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昨夏、新チームに移行して、最初にエースナンバーを着けたのは甲藤。ところが、秋の県大会で控え投手だった福山が一気に浮上。準々決勝では七回コールドながら、高知西から12奪三振。県代表のかかる準決勝は好調室戸を八回まで無得点、最終回に2失点したが、5安打8奪三振の好投を見せた。
このため四国大会では福山がエースの座を奪った。しかし、甲藤も球威と精神面で負けない。完投能力のある本格右腕の二枚エースが競り合い、甲子園切符を勝ち取る中で成長したのがチームにとって強み。
福山は183センチ74キロの体から、135−140キロの切れのいい速球を投げる。制球力とテンポの良さが持ち味で、野手もリズムを保って守りやすい。カーブに、勝負どころでは独特の落ちるボールで三振を奪える。四国大会1回戦はいつもの安定感がなかったが、悪いなりにしのぐピッチングを覚えた。公式戦の防御率2.19は出場校投手中27位の成績。経験を積めば、まだまだ成長する素材だろう。
一月初めの練習で左足首を骨折したが、別メニューでウエート中心の体づくりを続け、二月末にはピッチングができるまでに回復した。最近、紅白戦でレギュラー組に1イニング投げ、130キロ台後半の速球で2三振と内野ライナーに打ち取ることができ、ひと安心。投げ込みができなかった割に、制球が良く球の切れも落ちていない。しかし、不安を隠せないのは当然のことで、センバツまでに完全復帰できるかが、チームにとってもカギだ。
一方の甲藤は中学時代に全国大会に出場し、高校入学時も138キロをマーク。高校でも一年から登板しており、経験豊富だ。180センチ73キロで背筋力は280キロもあり、恵まれた体を生かしての球威は十分。問題なのが制球力で、昨秋から上体がぶれないフォームに改造した。その上で球速も戻ってきた。
| 投手成績 |
※上段は公式戦、下段は
公式戦と練習試合の合計
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選 手 名 |
試 合 数 |
完 投 |
完 封 |
投 球 回 数 |
被 安 打 |
奪 三 振 |
与 四 死 球 |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
| 甲藤 |
6 |
2 |
0 |
33回2/3 |
33 |
28 |
14 |
18 |
13 |
3.48 |
| 20 |
9 |
0 |
119回2/3 |
95 |
89 |
64 |
62 |
42 |
3.16 |
| 福山 |
9 |
6 |
2 |
49回1/3 |
34 |
47 |
15 |
14 |
12 |
2.19 |
| 24 |
11 |
3 |
116回 |
111 |
118 |
42 |
53 |
38 |
2.95 |
| 福本 |
0 |
− |
− |
― |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
| 6 |
0 |
0 |
9回 |
11 |
6 |
7 |
6 |
3 |
3.00 |
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二月半ばの紅白戦は自己ベストの最速142キロを記録。ナインは「制球力も増してきた」と認める。ところが、その後の風邪で一週間も投球練習ができず、いまひとつの状態になるなど波がある。
練習試合の解禁後、明徳戦で8回を投げ、7四球を与え12安打を浴びた。計算できない面があるのがつらい。しかし、甲藤は「福山もそろそろ投げられる。大会までにあと4校との練習試合があるので、結果を出した方が先発だと思います」と、主戦奪還へ闘志を燃やす。
速球にこだわるタイプだが、カーブとスライダーもある。一日150球を目標に投げ込みをしてきたが、いよいよベストに向け調整の段階に入った。この右腕二人に、一年の左投手福本をワンポイントで使う可能性もある。
中村敏彦監督は「(けが後の)福山にはやや不安があるが、間に合いそうで希望も持てる。甲藤とどちらが先発するかはまだ分からない」と、ぎりぎりまで頭を悩ますことになりそうだ。
【写真】制球力を増した速球派の甲藤(手前)と球の切れにいいものがある福山
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