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高知県知事選

11月18日付・高知新聞朝刊

公明県本部が松尾氏支持 県知事選

 公明党県本部(石田祝稔代表)は17日、幹事会を開き、30日投票の県知事選に立候補している前高知市長、松尾徹人氏から提出されていた推薦願の取り扱いを協議。首長選で例がないとして「推薦」は見送ったが、同氏の「支持」を決め、党本部に上申した。

 県庁記者室で記者会見した岡村康良代表代行は、松尾氏支持の理由を「乳幼児医療費無料化の年齢引き上げなどの政策が党と一致する」と説明。「任期途中の市長辞任に批判もあるが、県政発展への情熱を評価した」と述べた。

 現職の橋本大二郎氏については「推薦願が出されておらず、協議対象にならなかった」とし、4選出馬に対して「多選は党の方針に合わないし、知事の強い権限を長期間付与するべきではない」と指摘した。

 同県本部は、松尾氏から10月に推薦願の提出を受け、衆院選後から対応を協議。しかし、衆院選で比例票の上積みを期した「自公協力」の評価をめぐって一部の党員から不満の声が上がり、県内各支部の意見集約を踏まえたため、支持決定が知事選の告示後にずれ込んだという。

 同県本部は3年、7年の知事選では自主投票。11年は県議会会派「清流会・公明」が橋本氏支援の立場を取った。参院選などで橋本氏とともに同じ候補を支援した経緯もあり、今回の協議過程で自主投票を求める党員もいた。岡村代表代行は「厳しい判断だったが、松尾氏支持で組織をまとめる」としている。

 高知市長選は岡崎氏を支持

 また同県本部は、知事選と“ダブル選挙”になる高知市長選の対応では「市政は起債償還のピークを控えており、安定した財政運営に期待する」として、前市産業振興部副部長の岡崎誠也氏の支持決定を併せて発表した。


県知事選 各党苦悩の態度決定 自公民“また裂き”

県内各党で最後に知事選対応を決めた公明党県本部。幹部の会見には苦悩の跡がにじんだ(17日、県庁記者室)  県内主要政党の知事選対応が、ようやく出そろった。現職の橋本大二郎氏(56)を「実質支援」する共産党以外は軒並み、新人の前高知市長、松尾徹人氏(56)寄り。自民(県連レベル)、社民の両党が「推薦」、公明党が「支持」、民主は「協力候補」という位置付けだ。政党に推薦を求めない橋本氏、共産以外の各党に推薦を求めた松尾氏のスタンスからすれば、それほど違和感のない結果だが、内情はほぼどこもが“また裂き状態”に。苦悩の態度決定は激戦の構図を物語り、「脱政党」を掲げながら水面下で政党色の強い団体に秋波を送る橋本氏や、松尾氏の鮮明な「共産排除色」も他党の判断に影響を与えるなど事態を一層複雑にしている。

 実質自主投票?

 「“血”を流しても一枚岩になる必要があった」。党議拘束、橋本派県議の除名、離党…。知事選対応に伴う“粛清”を、自民党県連幹部はこう説明する。

 橋本氏の対立候補を推薦しながら造反者が続出した前回知事選を念頭に、「組織一丸で有権者に訴えるのが政党として責任ある対応だ」と強気の姿勢を崩さない。ただ、党本部は上申した県連の推薦を保留したまま。「強引な手法はかえって党勢を低下させるだけだ」とする党員の声も少なくない。

 社民党県連合は早々と推薦を決めたが、民主党県連はもたついた。支持労組などが松尾氏支援に走る一方で、橋本氏寄りの保守層や商工業者らもいて、結論は「協力候補」という“玉虫色”の位置付け。「自主投票ではない」と幹部が釈明したものの、両候補の出陣式には県連幹部がしっかり顔を出した。

 公明党県本部の場合は、衆院選での「自公協力」の評価が態度決定に影響。幹部らは「成果はあった。保守層との連携は今後も必要」と強調するが、公明の比例票が当初目標を下回ったため「自民にだまされた。知事選で同じ候補には乗れない」とする支持者も。

 松尾氏支持という結論には橋本与党色を強める共産党への対立意識も読み取れるが、公明党の支持母体の創価学会筋からは「両候補とも積極的に評価しづらい。実質的に学会は自主投票になるだろう」との声も漏れる。

 脱政党と相乗り

 こうした各党の対応は、両候補の対照的なスタンスにも起因する面がある。

 橋本氏は松尾氏の出馬表明(10月11日)直後に創価学会幹部と高松市で面談し、支援を要請。さらには、民主・社民の有力支持団体である連合高知にも推薦願を提出した。

 橋本氏は「(脱政党との)矛盾は感じない」「推薦願は後援会任せ」と強弁するが、支援者の間には「推薦願は対立陣営の足止めという意味もある」「知事もきれいごとを言うが、勝つためには必要だ」。

 共産党の「実質支援」表明の翌日に「どの政党とも等距離だ」とわざわざ橋本氏が釈明会見したことにも、「共産をけん制したのは公明の組織票欲しさからだ」と他党は厳しい目を向ける。

 一方の松尾氏に対しても、各党相乗りを疑問視する有権者は多く、「政党の思惑で県政が動かされる」「総与党化で駄目になったのがかつての地方政治。それこそ後戻りだ」の声も聞かれる。

 松尾陣営の県議は「橋本氏は議会軽視が過ぎる。その反発が政党の集結につながった」と強調するが、「有権者の政党離れは深刻。支持政党が多くても直接票につながる時代ではない」と危機感を募らせた。

 (知事選取材班

 【写真】県内各党で最後に知事選対応を決めた公明党県本部。幹部の会見には苦悩の跡がにじんだ(17日、県庁記者室)


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