|
11月28日(月)・朝刊
千秋楽 年間最多勝新記録84勝
前日に史上初の7連覇と年6場所完全制覇を決めた横綱朝青龍は大関千代大海を下して14勝1敗、史上1位の年間最多勝記録も84に伸ばした。
朝青龍は千代大海の押しをしのぎ、もろ差しで寄り切った。小結旭天鵬は関脇琴光喜を破り勝ち越しを決めた。関脇、小結が全員勝ち越したのは2000年春場所以来。
朝赤龍は安美錦を引き落として9勝目を挙げた。土佐ノ海は黒海の小手投げに敗れて、5勝10敗となった。琴奨菊は栃乃花に寄り切られて6勝9敗。豊ノ島は春日錦に肩すかしを決めて、7勝8敗とした。
初場所は来年1月8日から東京・両国国技館で行われる。(この項の一部と写真は共同)
【写真説明】千代大海(右)を寄り切りに破った朝青龍(福岡国際センター)
○朝青龍(よりきり)千代大海●
千大が左のど輪押しで先手を取る。後退した朝青。余裕を持ってこらえてもろ差し。頭をつけ、差し手を深くして前に出て寄り切った。
周りの人のおかげ 人間的にも成長
朝青龍による、朝青龍のための1年が終わった。84勝6敗というとてつもない記録を残し「満足している。周りの人や付け人のおかげで今日まで来ている」と謙虚に話した。
14日目に前人未到の7連覇と年6場所全制覇を成し遂げても、集中力は切れない。千代大海を難なく寄り切り、最高の年を締めくくった。早くも来年に84勝を上回る記録を期待する声に「来年のことは来年で。でもやればできないものではないんでね」と応えてみせた。
前夜は祝杯を挙げに訪れた福岡市内の料亭で、尊敬する元横綱大鵬の納谷幸喜氏と偶然会い、大記録達成の報告をした。やんちゃで荒々しいイメージが先行する朝青龍だが、先人を尊敬する姿勢は日本人力士以上。この日は今場所後に定年退職する立行司の木村庄之助の最後の勝ち名乗りを受けた後に、粋な計らいをする。「気が合うというかね。お世話になりっ放しだったから」。大きな花束と数本の懸賞金を手渡し、頭を下げた。
横綱に昇進して3年近く。やっと心身ともに落ち着いてきた。「人間としては円熟期に入ったかな」とは師匠の高砂親方(元大関朝潮)。ただ勝っただけではなく、今年は精神面の成長も見逃せない。「まだまだ。弱冠25歳なんでね」。全盛期の朝青龍。立派な横綱になってきた。(共同)
【九州場所県勢総評】 朝青龍に必要な慎重さ
一年の締めの九州。朝青龍は史上初の7連覇と年6場所完全制覇に、年間最多勝を84勝まで更新した。今年6敗のうち、2敗は琴欧州。苦手としない工夫が必要だろう。
琴光喜は前半、勢いがあった。しかし、5日目の白鵬戦で変化して墓穴を掘るなど勢いは陰り、結局は8勝止まり。今場所はいろんな立ち合いを見せ、いい相撲もあったが、裏目にも出た。迷いを断ち切る相撲を見せてほしい。
琴奨菊は体調十分だったが、本人も認める通り、この位置では四つ相撲の技比べでは負けてしまう。十両に上がったころのがむしゃらさを忘れずに、出足を磨いてほしい。
豊ノ島は負け越したが、勝った相撲の内容は良かった。もったいない黒星を減らすことが課題になる。親方から「闘志を表に出せと」言われたそうだが、終盤戦の気迫を前面に出す仕切りは良かった。
土佐ノ海は5勝10敗。全体には勝負どころで体が思うように動かなかった。琴ノ若が引退して幕内最年長となる。気持ちを強く保つためにも、若い時以上に万全の体調づくりが必要だ。来場所は幕内では未経験の下の番付となりそうだが、もうひと頑張りを望みたい。
朝赤龍は2場所連続で休場に追い込まれた原因となった右ひざ靱帯(じんたい)のけがを克服して9勝。負けの大半は自分の形に持ち込めない相撲だった。本人は突っ張りなど相撲の幅を広げたいようで、受け身の相撲を減らす努力を続けてほしい。 (大阪支社・土居)
11月27日(日)・朝刊
14日目 北の湖超え83勝 15度目V
横綱朝青龍が史上初の7場所連続優勝と年6場所完全制覇の偉業を成し遂げた。朝青龍は大関魁皇を寄り切り13勝目をマーク、2敗で追う大関千代大海が関脇琴欧州に敗れ、残り1日で2差がついたため朝青龍の優勝が決まった。朝青龍は今年の勝ち星が83となり、北の湖(現理事長)が1978年につくった史上1位の年間最多勝記録を更新した。通算15度目の優勝は輪島を抜いて歴代5位。
琴光喜は黒海に敗れて8勝6敗。琴奨菊は北勝力を送り出して6勝目を挙げた。豊ノ島は岩木山に寄り切られて負け越し決定。土佐ノ海はがっぷり四つから高見盛を寄り切り、連敗を4で止め、5勝9敗とした。朝赤龍は栃乃花に押し出されて8勝6敗となった。(この項の一部と写真は共同)
○朝青龍(よりきり)魁皇●
朝青は鋭い踏み込みで右上手を取り、魁皇には上手を与えない。これが快勝に結びついた。上手投げは残されたが、左の下手も引き、万全の格好で寄り切った。
3大記録に男泣き
金字塔を打ち立て、男泣き――。3つの大記録を同時に果たし、朝青龍は思わず左腕でガッツポーズ。「どうだ」とばかりに何かを叫んだ。ところが、次の瞬間に、感激の涙があふれ出る。インタビュー室へと歩きながら、何度もタオルで涙をぬぐった。
それだけ集中した一番だった。2敗だった千代大海の負けを見つめ、「今日こそ」と土俵に上がる。そして、立ち合いすぐに右上手を引き、魁皇に上手を与えない万全の体勢から寄り切りにしとめた。
「力士として横綱として、今日の一番は何より大事だったから」と朝青龍。83勝で年間最多勝を更新、7連覇、年6場所完全制覇、どれも長い歴史の中でどの大横綱もなし得なかった快挙だ。
報道陣に「これまでの優勝と違うか」と問われると、「違いますよ。今まで誰もやってないでしょう。(3つの記録は)全部大きいよ」。カメラに向かい笑顔でVサインを見せた。
今場所も、いつも通りふてぶてしく振る舞った。しかし、心の中では重圧と戦っていた。「自分のプレッシャーを誰にも隠してきたからね」と、やっと本音をこぼした。
今場所の相撲は「ほとんど胸から当たっているし、足に力が入りバランスが取れている」と満足げ。だが、13日目琴欧州に負けた一番に話が及ぶと「内容が悪い。がっぷり四つ自体が悪い」と表情を一変させた。
先場所は初日に黒星。だから今場所前は巡業のころから「序盤で落とさない。落とすと重い」と心に誓ってきた。その誓い通りに落ち着き安定した取り口で、速い技が無駄なく出た。これでことし1年は一度の連敗もなく終えることになる。
まだ25歳。この先どこまで技を進化させるのだろう。「頑張るよ。明日もあさってもあるし」。千秋楽の翌日から、次の戦いが始まる。
もしもかなうなら、歴代の大横綱の全盛時代と対戦させてみたい。もはや、そういう夢の話に登場できる存在になった。ここからの歩みは、歴史に残す歩みになる。(大阪支社・土居)
「もっとドンと来いよ」 若手に歯がゆさも
朝青龍の充実し切った「心技体」には、負けん気の強さ、抜群のスピード、腰のバネがあてはまる。7連覇と年6場所完全制覇という前人未到の記録を樹立できたのは、この三つがうまく絡み合ったからだろう。
しかし、もっと大きな原動力がある。それは「相撲が大好き」なことだ。場所前に熱い口調で話し続けた。「モンゴルではそうなんだけど、力士という存在はみんなから尊敬されているし、日本でもそうならなければいけないよ。相撲って面白いし、すごいんだよ。今はあまりお客さんが入っていないけど、みんなで盛り上げなきゃ…」。皮肉にも自らの独走が人気低迷の一因と言われていることもあり、伸び悩む若手たちが歯がゆくてしかたがない。
大好きな相撲だけに、ほかの力士のことを実によく観察している。例えば琴欧州。「まだ下半身がぐらぐらしているね。今場所は大関に上がるかもしれないけど、苦労するだろうね。ちゃんとした相撲を取るまで、あと2年くらいはかかるよ」。実際に琴欧州は不安定な足の運びで10日目までに3敗を喫した。仕切りから相手をにらみつける「目」もそうだが、研究する「眼」も鋭い。
「けいこ場でもそうだけど、みんな何でおれに向かってこないんだろう。もっとドンと来いよ」。愛する相撲に熱気がよみがえるまで、朝青龍は一人で活を入れ続ける。(共同)
11月26日(土)・朝刊
13日目 琴欧州に寄り倒され今場所初の黒星
琴欧州は全勝の横綱朝青龍を右四つから寄り倒して10勝目を挙げ、名古屋場所から3場所連続2けた勝利で通算35勝とした。今場所初黒星の朝青龍が14日目に魁皇を破り、2敗の千代大海が琴欧州に敗れると朝青龍の史上初の7連覇と年6場所完全制覇が決まる。
関脇琴光喜は5日ぶりの白星で勝ち越しを決めた。琴奨菊は垣添の変化にも動ぜず、寄り切って5勝目。豊ノ島は速い攻めで稀勢の里を下して6勝7敗とした。土佐ノ海は安美錦に引き落とされ、4連敗で9敗目。朝赤龍は春日錦に屈して8勝5敗となった。(この項の一部と写真は共同)
○琴欧州(よりたおし)朝青龍●
琴欧の完勝。朝青は右手を出す立ち合い。踏み込み鋭い琴欧は右四つ、左上手を十分に取り胸を合わせた。引きつけて寄り、土俵に詰まりうっちゃろうとする朝青を寄り倒した。
「なめた部分あった」
支度部屋に戻った朝青龍は、いつものように入り口脇の風呂場に向かわず、一直線に一番奥のテレビに向かった。険しい表情のまま、琴欧州との勝負の再現を見つめる。そして、風呂場に消えると「チクショー」と、叫ぶ声が外まで響いた。
取材陣に囲まれ、「ちょっとなめた部分があったね。場所前のけいこであんなに(琴欧州に)勝ったことが、悪いことになっちゃった」と勝負を振り返った。
気合は十分に見えた。支度部屋では付き人を相手に、立ち合いを繰り返す。土俵上では厳しい顔で琴欧州を見据えて、仕切った。
琴欧州には、名古屋場所は上手投げで敗れたが、秋場所は本割り、決定戦と連勝して逆転優勝を果たしている。そして今場所ここまで、スピードと理詰めの相撲で相手を寄せ付けていない。横綱の年間最多勝更新は、間違いないだろうと大方が見ていた。
ところが、立ち合いで左上手を取ったものの、相手十分の上手を許し、いつもの速い攻めが出ない。琴欧州の寄りを一度ははね返し土俵中央に戻したが、再び土俵際に追い詰められ長身を預けられると、我慢しきれず背中から落ちた。
琴欧州は兄弟子、琴光喜から「四つになれたらいい。思い切り当たらないと持っていかれるよ」とアドバイスされていた。
朝青龍は「失敗だよ。まだまだ足りないんだ。左手(で上手は)取ったけど、横に行くとかすれば良かった」。
全勝はなくなったが、年間最多勝の更新と史上初の7連覇、年6場所完全制覇の目標には変わりない。「明日から一番、一番頑張る」。悔しさに自身を奮い立たせ、パワー全開といけるか。(大阪支社・土居)
11月25日(金)・朝刊
12日目 初日から12連勝 年間82勝最多タイ
横綱朝青龍が関脇琴光喜を上手投げで退け初日から12連勝、北の湖の持つ年間最多の82勝に並んだ。13日目に朝青龍が関脇琴欧州に勝ち、2敗で追う千代大海が魁皇との大関同士の一番に敗れると、朝青龍の史上初の7連覇と年6場所完全制覇が決まる。
県関係では、琴奨菊が普天王に寄り切られ、負け越し。豊ノ島は黒海の押し出しに7敗目を喫した。土佐ノ海も若兔馬にはたき込まれて負け越しが決まった。好調な朝赤龍は、露鵬を送り出して勝ち越しを決めた。(この項の一部と写真は共同)
○朝青龍(うわてなげ)琴光喜●
左四つがっぷり。寄る琴喜だが攻め切れない。朝青は相手の右上手を切ると、鮮やかな右上手投げで仕留めた。
優勝考えず大切に取る
史上初の年6場所制覇と7連覇が目前の朝青龍にとって、年間最多タイの82勝は単なる通過点にすぎないようだ。「大きな目標があっても、そのことを考えずに相手を倒してきた。うれしいです」。喜びは控えめだった。
17連勝中の琴光喜をじっくり攻め、左四つから右上手投げで料理。「いつもは10日目ぐらいに疲れが来るけど、今場所はまだ動きがいい」と、視界は良好だ。27年前の記録に並ばれた北の湖理事長(元横綱北の湖)は「(15度目の)優勝は95パーセント手中にある。10連覇ぐらいまではいく」。来年の見通しにまで触れた言葉も大げさに聞こえない。
13日目は、大関昇進を懸ける琴欧州との激突。最多勝の更新と合わせ、3つの大記録が一気に生まれる可能性のある一番に向け「まわしを取られないことが一番。優勝とかは考えずに大切に取る」と意気込んだ。(共同)
11月24日(木)・朝刊
11日目 年間81勝目大鵬に並ぶ
史上初の7連覇と年6場所制覇を懸ける横綱朝青龍は玉乃島に攻め込まれたが寄り倒して11連勝。年間81勝として大鵬に並び、1位の北の湖の82勝にあと1勝と迫った。
千代大海は関脇琴光喜をはたき込んで9勝2敗とした。琴光喜は3連敗で7勝4敗。
朝赤龍は好調十文字を突き落とし、勝ち越しに王手をかけた。豊ノ島は豪風に敗れ5勝6敗、連勝は2で止まった。琴奨菊は安馬を寄り切り4勝目。土佐ノ海は腰砕けで栃乃洋に敗れ7敗目を喫した。
全勝の朝青龍を2差で追うのは千代大海1人。(この項の一部は共同)
○朝青龍(よりたおし)玉乃島●
朝青は今場所初めてとも言えるピンチから逆転。玉島が左のど輪、右から攻めて前に出た。俵に足のかかった朝青。上体が反りながらもこらえると逆襲。もろ差しになって一気に寄り倒した。
土俵際でも余裕 大記録へ自然体
一瞬ひやっとする場面もあったが、朝青龍が玉乃島を下して全勝をキープした。
珍しく立ち合いで少し遅れて土俵際まで押されたが、そこからもろ差しになって形勢を逆転。「左下手が入ったから、これは大丈夫だと思った。逆に相手が焦るのを待った」と、土俵際でも余裕たっぷりだった。
11日目はここ2場所続けて敗れていたが、今回は勝って年間勝利数を81とした。これで北の湖理事長(元横綱北の湖)の持つ最多記録まであと一つ。「プレッシャーを感じても自分が損するだけだから」。大記録にも自然体で臨むつもりだ。(共同)
11月23日(水)・朝刊
10日目 朝青龍、10連勝で勝ち星80
史上初の7連覇と年6場所全制覇を狙う横綱朝青龍は安馬を送りつり出しで下し10連勝、今年の勝ち星を80とした。
魁皇は関脇琴光喜を寄り切り、かど番脱出にあと1勝とした。琴光喜は3敗に後退した。
豊ノ島は駿傑を押し出し2連勝、5勝5敗に星を戻した。琴奨菊は連敗で3勝7敗と後がなくなった。土佐ノ海は十文字に押し出され6敗目。朝赤龍はモンゴル人対決で時天空に敗れ6勝4敗。
全勝の朝青龍を2差で千代大海と平幕十文字の2人が追う。三段目は西12枚目の影山(春日野、安芸市出身)ら7人が5連勝で並んでいる。(この項の一部は共同)
○朝青龍(おくりつりだし)安馬●
朝青は安馬の左腕を手繰ると、素早く相手の後ろについた。回って逃げようとする安馬を逃さず、そのまま高々とつり上げて土俵外に出した。
113キロの安馬をひょいっと
113キロの安馬の背中につき、高々と抱え上げた。力の差を見せつける勝ち方で、朝青龍が今年の勝ち星を大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花の4横綱しか到達していない80勝の大台に乗せた。
右張り手で、中に潜りたい安馬の勢いを止める。左腕を手繰って相手の背中に回り込むと、後ろから両手で前まわしを引いた。回って逃げようとする相手をしっかりつかまえ、昨年秋場所で琴欧州が普天王に決めて以来幕内では2度目となる送りつり出しで安馬を土俵の外に出した。
朝青龍は「宇宙に行かせるかと思った。後ろに投げるとなんて言うの? 後ろ突き落としか?」と余裕の表情。10連勝で、15度目の優勝へ無人の野を行くようだ。
今場所は史上初の7連覇、年6場所完全制覇が懸かる。「あ、そうという感じであまり考えない。自分の相撲を取れば結果はついてくる」と素っ気ない。さらに、北の湖理事長(元横綱北の湖)の持つ82勝の年間最多勝記録更新もいよいよ現実味を帯びてきた。北の湖理事長は「80勝はなかなかできる数字ではないが、85勝までいくのでは」と新記録を予想する。
三つの大記録を達成し、大横綱の系譜に名を連ねようとする朝青龍。その行く手を阻む力士は見当たらない。(共同)
11月22日(火)・朝刊
9日目 9連勝で独走
史上初の年6場所全制覇と7連覇を目指す横綱朝青龍は小結旭天鵬を危なげなく左下手投げで下し、ただ一人9戦全勝。関脇琴光喜が稀勢の里に敗れ、1敗が消えた。
土佐ノ海―琴奨菊の県関係対決は、土佐ノ海が左上手を引いて寄り倒し4勝目。琴奨菊は3勝6敗となった。豊ノ島は琴ノ若を寄り切って、連敗を4で止める4勝目。朝赤龍は上手出し投げで栃乃洋を下し、6勝目を挙げた。
全勝の朝青龍を2差で追うのは千代大海、琴欧州、琴光喜に平幕の十文字の4人。(この項の一部は共同)
○朝青龍(したてなげ)旭天鵬●
すぐにもろ差しとなった朝青が寄り立てて土俵際へ。この攻めは残されたが、右で相手のひざを押さえながら左下手投げを決めた。
独走で自己記録越え
すきのない朝青龍は早くも後続に2差をつける独走となった。
もろ差しからの下手投げで旭天鵬に完勝。次々と脱落する周囲に対し「あまり気にしていない。相手の星は気にせずに、自分の相撲を取ればいいよ」と余裕を漂わせた。これで今年は79勝(5敗)となり、昨年の自己記録の78勝を上回った。「まだまだ。80にいったらいいな。でも記録とかは気にしてないんだ」と笑顔で話す。
最多記録は1978年に北の湖が樹立した82勝。絶好調の横綱は一気に抜き去るのだろうか。
11月21日(月)・朝刊
8日目 普天王を外掛けで豪快に転がし8連勝
史上初の年6場所全制覇を狙う横綱朝青龍は普天王を外掛けで豪快に転がし、8連勝で勝ち越しを決めた。
関脇琴光喜は玉乃島をはたき込みで退け、1敗をキープした。全勝の朝青龍を1敗で琴光喜、2敗で千代大海、琴欧州ら6人が追っている。
朝赤龍は駿傑を引き落とし5勝目。琴奨菊は黒海を寄り切り、連敗を3でストップし、3勝5敗。豊ノ島は隆乃若に初白星を献上、4連敗の3勝5敗。土佐ノ海は片山を下して3勝目を挙げた。
幕下上位の県勢全勝対決は、東17枚目の柳川(三保関、高知市出身)が明徳義塾高OBの出羽鳳(出羽海)を下し4連勝。(この項の一部と写真は共同)
○朝青龍(そとがけ)普天王●
朝青は左かち上げから左四つに。土俵中央で豪快な右外掛けを決めた。
負けて覚えるもの
朝青龍は先場所敗れた普天王を寄せ付けなかった。
左四つからの速攻で豪快な右外掛け。まずはきちんと借りを返し「一気に勝負をかけた。(普天王には)やっぱり負けるもんかと思う。気合が入る」と話した。これでストレートでの勝ち越しは3場所ぶり14度目。「とにかく前半が大事。(初日に敗れた)先場所のことがないようにね。相撲は負けて覚えるものだから」と力強い。史上初の7連覇などの大記録に向け、万全の態勢で後半戦に入る。
11月20日(日)・朝刊
7日目 北勝力を寄り切り7連勝
史上初の7連覇を目指す横綱朝青龍は北勝力を難なく寄り切り、ただ1人初日から7連勝。関脇琴光喜は今場所3大関を倒している雅山を寄り切り、1敗をキープした。
豊ノ島、琴奨菊、土佐ノ海、朝赤龍の4人はそろって敗れた。白星先行は4勝3敗の朝赤龍1人で、豊ノ島は3勝4敗。琴奨菊、土佐ノ海は2勝5敗と苦しい前半戦になった。幕下以下では幕下東7枚目の大翔馬(追手風、四万十市出身)が勝ち、3勝1敗とした。
全勝の朝青龍を追う1敗は琴光喜と平幕の春日錦の2人。今場所初めて満員御礼となった。(この項の一部共同)
○朝青龍(よりきり)北勝力●
朝青の圧勝。立ち合いで北力の出足を止め、すくうようにもろ差しに。そのまま力強く寄り切った。
11月19日(土)・朝刊
6日目 垣添を押し出し全勝守る
単独トップの横綱朝青龍は垣添を力強く押し出し、全勝を守った。
関脇琴光喜は北勝力を寄り切り、1敗を守った。
豊ノ島―朝赤龍の一番は、かわず掛けで朝赤龍に軍配。朝赤龍は4勝目で、豊ノ島は3勝3敗になった。琴奨菊は旭鷲山に押し出され、連敗で2勝4敗。土佐ノ海も栃乃花に敗れ4敗目。
全勝の朝青龍を1敗で琴欧州、琴光喜ら5人が追っている。(この項の一部共同)
○朝青龍(おしだし)垣添●
朝青は垣添の当たりを受け止めると、突き、押しで前進。そのまま一方的に押し出した。
完勝に舌も滑らか
完ぺきな取り口で6連勝の朝青龍は、冗舌に話し続けた。
まずは闘志満々でぶつかってくる垣添評。「さっぱりした相撲で好きだな。おれも気合が乗ってくる。おれの若いころを思い出すよ…って、おれの方が垣添より(2歳)年下だけどね」と舌をぺろりと出した。
そしてかわいがっているボクシング界のホープ、亀田興毅が17日に19歳の誕生日を迎えた話題には満面の笑み。「プレゼントをあげよう。亀田だからスッポンにするか」―。相撲同様、頭の回転もスピード抜群だった。(共同)
11月18日(金)・朝刊
5日目 朝青 5連勝で単独トップ
前人未到の7連覇を目指す横綱朝青龍は雅山を力強く寄り切り、5連勝で早くも単独トップに立った。
関脇琴光喜は小結白鵬にはたき込まれ、初黒星。
土佐ノ海は駿傑を下し2勝目。連敗を3で止めた。琴奨菊は露鵬の小手投げに屈し2勝3敗。豊ノ島、朝赤龍も敗れて3勝2敗となった。
朝青龍を追う1敗は千代大海、琴欧州ら8人。(この項の一部と写真は共同)
○朝青龍(よりきり)雅山●
踏み込んだ朝青は右を素早く取る。強烈な左おっつけからもろ差し。重い雅山をつり上げながらの寄りで退けた。
7連覇へ死角なし
朝青龍はただ一人全勝を守った。「集中できているからいいね」と余裕たっぷり。
この日は力を誇示する勝ち方だった。素早くもろ差しになると、178キロの雅山をつり上げながら寄り切り「自分の体勢になると、何よりも楽しみ」と、より一層目を細めた。
7連覇に向け、早くも単独トップに。「星は気にしないね。とにかく自分の相撲を取りきるだけ」と、いつも通りに話す横綱に不安材料は見当たらない。(共同)
11月17日(木)・朝刊
4日目 朝青 万全4連勝
史上初の7連覇を狙う横綱朝青龍は粘る出島を押し出して初日から4連勝とした。
琴奨菊は隆乃若を寄り切って2勝目。豊ノ島は土俵際の河津掛けで若兎馬に逆転勝ちして3勝1敗とした。朝赤龍も豪風を破り3勝目。土佐ノ海は春日錦に敗れて1勝3敗となった。
全勝は朝青龍、琴光喜に平幕の十文字の3人。(この項の一部共同)
○朝青龍(おしだし)出島●
朝青が左差しで一気に前進。残した出島を左すくい投げ、とったり、すそ払いと揺さぶり、最後は豪快に押し出した。
朝青龍にこにこ顔
朝青龍は立つとすぐに左差しの体勢になったが「へたに出ると小手投げもあるからね」と、じっくりと攻めた。
最後は取ったりからすそ払いで相手のバランスを崩し、押し出した。史上初の7連覇など大記録が懸かる場所で4連勝と順調な滑り出しに口も滑らか。九州入りしてから、すしやフグなどを食べて活力にしているそうで「福岡は食べるのが楽しみ。時期もいいしね」とにこにこ顔だった。
11月16日(水)・朝刊
3日目 稀勢里寄せ付けず
7連覇を目指す横綱朝青龍は、19歳の稀勢の里の初挑戦を小またすくいで退け、初日から3連勝とした。
関脇琴光喜は安馬を下し3連勝。
豊ノ島―土佐ノ海の初顔合わせの一番は、豊ノ島が会心の押し出しで2勝目。土佐ノ海は1勝2敗。琴奨菊は豪風に土俵際、突き落とされ連敗の1勝2敗。朝赤龍は春日王を寄り切って2勝1敗と白星先行。(この項の一部共同)
○朝青龍(こまたすくい)稀勢里●
立ち合いで先手を取った朝青の完勝。張り差しからもろ差し。左を深く差して稀勢の右腰に密着し、すかさず右で小またすくいを決めた。稀勢は脇の甘さを突かれ、力を出し切れなかった。
真っ向勝負を評価
朝青龍が横綱の貫録を見せつけた。
初顔合わせの稀勢の里に何もさせず、もろ差しから圧倒。自身38手目(勇み足を除く)となる初の小またすくいを決めるおまけ付きで「流れがよかった。(つり落としを)狙っていたけど無理しなかった」と静かに話した。そして真っ向から挑んできた稀勢の里を高く評価。「顔に気合が入っていた。いいね。若手だからね。横綱と立ち合いでちゃんと当たって、いい経験になるだろう」と次回の対戦を楽しみにしていた。(共同)
11月15日(火)・朝刊
2日目 巨漢粉砕 岩木山を送り出し2連勝
史上初の7連覇と年6場所完全制覇を目指す横綱朝青龍は岩木山を送り出しで危なげなく退け、2連勝とした。
関脇琴光喜は垣添を下し2連勝。琴奨菊、豊ノ島、土佐ノ海は敗れて、朝赤龍は勝って、ともに1勝1敗。(この項の一部と写真は共同)
○朝青龍(おくりだし)岩木山●
朝青は強烈な左かち上げで岩木の出足を止めた。激しい突っ張り合いから左上手を取り、出し投げで後ろ向きにして送り出した。
「どんと来い」綱の自信
相手をけ散らし、「どうだ」と言わんばかりに胸を張る。ふてぶてしい表情で懸賞金を右手でつかみ、肩をいからせながら花道を引き揚げる。朝青龍のいつもの姿だ。
そんな弟子に、師匠の高砂親方(元大関朝潮)は苦笑いを浮かべる。「あいつにとって、一人横綱は重圧ではなく快適なんだろう。『おれがナンバーワンだ』と思って心地いいんだ。そういう性格だよ」。前人未到の7連覇と年間6場所全制覇に向け、自信満々に突き進む朝青龍の胸中をうまく言い表している。
この日も迫力十分だった。173キロの巨漢、岩木山に左ひじを思い切りぶつけるかち上げ。仰天の立ち合いを「相手は腰が重いし、いい出足もあるから。下がらないようにしないと」と涼しい顔で話す。張り手を交えた突っ張りから左上手出し投げで崩して送り出し。「落ち着いていたよな」と大きくうなずいた。
場所前のけいこ量は少なかったが、まずは順調に滑り出した。栃東を除き、早くも崩れ始める大関陣とは対照的に「(自分には)上位の意地がある。協会の看板だからね」との強烈な自負が横綱を支えている。3日目に初挑戦を受ける19歳の稀勢の里戦については「楽しみだよ。どんと来いよ」―。恐ろしいまでに強気の朝青龍が、今場所も走り出した。(共同)
11月14日(月)・朝刊
初日 7連覇狙う朝青龍、白鵬を押し出し白星発進
史上初の7連覇と年間全6場所制覇を目指す横綱朝青龍は小結白鵬の変化に危なかったが、向き直って押し出した。
関脇琴光喜は出島を、琴奨菊は安美錦を、ともにはたき込みで下した。再入幕の豊ノ島も高見盛を押し出した。土佐ノ海は隆乃若を下し、4場所ぶりの白星スタート。朝赤龍は白露山にはたき込まれた。
幕下上位の県関係力士では、東7枚目の大翔馬(追手風、四万十市出身)は敗れ、東14枚目の、増健改め柳川(三保ケ関、高知市出身)は白星発進。(この項の一部共同) ○朝青龍(おしだし)白鵬●
朝青は立ち合い、左に変わった白鵬に背中を向けて危なかったが、素早い動きで形勢逆転。左のど輪で攻めて押し出した。
動き良い朝青
朝青龍は変化した白鵬の出し投げに背中を見せたが、くるりと向き直って逆襲し押し出した。先場所の琴欧州戦と同じく軽い身のこなしに「あれができるから反応もいい」と初日から体は良く動いている。
今場所は史上初の7連覇や年6場所完全制覇など、大記録が懸かる。2場所続けて初日黒星は許されないとの思いは強かったようで「先場所のようなこともあるから」と油断せず臨み、白星スタートを切った。
ただ、支度部屋では笑顔が少ない。土俵上で厳しい視線を送るなど白鵬の変化が気に入らなかった様子で「若いのだから真っすぐ来てほしかった」と苦言を呈していた。
11月2日(水)・朝刊
朝青龍 前人未到の記録に挑む 「一番一番いい相撲」
大相撲九州場所(13日初日・福岡国際センター)で、いずれも史上初となる7場所連続優勝と年6場所完全制覇を目指す横綱朝青龍が1日、福岡市内で開かれた力士会後に記者会見し「一番一番いい相撲を取れば結果はついてくる。(記録を)励みにしたい」と、にこやかな表情で語った。
この日朝、福岡市中央区の高砂部屋でけいこを再開した。しこを踏む程度の軽い調整だったが、午後の力士会では、若手力士たちを2日からの出げいこに誘った。「やる気のある力士を引っ張り出す。胸を出したやつが強くなるのはうれしい」。これまで通り、生きのいいホープとのけいこで自らも鍛える構えでいる。
6連覇で大鵬に並んだ秋場所は、琴欧州との2差を逆転しての優勝。納得できる内容ではなかった先場所を「流れは悪かったけど、いい勉強になっている」という。
前人未到の記録の話題に戻ると、横綱は思わず苦笑して明かした。「それを言われると(重圧が)かかるんだよ」。そう話しながらも、置かれた状況を楽しんでいるように見えた。(共同)
【写真説明】史上初の7場所連続優勝と年6場所完全制覇を目指し、記者会見で抱負を語る横綱朝青龍(1日午後、福岡市中央区)
|