平成13年7月16日。参院選のさなか、高知市の中央公園は群衆の人いきれでむせ返っていた。公園の一角に陣取った自民党街宣カーの車上には、公認候補の応援演説に駆けつけた小泉純一郎総裁(首相)がいた。ワイシャツ姿で腕まくり。そして、国会中継でおなじみになったあの絶叫調の訴え…。
小泉人気の沸騰で自民党を大勝に導いた第19回参院選から3年。6月24日公示―7月11日投票が有力視される第20回参院選が迫ってきた。
強まる「数の力」
「あと3年は国政選挙はない」。小泉首相は今国会中、思わせぶりな発言を残している。
昨秋改選された衆院議員の任期満了は19年11月。今回の参院選が終われば、その次の参院選も同年夏。政党評価につながる統一地方選も同年4月だ。
長い国政選挙の「空白期間」を視野に置く首相からは、強い政権担当意欲とともに、参院選で自公連立与党という政権の「かたち」を安定させ、持論の郵政民営化から憲法改正にまで一気に突っ走ろうとする思惑が読み取れる。
「一寸先は闇」とされる政界だけに、何が起こるか分からない。が、細川内閣以降、10年以上を経過した連立政治の下でますます求心力を持ってきたのは「数の力」だ。
自民党は今回、56議席以上を獲得すれば、非改選と合わせて15年ぶりに参院選での単独過半数がかなう。小泉首相は「51議席以上」を目標に掲げたが、与野党の攻防ラインはまずその獲得議席数にある。
チェックポイントには、自民の「補完勢力」から「内蔵勢力」へと変容しつつある公明党の協力度、さらに昨秋の衆院選躍進で二大政党化の潮流をうかがわせた民主党の力量も挙げられる。
一方、与野党には共通して、政治不信という「第三の相手」も控えている。
今国会で浮上した年金未納問題は、社会保障制度を形づくってきた官僚と国会議員たちのだらしなさを浮き彫りにした。三位一体改革では、相変わらず「中央対地方」「都市対田舎」の図式があぶり出され、融和策を打ちだせない国政の力量が疑われている。
与野党が互いを攻防の相手とみなすだけでは、政治への信任は取り戻せない。
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県選挙区(改選数1)には、4氏・4陣営が参戦する構えだ。
自民現職の森下博之氏(62)=1期=は、自公連立与党の一員として再選を期す。その阻止を図る野党勢では、共産党がいち早く公認の新人、中根佐知氏(48)を擁立。民主党は無所属新人の広田一氏(35)を、社民党は新社会党とともに無所属新人の松岡由美子氏(55)を推薦して決戦に臨む。
平成12年の衆院選から続く衆参県選挙区の自民独占に風穴があくのか。政党政治の上に成り立つ国政に、増大した無党派層の「民意」は有効な選択肢を見いだせるのか。
ここでもやはり政治離れの物差しとなる投票率こそが各候補共通の“壁”になるとみて間違いない。参院選公示を前に、4氏、4陣営の思惑や陣形構築、課題認識をたどる。
【写真】「小泉政治」の登場を好感した第19回参院選は自民党が圧勝した。3年を経て有権者は何をどう見据えるのか(平成13年7月16日、高知市の中央公園)
(参院選取材班)
2004年5月19日朝刊掲載
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