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シニアNo.1投手ら続々 “制覇”も望める陣容に
ここ何年か、明徳義塾監督、馬渕史郎(44)が決まって言うセリフがある。
「ことしは、ええ投手が入ってくるで!」「今度の内野は抜群や!」。
聞くたびに「そうなると全国制覇か」と期待するが、甲子園はそれほど甘くないし、最近では、聞く側もそれなりに受け取っている。だが、どうやら今年のそれは、かなり真実味を帯びているようにも聞こえる。
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実績のある二人の右腕投手が大阪から入ってくるらしい。一人はシニアリーグ夏の全国大会優勝投手。もう一人はボーイズで実績を持つ。
「一人は粗削りだが、体もあって、球も速い。もう一人は体がやや細目だが、バランス的には素晴らしい。甲乙つけがたい素材」と馬渕。全日本シニアのベストナイン内野手や、「軟式出身だが、カパカパ打つすごいパンチ力の選手」もいるという。
馬渕が明徳の監督になったころから付き合いのある大阪の強豪シニア「泉佐野」は、今回初めてエースを託す。今春、背番号「1」を背負う三木田敬二の出身チームでもある。
「投手もやってたが、主は内野手だった三木田を投手に仕上げて、甲子園のマウンドに立たせてくれたのが、一つの安心感ですね。私らは明徳の名を上げるだけの手伝いで、子供を行かすわけではないんです。期待通り活躍させて、甲子園出して、卒業後の進路もキチッとつけてくれている。それですねん」
チーム相談役の中野楠雄(56)はこう事情を語る。
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「広島のシニアから、全然知らなかった選手が入ってくるらしい」
馬渕は合点がいかぬように言った。昨年八月の体験入学で知ったという。
多数の強豪チームがある広島。周囲はてっきり地元有力校に進むとばかり思っていただけに驚いた。少年は動機を語った。
「寺本さんがマウンドにうずくまって泣いていた時、皆が集まって慰めるのを見て、ここしかないと」
二年前の夏、甲子園準決勝で、横浜にまさかの逆転負けを喫した時のシーンだ。
「ああいう泣き方ができるのは三年間、皆で一生懸命やってきたからだと思います。山にこもり、泥だらけになって達成感を味わいたい」
中学三年生でこんなにしっかりしていいのか、と思うほどしっかりしていた。
親も学校もチームも驚いたが、本人の決意が固く、引き留めようがなかったという。
「プロに入れるような素材が多いと聞いてます。四国へ行かすことすら初めて。明徳のレベルも知らない。勇気を持ってよく行ってくれたとも思う。彼が入ったことで、お付き合いを始めさせていただくことになるかもしれない」
広島カープの元投手、川口和久とノンプロ時代、同じチームだった監督(41)は、まだ戸惑っていた。
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中学時代の実績があるからといって、レギュラーの座が約束されているわけではない。それでも甲子園を求めてやってくる。
「よっぽど技術とガッツがある子でないと、来なくなりましたね。技術は劣っても心意気は持っているとか。言わなくても、自然と競争が始まるんですわ」と馬渕。
五年連続「春」の財産だ。
(敬称略)
【写真】青雲寮の入り口わきに飾ってあるこれまでの県大会優勝盾やカップ。馬渕監督になってからは今春で10回目の甲子園となる
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