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東部戦線“炎上” 自民3県議除名で亀裂
現職と前高知市長のトップ対決となった県知事選。序盤に橋本大二郎、松尾徹人の両氏が舌戦を展開した県東部は、衆院選の終了で“封印”されていた保守分裂の火種が燃え上がった。自民党県連から除名された東部3県議が、橋本氏の「草の根」とともにゲリラ戦を繰り広げれば、松尾氏推薦を決めた自民党県連は政党主軸の組織戦を展開。選挙戦は東部に深い“亀裂”を残しつつ、後半戦をにらむ。
呉越同舟
10月18日。この日がこじれた「東部戦線」の起点になった。
同日の自民党県連常任総務会(県議で構成)は、松尾氏推薦に走る大勢に植田壮一郎(室戸市・東洋町)、浜田英宏(安芸郡)の両氏が反旗。欠席していた樋口秀洋氏(安芸市・芸西村)とともに会派を離脱、新会派結成を決めた。
折しも同日夜には安芸郡芸西村で、間近に迫った衆院選に向け、高知2区で立つ自民党県連会長、中谷元氏の国政報告会が予定されていた。3県議は「会長を応援する気持ちは変わらない。事態を説明しなければ」と急きょ報告会への出席を決める。
しかし、その場で3県議は、3年知事選での橋本陣営の選挙資金調達疑惑を県議会で取り上げた依光隆夫氏(香美郡)とばったり鉢合わせ。依光氏が中谷氏の後援会長を務めるためだが、雰囲気は通夜さながらに。
“呉越同舟”の重苦しい空気の中、誰一人会派離脱などを口にすることなく、中谷氏への支持だけを淡々と呼び掛けた。県連会長と2区選出の国会議員、二つの顔を持つ中谷氏本人にも苦悩の色がありあり。この日から、分裂不可避の知事選の序章が始まった。
約1週間後の県連の総務会。自民党県議団の既定路線通り、事は運んだ。採決の結果、支部役員らの賛成多数で松尾氏の推薦を決定。党の結束を固めるため異例の「党議拘束」をかけ、3氏の除名処分を決めた。
西高東低
除名された3氏の支持者らには同情、落胆…さまざまな反応と影響が広がった。離党覚悟で橋本氏を支援する党員がいれば、後援会長を降りて松尾氏を推す決意を固めた地域の重鎮もいた。
「県連の決定を踏まえて対応する」とした中谷氏は、足元に火種を抱えたまま衆院選に突入。3県議は水面下の支持に徹したが、それでも一部地域では県議の支持者が中谷氏のポスター張りを拒む事態も起きた。結果は中谷氏圧勝でも、選挙協力で得た公明党票がなければ保守票の出方には微妙な振幅があった。
4日後にいよいよ知事選が告示され、封印が解かれる。2日目の14日、両候補者カーがそろって東部入り。室戸市で開かれた橋本氏の夜の個人演説会では、3県議が「除名と引き換えに橋本県政の改革継続を。草の根の総決起を」と無党派層を見据えて熱弁。
ほぼ同じ時間帯に同市内で開かれた松尾氏の街頭集会では、依光氏ら県連幹部が、選挙資金疑惑に触れながら反橋本色を鮮明にし、中谷氏も「県連会長としてできる限りの責任を果たす」と応援に立った。
対決姿勢を強める両陣営だが、ある東部の演説会場ではこんな有権者のつぶやきが漏れた。
「東は西と比べ基盤整備が遅れている。西高東低に甘んじてきた。草の根対政党? それより何より、どうすれば地域が住みやすくなるか。目の前の生活がちょっとでもましになり、働くところができるのか。それに応えてくれる人を選ぶだけ」(知事選取材班)
【写真】橋本氏を支援する(左から)浜田、樋口、植田の3県議と、松尾氏支援に回る中谷県連会長、依光県議が顔を合わせた、中谷氏の国政報告会(10月18日、安芸郡芸西村)
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