「国政選挙4連敗は許されない」「昨秋の総選挙での苦い経験をばねに一致結束を」「2大政党にのみ込まれるな」
4月17日。高知市内で開かれた中根佐知氏の決起集会で、党勢後退の様相に危機感を募らせる共産党員らの言葉が相次いだ。
6年前の参院選で同党は「無党派との共同」を掲げ、無所属で元参院議員の西岡瑠璃子氏を推薦。当選した自民党現職の森下博之氏=1期=にあと一歩まで迫る戦いを見せた。
だが、その後の国政選挙で共産党は辛酸をなめ続ける。12年衆院選は、故・山原健二郎氏が30年余り守った県選挙区議席を喪失。翌13年の参院選では、西岡氏が獲得した票の半分にも満たず敗北した。
そして昨年の衆院選。自民、民主両党による「政権選択」を懸けた戦いの前に共産党の存在はかすみ、ついに四国唯一の議席(比例)さえも失った。
路線転換
共産党は退潮傾向に歯止めを掛けるべく、今年1月の党大会で「資本主義の枠内で可能な民主的改革」を当面の目標とする新綱領を採択。43年ぶりの全面改定で“革命・前衛色”を薄め、不破哲三議長の下で進めてきた現実・柔軟路線の総仕上げを図った。
この大会で、20年余り県委員会の指導的立場にいた浦田宣昭氏が中央委員会専従となり離任。2月からは佐竹峰雄新委員長率いる執行体制が始動し、共産党は中央、県レベルでともに新たな時代を迎えた。
だがその矢先、県委員会は土佐郡土佐町の同党町議の「虚偽学歴問題」をめぐる対応でつまずく。党中央の指示で当初の方針を転換し、町議は除籍処分に。地元には県委員会への不信の声が広がった。
現実路線をより鮮明にした「ニュー共産党」自体にも不満はくすぶる。従前の支持層には「現実の前に腰が引けている」と憤りをあらわにする声もある。
比例候補「3減」
そうした情勢下で迎える参院選。中根氏自身は、懸命の活動を続けている。
4陣営の中では最も早く、2月1日に後援会事務所を開設。5月末には2巡目の全県遊説が終わる見込みで、多い日では十数回の街頭演説をこなし、運動量では他陣営を完全にしのぐ。
「庶民の暮らしと平和を守る。大きな曲がり角を迎えた日本を、正しい方向に引き戻そう」
小泉内閣の年金制度改革や自衛隊のイラク派遣を突く中根氏は、2度目の参院選挑戦に加え、14年の高知市長選への立候補経験もある。陣営は一定の知名度はあるとみて、政策の浸透を図る。
佐竹委員長は中根氏を「(3年前の参院選以降)数々の住民運動で先頭に立ち、市民の要求を政策化していく力を身に付けた。政治家としての成長が感じられる」と評価。さらに「平和運動を通じて、政治に無関心だった若者に変化が見える」と手応えを強調するが、国会議員の年金未納問題では共産党も“無傷”とは言えない。命題とする無党派層の吸引にも厳しさが伴う。
同党は今回、比例候補を改選となる8議席から3減の5人に絞り込んだ。しかし昨年の衆院選での比例得票数をあてはめると、5議席も危うい。「ニュー共産党」の評価が問われる夏になる。
【写真】後援会の事務所開きで決意表明する中根氏(2月1日、高知市はりまや町3丁目)
(参院選取材班)
2004年5月21日朝刊掲載
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