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2005年02月16日
夢舞台への懸け橋に 西武 渡辺智男さん(37)
「やっぱり、『縁』ですよね」
西武ライオンズの中四国担当スカウト、渡辺智男さん(37)は自分の仕事の決め手について、そう口を開いた。自分の20年近く前の経験に負うところが大きいのだろう。
【写真説明】「かかわった選手が活躍すればうれしい」と話す渡辺智男さん(春野球場)
1985年センバツの伊野商高優勝の立役者がプロの道を歩み始めたのは89年。社会人野球のNTT四国時代の前年、ひじの手術を受けたこともあり、キャンプは他の選手とは別メニューだった。その時、キャッチボールに付き合ってくれたのが、入団交渉も担当した楠城徹スカウト(54)=現楽天編成部長補佐=だった。
楠城さんの入団後の面倒見の良さが渡辺さんの支えになった。1軍デビューは6月になったが、快調に白星を重ね10勝7敗。2けた白星を重ねることができた。もちろん、入団時もそうだ。プロ入りをためらっていた渡辺さんを楠城さんは熱心に口説いてくれた。
「プロの世界でやれるかどうか。それは若かった自分が客観的に判断できるものじゃない。不安を抱える中、何度も足を運んでもらって『大丈夫だ』と…。それこそ、高校在学時から気を掛けてくれたんです」
伊野商高では、考えもしなかった夢舞台。悪く言えば、「スカウトは人買い」のイメージを180度変えた出会いがあったから、渡辺さんのプロ人生は始まった。
そして、10年の現役生活にピリオドを打った98年。受けた恩を返す番だ。今度は渡辺さんが「プロへの懸け橋」になった。高校、大学、社会人のキャンプ、さまざまな全国大会や予選を回って「原石探し」に精を出す。1年の大部分は家を空けるという。でも、本当の仕事はここから。
「尻込みする選手の背中をポンと押してあげること。そして、入団後のフォローも。心を許してもらえる間柄をつくり上げないと…。奥の深い仕事です」
チームの今を知るために、西武の試合もチェックする。選手獲得はスカウトチーム全体の力。自分が「とった」という意識はないという。でも、かかわった選手が活躍してくれたら、うれしい。
古里で行われている2軍キャンプでも中四国エリアで渡辺さんが発掘した選手が懸命に汗を流している。ゆっくり見ていきたいところだが、「九州に行くので…」。後ろ髪を引かれるように、原石を追う旅に出た。 (プロ野球キャンプ取材班)
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