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2004年12月06日付朝刊
初の入団テスト 物足りない“質”
「四国独立リーグ」成功の鍵を握るのは選手の“質”。5日、初のトライアウト(入団テスト)が高松市で行われたが、リーグを運営するIBLJの石毛宏典代表も「はっきり言って『よっしゃ』という手応えは感じていない」と感想。受験者の全体レベルはプロを目指す選手を集めるリーグとしては、物足りないものだった。
【写真説明】初めて行われた四国独立リーグの入団テストで、受験者に話しかける石毛宏典氏(右)=高松市のオリーブスタジアム
171人が参加したテスト前、石毛代表は2段階選抜を行う可能性も示唆していたが、「いろいろな可能性を見たかった」と、最後まで全員を試験した。
しかし、バットに振り回される選手や、何でもない球を捕球できない捕手なども見られ、石毛代表も「今後は(採点が)厳しくなる」。ブルペンでは投手コーチで実績のある八木沢壮六氏(元ロッテ)らが「スピードと制球力、どの程度の変化球が投げれるか」を中心にチェック。中にはコンスタントに球速140キロを超え高評価を受ける受験者もいたが、「全体的に制球が良い投手がいなかったという印象」(八木沢氏)と厳しい印象だった。
スタンドでも「野球が好きだから成功してほしいが、レベルが…」「(入場料の)1000円払って見るなら高校野球を見に行く」といった声も聞かれた。また、試験後の受験者から不満の声が多く聞かれた点も気になった。特に野手1人あたりのテスト時間がわずかで「あれで本当の力が分かるのか」。また、「朝(実施するかどうか)電話で確認してもつながらない。待ち時間も長く納得いかない」「受験前の印象とまったく違う」と話す選手もいるなど、運営サイドとの意識の差は少なからずある。
「1期生」のレベルがリーグ成功の大きな要素になる。「ここまでたどり着いてうれしい」と石毛代表はコメントしたが、自身が受験者に話したように「このリーグは、すべてにおいて厳しい」ことは間違いない。
野球に懸ける夢熱く
「あきらめきれない夢がある」―。入団テストの受験者の中には、大学野球で鳴らしたスラッガーや、社会人野球で敗退した悔しさをばねにさらに上を目指す専門学校生らの姿もあった。共通するのは「プロ野球選手になりたい」という情熱だ。
「自分の力を出し切れたかは分からない。でも悔いはありません」と話すのは、テストを終えたアルバイト、羽田智弘さん(23)=高松市。地元の高松商高を経て四国学院大野球部でプレー。四国六大学リーグで首位打者や打点王を獲得したが、プロのスカウトから声は掛からなかった。
「独立リーグを経て、いつかはプロの大舞台でやってみたい」。カラオケ店で週5日の徹夜勤務をこなしつつ、テストに備えて母校のグラウンドで練習に明け暮れた。
広島医療体育学院専門学校野球部の新田武蔵さん(20)=広島県三次市=も夢を追う1人。「それまで遊び感覚で野球をやっていた」という新田さんが変わったのは、9月にあった社会人野球の日本選手権予選。チームが敗れた後、「これまで自分は本気でやっていたのか。まだまだやれる。プロでもまれたい」という気持ちに。同校野球部の高田祥三監督も「伸びる素材。今やめさせるのはもったいない」とエールを送っている。
県勢9人 思いさまざま
この日、受験した県勢は9人。
明徳義塾高卒の依光大吾さん(23)は投手で「もう少し早い時期から投げ込みができていれば」と話していたが、「結果は分からないけれど納得できる内容だった」。ブルペンで審査員の八木沢氏から「今の球は?」と声を掛けられ、明るい表情で試験を振り返った。
県勢の中で唯一の高校生で今夏、高知商のレギュラーだった高橋佑人さん(18)は、「絶対受かるという気持ちで受けたが、力を出し切れなかった」。腰の痛みがあったそうでフリー打撃は本来の右打席でなく左打席。慣れない木製バットということもあり、快音を残せなかった。「アピールしたい」守備でもミスが出てしまい、悔しさをのぞかせていた。
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