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2005夏の高校野球 県大会

2005年7月24日(日)<朝刊>

 高知―明徳 2年ぶり決戦

 明徳義塾と高知、2年ぶりの頂上決戦―。23日、春野球場で準決勝を行い、明徳と高知が勝って決勝に進んだ。1978年の1県1代表以降では明徳が10年連続18度目、高知は2年ぶり12度目の決勝進出。両校の決勝対決は2年ぶり8度目。明徳が勝てば自らの持つ戦後全国最多記録を更新する8連覇となり、12度目の甲子園。高知が勝てば24年ぶり9度目の県代表になる。

 明徳―高知東は、明徳が2本塁打など長打攻勢で着々加点。1―2の二回は松下の本塁打で同点とし、赤瀬の犠飛で勝ち越し。五回は中田の三塁打などで2点、七回にも中田の本塁打などで、さらに2点を加え、7―2で高知東を下した。エース松下は被安打7で完投した。

 高知―岡豊は、高知が初回、山本幸の適時打など打者一巡の5点。三、六回にも2点ずつ加えて9得点。9―1の七回コールドで岡豊を退けた。エース二神は6回2安打1失点。五回まではヒットを許さなかった。高知は1回戦から4試合連続コールドゲーム。

 最終日の24日は午後1時から同球場で明徳―高知の決勝を行う。


 ▽準決勝

 明徳2発 力で7得点 高知東は先制実らず

高知東 200 000 000
明 徳 120 020 20×
 
【明徳義塾―高知東】2回裏明徳1死二、三塁、赤瀬のレフトフライで三塁走者山重がタッチアップから勝ち越しのホームイン。捕手和田(春野球場)  【評】明徳は甘い球を見逃さなかった。それも単打でなく長打にしてしまう。初回に先制を許したが、2本塁打を含む5長打の力で7点を奪い、高知東をねじ伏せた。

 二回に7番松下が左越え本塁打を放ったが、これは同点にする一打以上のダメージを高知東バッテリーに与えた。ヒットで続いた山重を野選を誘う2本の送りバントで三塁に進めた後、赤瀬は軽々と逆転の左犠飛。五回は中本、中田の連続長打と下田の犠飛の2点で、七回には中田が右中間芝生席にライナーで放り込んだ後、下田、永松の長短打で決定的な2点を加えた。

 東も4本の二塁打を放ったが、走者を置いて出た一打は初回石川の2点右中間打1本。途中、速球主体の投球に切り替えた明徳・松下から連打を奪えず、二回以降三塁が踏めなかった。(土橋

 【写真説明】【明徳義塾―高知東】2回裏明徳1死二、三塁、赤瀬のレフトフライで三塁走者山重がタッチアップから勝ち越しのホームイン。捕手和田(春野球場)

 親友バッテリー無念

 城北中からずっとバッテリーを組み、2002年には全日本少年大会にも出場している高知東の石川と和田。試合前、明徳打線の攻め方を入念に話し合って臨んだが、2本塁打を喫するなどパワーに屈した。

 「和田が『おれを信じて投げろ』って。いい感じで試合には入れたんです」と石川。しかし、明徳の打者が一枚上。すっぽ抜けて高めに浮いた球をことごとく打たれ五回までに5失点。4番中田には七回、狙った内角ひざ元の球をライナーで右中間芝生席に放り込まれた。

 和田が六回裏の守りからベンチに下げられ、石川も七回途中に降板。「立ち上がりに腕が振れず打たれた自分が悪い。最後まで一緒にやりたかった」とエースはうなだれた。

 明徳 打線「修正」しあと“1”

 初回に2失点。失策も絡み先制を許した。準々決勝の須崎戦をなぞるような嫌なスタートだった。しかし、終わってみれば7―2。3日前の不完全燃焼の勝利を「修正」して、明徳義塾は10年連続で「あと1勝」に進んだ。  厳しいトーナメントを勝ち抜く上で不可欠な「修正能力」の高さをのぞかせた。まずはメンタル面。

 緩い変化球にタイミングが合わず終盤までもつれた準々決勝終了後、落ち込むナインに馬淵監督は「甲子園に行くには(県大会で)こういう試合が1試合はある」。不本意な出来を自覚していたナインは、この一言で「気持ちを切り替えられた」(赤瀬主将)という。

 軟投派にずらされたタイミングを、大会中に取り戻すのは思っているほど簡単ではない。休養日の練習では高知東のエース石川の球速に合わせた135キロマシンの練習に時間を割いたが、「詰まらされないように前で振り抜く」ことを再確認した。

 ふたつの“チェック”の成果は序盤で見えた。一回、中本、中田の連打などでまず1点差。いずれもベース寄りに詰めて内角球を投げづらくさせた上で、外寄りの甘い直球をはじき返した。

 二回には“気付け”の一発。「石川君の球はシュート回転してくるので、狙っていた」という松下が、外角から中に入ってきた直球をレフト芝生席に同点本塁打。勝ち越し点は野選を含む連続送りバントの後、赤瀬の犠飛。須崎戦の前半には見られなかったリズムのある攻めだった。

 「守りからリズムをつくる」チームとはいえ、「線」の畳み掛ける迫力はもうひとつ。ただ、つぼにはまったときの長打はさすがだ。特に4番中田は七回のスタンドインだけでなく、高め低め、内角外角、球種も関係なしで火の出るような当たりを量産している。泣いても笑っても残るのは決勝だけ。前人未到の8年連続に挑むだけだ。(山崎


 高知13安打 鋭く9得点 岡豊、痛恨の初回5失点

高 知 502 002 0
岡 豊 000 001 0
七回コールド
【高知―岡豊】3回表高知2死一、三塁、山本幸が左前適時打を放ち7―0とリードを広げる。背中は三塁走者中谷(春野球場)  【評】高知は初回にいきなりの5得点。岡豊のちょっとしたほころびを逃さない打者一巡の攻めで主導権を握り、コールド勝ちに結びつけた。

 この回、失策出塁の1番中谷を国沢が送った後、山本幸ヒット、勝賀瀬死球の一死満塁から5番中川の左前打でまず1点。富永が押し出し四球を選んだ後に下司がタイムリーを放ったが、これはズバリ右狙い。高知は長短13安打で9点を重ねるのだが、外角球を逆方向におっつけるバッティングが9安打を数えた。

 岡豊は六回、チーム初安打になる足達の左前打を足場に、横山の内野安打、岡林利の押し出しを含む2四球で、高知に今大会初失点を記録させたが、反撃はそこまで。立ち上がりの大量失点で崩れた態勢を立て直せず終わった。(土橋

 【写真説明】【高知―岡豊】3回表高知2死一、三塁、山本幸が左前適時打を放ち7―0とリードを広げる。背中は三塁走者中谷(春野球場)

 初回20分の守勢

 「もっと振り回してくれると思ったが、ああいうバッティングをされると苦しい」。コールド負けを喫した岡豊の山中監督はため息。準々決勝で高知商に快勝して挑んだ第2シード高知の壁は厚かった。

 初回いきなりの5失点が痛かった。ピッチャー優位のカウントにしても、しっかりたたかれた4安打に四死球、失策が絡んだ打者一巡の20分間だったが、守備側タイムのタイミングはどうだったか。

 押し出し四球で2点目を許してなお一死満塁、7番打者ワンボールで伝令を出した。既に流れは高知に傾いており、この後タイムリー2本で3点を追加された。足達捕手は「もっと間を取って落ち着かせてあげたかった」。思い通りの投球ができず二回途中降板となった先発岡林勝をかばった。

 高知 マイペース崩さず圧倒

 プレーボールの数分前、岡豊の選手全員がダッグアウト前に出て、大声でイチ、ニイ、サン…と10回ジャンプ。その間高知はというと、ベンチに座ってゆったりと岡豊ナインの動きを眺めていた。岡豊が“儀式”を終えてベンチ前に一列に並び、今にも飛び出さんとダッシュの構えをとったころ、高知ナインが一人ずつゆっくりとベンチ前に現れた。

 「相手に合わせる必要はないんです。無理して早く出て行くことはないし、こっちのペースでやるんです」と主将中谷。この日の試合運びはまさにその言葉通りだった。

 初めから相手をのんでかかっていた。初回、いきなり打者一巡の5点だが、各打者とも気持ち良くバットを振り抜いた。難しい球に体勢を崩されながらもスイング軌道はぶれない。チャンスにも気負った様子はまったくない。

 エース二神は六回まで2安打1失点。五回までノーヒットの完ぺきな内容だったが、捕手とサインを交換しているのかと疑問に思えるほどのハイテンポ投球。初回の援護もあったが、打者に考える余裕も与えない間合いで球を投げ込んだ。

 そして、投手が1球投げるたび、打者がバットを振るたびに大きな声がダッグアウトから聞こえた。島田監督の甲高い声が一番大きい気もしたが、ベンチの選手もそれぞれがグラウンドの選手を盛り上げた。五回、一死から初走者をエラーで許したが、雰囲気は悪くならないどころか、むしろ逆に引き締まった。島田監督も「とにかく伸び伸びやっているし、ちょっとミスが出ても連鎖反応がない。自分たちでゲームができるようになっている」。

 これで4試合連続コールド勝ちの決勝進出。得点35の失点1は、ちょっとうまくいき過ぎの感もあるが、チームが乗りに乗っていることは間違いない。24年ぶり夏の甲子園の懸かる明徳との決戦も自分たちのペースで臨む。(井上


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