解散時勢力の247議席から10議席後退した自民党は衆院選後、加藤紘一元幹事長ら3人を復党させた。さらに特別国会の召集前に保守新党を“吸収”し、単独過半数の244議席を確保する。
公明党は自らの議席数を伸ばしただけではない。自民党公認候補のほぼ3人に2人までを推薦したが、その手堅い組織票は低投票率の中でますます“威力”を発揮した。小泉政権の今後を占えば、さらに影響力を高めていくことは想像にかたくない。
野党側では、177議席を得て躍進した民主党が政権交代への足掛かりを築き、二大政党化の波にのまれた形の共産、社民両党は深刻な危機に立たされた。国政レベルの焦点は今後、来夏に控える参院選に移る。
自公の壁
衆院選では県内初の自公協力を“成功”させた両党間には、その定着を目指す気配が漂う。
自民党県連の元木益樹幹事長は「連立政権の枠組みである限り、この路線を徹底する。県議会の議会運営などから連携を密にしていく」と、県選出の衆参5議席死守に向け、地固めに取り組む考えだ。
公明党県本部の岡村康良代表代行も、協力態勢を継続する考えでは一致。「話があれば、参院選県選挙区は連立政権を基本に考えることになる」とする。
この「自公の壁」に野党はどう対抗するのか。
全国的な追い風を受け切れなかった民主党県連の楠本正躬代表代行は、次期参院選も党公認候補で主体的に戦いたい考えを強調。「どうしても勝ちたい。逆に言えば、地元選出の国会議員を得て初めて党基盤の構築も進む」と決意を示す。
来夏までに二大政党論への反撃を図りたい共産党県委員会の浦田宣昭委員長は、「自民、民主が憲法や消費税問題で同じ立場に立ったことを明らかにし、『第三極』の存在意義を示したい」。社民党県連合の江渕征香代表も「参院選は連合統一候補で対応してきたが、『創憲』を掲げた民主党の姿勢は慎重に見守る」と、消長が懸かる「次の戦い」を見据える。
党勢への影響
その前に――。本県では息つく間もなく、県知事選がきょう13日に告示される。各党の動きを見ると、大なり小なり、「党勢」への影響に神経をとがらせる局面が目に付く。
自民党県連は、前高知市長、松尾徹人氏の推薦を決め、党本部に上申。現職の橋本大二郎氏を支持する県議3人を除名、5人が離党した。
元木幹事長は、橋本県政下で党県議が激減してきた点を指摘。「姿勢を明確にすることは党の再生、県民の信頼回復への道だ。(一部の市町村支部でも)一時的に離党者は出るかもしれないが、全体的には党は引き締まった」とあくまで強気の姿勢を崩さない。
民主党県連は、自民党との「相乗り」を回避。一方で、既に労組勢力が推薦を決めている松尾氏には「協力候補」という位置付けの苦肉の策を講じ、事実上の自主投票に近い方針を決めた。そこには、どちらの支持層も失いたくない組織の実情が見え隠れする。
対応を先送りしている公明党県本部は、「参院選を考えても、自主投票は組織のまとまりの面でプラスにならない」(岡村代表代行)と告示後の態度決定を示唆する。
各党それぞれの思惑が絡む本県政局の「秋の陣」はなお続く。
【写真】衆院選高知1区の開票作業。県内では「選挙の秋」がなお続く(9日夜、高知市の県民体育館)
(衆院選取材班)
2003年11月13日朝刊掲載
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