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「『即戦力』の訴えが多くの市民に理解してもらえたと思っている。市政は一時の停滞も許されない。明日から市政をきちんと前進させる」
11月30日夜。高知市長選で勝ち名乗りを上げたのは、2カ月前まで一職員だった岡崎誠也氏だった。
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「突発」「連年」…。今回の県都決戦には、そうした冠がかぶさる。それもこれも、昨年10月に3選を果たした松尾徹人前市長が、県知事選出馬を決断したことによる。
松尾前市長が出馬の意向を明らかにした10月3日以降、県都は衆院選、知事・市長ダブル選と、かつてない選挙ラッシュに見舞われた。
しかし、現職知事と前高知市長の「県市トップ対決」で注目を集めた知事選にのみ込まれた市長選の影は薄く、最後まで盛り上がりを欠いた。それは「埋没させられた」のではなく、市長選それ自体に「埋没する」要素があったとみておかねばならない。
戦いの構図は当初、最も盛り上がる形とされる「一騎打ち」の流れだった。
松尾前市長に“後継指名”された岡崎氏と、それに先立って「民間の経営感覚」を前面に押し出して出馬表明した会社社長の岡内啓明氏。2人は「官」と「民」。しかも岡内陣営には、橋本大二郎知事につながる人脈も顔をそろえていた。
そのままなら知事選の「代理戦争」という図式になる気配だったが、両氏がそれを敬遠し気味のところへ「第三の候補」、元新聞記者の関谷徳氏が名乗りを上げた。
「橋本票」を意識しながら草の根型で挑んだ岡内、関谷両氏を、岡崎陣営の組織力が圧倒した結果を見ると、岡内陣営にとっては関谷氏の出馬が「大誤算」だったが、候補の三分立によって戦いのエネルギーが散漫になったきらいは否めない。
市政の最優先課題である財政の健全化は3氏ともこぞって訴え、ある程度は争点化したものの、その他の市政課題に関しては政策論争と呼ぶには程遠かった。
「政策よりも知名度、いやイメージというのか…結局はまずそれが何よりも優先するんじゃないか」
ある陣営関係者はこう振り返ったが、今の選挙には確かに「イメージ」が物を言う。告示のわずか11日前に出馬表明、「橋本知事直結」というイメージ戦略で戦った関谷氏の得票数が、何よりもそれを物語っている。
足かせ
だが、この問題は未決着、結論が先送りされたままだ。
一方で今回の市長選の投票率は、ダブル選という特殊事情から、昨年10月の市長選より18・48ポイント増の57・71%にまで伸びた。新人4人が争い、松尾前市長が初当選した6年市長選の55・68%をも上回った。
しかし、“消化不良”の選挙戦を証明するように、県議1人が当選できる7155票もの無効票が出た。この事実は岡崎氏にとっても重い。
今回は「降ってわいた戦い」に加え、「別の選挙の期間中は後援会活動ができない」という公職選挙法が大きな足かせとなった。知名度のない候補者にとっては、かつてない厳しい環境だったと言わざるを得ない。
候補者の政策や人柄をどう有権者に浸透させるのか。今回の市長選は公選法が「知らない」「分からない」を増幅させた感もある。“ダブル選”が続く限り、県都のリーダー選びは大きな宿題を背負うことになる。
【写真】松尾徹人前市長から市政を託された岡崎誠也氏。県都の新リーダーとして手腕が問われる(11月29日、高知市のひろめ市場前)
(知事選取材班) =おわり=
12月6日付・高知新聞朝刊掲載
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