も救済策を練ったが、まず球場が空いてない。十月末の2回戦最初の試合前も検討したが、勝ったチームが連戦となる。甲子園をかけた大会だけに、公平さに欠けてはいけない。何とか出場できないかと検討の結果出たのが、今回の開幕前に1試合を行う特例措置だった。しかし、せっかくの措置も雨に流れて、不戦敗が決まってしまった。
谷沢部長は「二十二日にスケジュールを変えてもらったところで、高専の気持ちをくんでくれたと思う。やむなし。生徒は納得してないでしょうが…」。
朝比奈主将ら二年生は「甲子園は遠いが、春へのラストチャンス、出てみたかった。春季大会、夏に向けて鍛えるしかないし、この悔しさをそこで返したい」と、固く口を結び決意していた。(土居)
2000年9月22日(金)<朝刊>
25日開幕の県予選 明徳が一歩リード
31校が参加する第五十三回秋季四国地区高校野球県予選は二十五日、開幕する。今年は高知球場の改修工事などのため、1回戦を九月二十五−二十七日(春野、東部球場)、2回戦以降を十月二十六日−十一月二日(春野球場)に分けて開催。また、高知高専の定期試験の都合で宿毛−高知高専の1回戦が特例として開幕前の二十二日、東部球場で行われる。来春センバツへ夢をつなぐ四国大会(11月10日から4日間・春野球場)出場の二つの代表権をかけ、熱い戦いが繰り広げられる。
2回戦で対戦が予想される明徳義塾−高知商のほかは、Dゾーンがやや厳しいものの有力校が各ゾーンに分かれ、上位戦で激突しそう。
その中で一歩リードするのは、第1シード明徳。2回戦から出場のため、ほぼ例年通り調整できるのも強み。松浦、森岡、筧を軸とする打線も順調に仕上がりそう。一年生投手筧は今大会に向け、新チーム結成前から調整してきた。カーブが良く、球が手元で伸び威力がある。守備は松浦、村田、森岡と内野は堅く、外野は足が速く範囲が広い。
これに対抗する二番手は、新人戦の残りのベスト4、高知、室戸、土佐と、高知商あたりか。第2シード高知は旧チームで経験のある甲藤、福山両投手の出来次第。打線は中軸を除き、ほとんどが左打者で面白い。片岡が二塁に移り、肩の良い光富を遊撃に入れて守備を固めた。県外校と遠征試合を重ね、明徳に敗れた新人戦の雪辱を期す。
室戸は比較的楽なゾーンで、ベスト4まで順調に進みそう。旧チームからの川越、細松両投手がおり、クリーンアップは前田、川越が残る。チーム打率が3割6分5厘と高く得点力があり、練習試合を含め13勝し、負けは新人戦の明徳戦だけ。課題は上位との戦いで精神面で負けないこと。
土佐は夏の県大会決勝で明徳と競った右腕合田がいる。打線は原、合田を軸に、全体的に振れている。エースと呼ぶにふさわしい投手を持つだけに守備堅めを図り、チャンスを確実に生かすチームを目指している。
高知商は2回戦で明徳と対戦しそう。旧チームからメンバーはがらりと変わり、新人戦は室戸に惨敗。しかし、打線にしぶとさが出て、失策も少なくなった。森本投手ら故障者が多いが、2回戦までに戦力を万全にしたい。
三番手グループの数は多く、二番手に迫る。Bゾーンは順当なら2回戦で中村と岡豊が対戦し、勝ちチームが準々決勝で土佐と当たりそう。新人戦で元気のなかった宿毛は、最近の岡豊との練習試合で連勝した。Dゾーンの追手前、高知西も評判がいいが、海洋は練習試合でこの2校と土佐に勝っている。
大会日程が前倒しになったことで、投手を中心に旧メンバーが残るチームが一般的に有利。新チームで多くの選手が入れ替わった学校は、まず、1回戦を勝ち抜くのが課題。これに勝ち、約一カ月後の2回戦までに、さらに戦力アップを図りたいところだ。(土居)
2000年9月17日(日)<朝刊>
秋季四国高校野球県予選の組み合わせ決定 22日から開催
31校が参加する第五十三回秋季四国地区高校野球県予選の組み合わせ抽選会が十六日、高知南高で行われた。今年は高知球場の改修工事などのため、二期に分かれた変則的な開催。一回戦を九月二十二(東部球場)と二十五−二十七日に春野、東部球場で行いベスト16までを出し、二回戦以降を十月二十六日から十一月二日(10月31日は休養日)に春野球場で行う。この結果、二回戦から出場する第一シード明徳義塾は十月二十六日から登場する。中央、城山は部員不足のため参加を見送った。
八月の県選抜大会(新人戦)の結果から上位4校をシード。3位の土佐と室戸が抽選して、土佐が明徳ゾーン、室戸が高知ゾーンに入った。続いて残る27校が本抽選を行い、別表の通り決まった。
例年に比べ有力校が分散して、上位でぶつかる展開となりそう。組み合わせ表を上からA、B、C、Dの4ゾーンに分けると、Dゾーンがやや厳しく、第2シード高知に初戦で中芸、順当なら2回戦で海洋、準々決勝で追手前、西の勝者が絡む。
Aゾーンの明徳は投攻守がそろい最右翼、新チームとなってから練習試合も含めて負け知らず。二回戦から出場し、例年通りの調整ができるのも強みで、初戦の相手は高知商となりそう。高知商は森本投手の故障が痛いが、2回戦までに間に合わせ、戦力を整えて対戦したい。
Bゾーンは夏の県大会準優勝校、土佐が有力。合田投手が残るだけに、守備固めを進めて上位を狙う。準々決勝で中村と岡豊の勝者との戦いとなりそう。新人戦では中村を4−1で破っている。
新人戦ベスト4の室戸はCゾーン。同大会で明徳に大敗したものの、東、高知商に勝って実力を見せた。打撃は好調、守備も安定感を増してきている。比較的に楽なゾーンなので、上位に絡みそう。
大会日程が前倒しになったことで、全般的に、旧メンバーの選手が多く残るチームに余裕がある。
異例の日程は高知球場の改修がずれ込むためで、県大会の会期が約一カ月も分離されるのは初めて。また、ことしから神宮大会(11月17日から5日間)の四国代表が四国大会(11月10日から4日間)の優勝校となり、開催が前倒しされること。プロ野球「黒潮リーグ」の開催で、十月中旬に各球場が使えないこと―なども影響した。県高野連は今回だけの特例措置としている。
このため、定期試験の都合で日程が合わない高知高専は、加盟校の了解を得て二十二日に宿毛と対戦。ただし、雨天などで中止となった場合は高専の不戦敗となる。
【写真】来春センバツへの夢をかけて開かれた秋季四国地区高校野球県予選の組み合わせ抽選会(高知南高校)
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