|
県知事選あす投票 県都で最終決戦に火花
13日告示された高知県知事選挙は29日限りで選挙戦を終え、あす30日、県内一斉に投票、即日開票される。届け出順に、無所属で現職の橋本大二郎氏(56)、無所属新人で前高知市長の松尾徹人氏(56)=自民県連・社民推薦、公明県本部支持=の両候補は最終日の29日、ほぼ四割の有権者が集中する県都高知市に選挙カーを走らせ、大票田での最終決戦に火花を散らす。両陣営も17日間の選挙戦の集大成を期し、30日の審判の日を迎える。
任期満了(12月6日)に伴う戦後16回目の知事選は21世紀最初となる節目の選挙。4選を目指す橋本氏の政治手法と多選を批判する松尾氏が、市長職を任期途中で辞して挑み、現職知事と県都の市長経験者がぶつかる昭和46年以来の「トップ対決」となった。
橋本氏の主張する改革路線の継続・強化か、松尾氏の訴える信頼・協調型県政への転換かが最大の争点。
選挙戦は初出馬以来の草の根支持層を主体とする橋本氏に対し、松尾氏は推薦政党・団体などによる組織戦を展開。
ただ松尾氏寄りの対応を決めている民主、公明両党をはじめ、党議拘束を掛け強硬路線で臨んだ自民党県連でも実質的にまた裂き状態や分裂戦の模様を描き、橋本氏が「戸惑い」を表明する共産党の実質支援も絡まって複雑にねじれた戦いの構図になっている。
告示以来、橋本陣営は「3期12年間、県民本位の県政改革に取り組み、公正な県政はあと一歩で実現する。この改革の流れをさらに大きくするのか、しがらみに絡まれた古い県政に逆戻りするのか」と強調。「組織を相手にした戦いだ」と無党派、草の根支持層への浸透に力を入れた。
これに対し、松尾陣営は「財政力、経済産業など県勢は落ちる一方。政策の成果が上がらないのは市町村、県議会、国、県職員との対話、信頼・協調関係が欠如しているからだ。多選のしがらみもできつつある」と指摘。「県民の信頼、元気とぬくもりを県政に回復したい」と訴えた。
30日の投票は午前7時から県内984の投票所で始まり、318カ所が午後8時に、それ以外は1―4時間繰り上げて終了。開票は午後8―9時半から53市町村で行われる。
舌戦きょう限り 一票争奪へ総力
「公正な県政の継続」か「信頼と協調の県政」か―。ぶつかり、はねのけ、土佐路をきしませながら進んだ’03県知事選は29日、いよいよ舌戦最終日を迎えた。現職で4選を目指す橋本大二郎さん(56)と新人で前高知市長の松尾徹人さん(56)の17日間に及ぶ戦いは各地で日ごと熱っぽさを増し、「草の根が起き出した」(橋本陣営)、「県内全域で燃えてきた」(松尾陣営)と譲らない。両候補は最終日、大票田の高知市で対峙(たいじ)。最後の、こん身の、陣営の総力挙げての訴えを繰り広げる。
【写真】’03県知事選の舌戦もきょう限り。最終盤、雨の中で票の大争奪戦が続いている(南国市内)
「草の根起きた」 橋本陣営
高知市帯屋町2丁目の橋本さんの事務所では「終盤にきてなんとか火が付いてきた」と陣営幹部。手狭な事務所で訪問客や電話の応対に追われた。
告示前や序盤は「不安でいっぱい」。選挙のたびに約2万枚発行してきた「しおり」を今回は橋本さんの希望で発行しなかったこともあり、準備段階の盛り上がりに欠けた、という。
「しおりを配って回って『(選挙戦の)始まりを知らせる』ムードがつくれなくて。告示後も草の根の皆さんの動きが明らかに低調。序盤は心配しました」
ようやくムードが変わったのが終盤。「橋本さんの批判文書などが出回ったことなどで逆に燃えたり、怒りに火が付く方々が現れて。普通のおばあさんが勝手に動いてくださったり、『もっとしっかりやれ』と陣営が怒られもしました。草の根が起き出した」
最終日は「高知市で徹底的に攻める」。鳩山由紀夫・民主党前代表が応援に駆け付けることも急きょ決定。午後5時から帯屋町かいわいを約2時間半練り歩く。
「県全域で燃焼」 松尾陣営
松尾さんの陣営は最終盤にきて、追い上げムードが最高潮。序盤、心配された郡部での知名度不足は、幅広い支援組織や政党の“展開力”で吹き飛ばしてきた。
当初、車に乗って回っていた支援政党の県議、高知市議らも「地をはう運動を」を合言葉に、中盤から選挙カーを降りた。皆、「足で稼ぐ」懸命の努力を毎日繰り広げてきた。
高知市升形の事務所の壁には運動の残り日数を示す張り紙に「一人七人に声を」の赤い文字。「10人とか20人じゃ目立たなくて」と、終盤にきてあえて「7人」に切り替え、がちがちと地を固めている。
「『松尾を頼む』と頑張ってくれている各地の運動員の力に尽きる。日一日と感触が上向き。最終日で逆転じゃ」「敵は相手陣営ではない。分厚く、幅広いわが組織がやり切れるかどうか」と力をみなぎらせる陣営の幹部ら。「こちらが攻めて、相手は守る立場」と勢いの差、手応えの強さを強調する。
最終日は午後1時ごろから高知市中心街で握手作戦を展開する。
11月29日付・高知新聞夕刊
5候補ラストラン 知事選、高知市長選
’03県知事選、高知市長選がそろって舌戦最終日を迎えた29日、同市内では朝から知事選2陣営、市長選3陣営の計5陣営の候補者カーが入り乱れ、最終、最後のお願いへ絶叫、懇願、哀願の連呼。「知事は○○!」「□□を市長に!」。5候補の名前が住宅地に交錯した。
県知事選に立候補しているのは、無所属の現職で4選を目指す橋本大二郎さん(56)と、無所属新人で前高知市長の松尾徹人さん(56)=自民県連・社民推薦、公明県本部支持。
高知市長選にはいずれも無所属新人で、毎日新聞社元高知支局記者の関谷徳さん(42)▽前市産業振興部副部長の岡崎誠也さん(50)=民主・社民推薦、公明県本部支持▽食材卸会社社長の岡内啓明さん(55)―の3人が立候補している。
大票田でラストランを迎えた各陣営は「週末の午前中」を意識し、この日は住宅街などから連呼をスタート。応援の弁士や支援議員らが脇を固め、ムードを盛り上げた。
特に、知事選に埋没しがちだった市長選の3陣営は、知名度の浸透が最後まで最大課題。候補者本人が選挙カーの中でマイクを握りしめ、時に大声、時に優しい声で支援を呼び掛けた。
「しがらみのない行政を」「防災対策の充実を」「無駄をなくす行政を」―。選挙カーから県政、市政の課題を唱えるそれぞれの訴えが響き、「改革」「変革」の声が交錯。家の中で、軒先で、街頭で26万有権者が耳を傾けた。
知事候補、市長候補の5人は午後からじわり、相次ぎ市街地中心部へ。陣営、支持者挙げてマイクを納め、舌戦に幕を閉じる。
【写真】舌戦もラストラン。県都・高知市では知事選、市長選の5陣営の訴えが入り乱れた(高知市内)
|