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11月13日付・高知新聞夕刊

 県知事選告示 舌戦スタート 橋本、松尾両氏立つ

橋本 大二郎氏 松尾 徹人氏

 任期満了(12月6日)に伴う戦後16回目の高知県知事選挙は13日告示され、4選を目指す現職で無所属の橋本大二郎氏(56)、無所属新人で前高知市長の松尾徹人氏(56)=自民党県連、社民党推薦=の順で、予想された2人が立候補を届け出た。両候補は高知市の選挙事務所前などでそれぞれ出陣式に臨み、本番突入へ決意の第一声。衆院選が繰り広げられたばかりの県内で、新たに県政リーダーを選ぶ17日間の舌戦が幕を開けた。届け出は同日午後5時で締め切られるが、ほかに出馬の動きはなく、現職知事に県都の市長経験者が挑む昭和46年以来の「トップ対決」が確定的。30日投票、即日開票される。(写真は左から届け出順)

 21世紀最初となる節目の知事選は、市町村合併や三位一体改革など地方自治の変革期にあって、本県の自立と浮揚を託すリーダーを選択する。新たな県政のかじ取り役には力強い将来ビジョンの提示と実現が求められる。

 「溝渕VS氏原」以来32年ぶりの「トップ対決」は、橋本県政3期12年の評価を踏まえ、県民の軸足で県庁を指揮する橋本氏の改革路線の継続・強化か、松尾氏の県民、市町村、議会との信頼・協調型県政への転換か、県政運営手法を最大の争点に据える。異なる政治姿勢に産業・雇用対策、中山間振興策や多選の是非も加え、有権者の審判を仰ぐ。

 戦いの構図は、無党派の立場から草の根ネットワークを中心に支持拡大を目指す橋本陣営に対し、松尾陣営は支持政党や前回知事選で対立候補を擁立した農協グループ、連合高知傘下の労組などの組織力を主体に対抗。共産党が橋本氏を実質支援する一方、保守系の業界・団体内で支持が分かれる“また裂き現象”も起きている。

 立候補の受け付けは、午前8時半から県庁正庁ホールで行われ、両氏の代理人による抽選の結果、橋本氏、松尾氏の順で届け出た。選挙用の標旗や腕章などを受け取った両陣営の運動員らはそれぞれの出陣式に引き返し、両候補が高らかに決意の第一声を上げた。

 橋本候補は「外からの圧力に負けない公正な県政の実現、県民本位の県庁に努めてきた。森林環境税など全国に注目される仕事も手掛けてきた。さらに4年間、県政を担当させてもらえれば県庁を大きく転換していく自信がある。改革の流れを逆戻りさせてはいけない」と力を込めた。

 一方、松尾候補は「この12年で県民は本当に幸せになったのか。経済状況は落ちるところまで落ちてしまった。『何とかしてほしい』という大きなうねりが県内各地から起きている。信頼と協調、元気とぬくもりのある県政へ。私と一緒に県政を変えていこう」と熱く訴えた。

 この後、両候補は選挙カーに乗り込み、17日間の遊説に走り出した。

 意義認識し投票を 県選管委員長が談話

 県知事選挙の告示に際して発表された中越豊喜・県選管委員長の談話(要旨)は次の通り。

 市町村合併の進展や三位一体の改革など自治体の在り方が大きく変化しようとする中、今後の県政を託す人を選ぶ知事選の意義は誠に重大だ。県選管は各市町村選管とともに選挙の適正な執行に万全を期すとともに、きれいな選挙の推進と投票総参加の呼び掛けを行っていく。有権者の皆さんはこの選挙の意義を十分認識し、候補者の人物・識見をよく吟味して全員が投票に参加するよう切望する。また、候補者や選挙運動関係者には、政策や主義主張を正しく有権者に訴えるとともに、ルールを守り最後まできれいな選挙に終始するよう要望する。

 (上から届け出順・敬称略)

 橋本大二郎(56) 無所属・現B 慶応大経済、法学部卒。昭和47年NHK入局。報道局社会部副部長、同局科学文化部次長などを経て平成3年8月退職。同12月知事初当選、3期目。全国高速道路建設協議会副会長。大規模林業圏開発推進連盟会長。東京都出身。

 松尾徹人(56) 無所属・新(自民県連、社民推薦) 東京大法学部卒。昭和44年自治省(現総務省)入省。56年から通算6年5カ月、県保健環境部長、総務部長などを歴任。自治省選挙課長を経て平成6年3月退職。同10月高知市長初当選。3期目途中の15年10月に辞職。山口県出身。


 宿命の両雄対決幕開け 県知事選告示

 招かれ、推され、ともに高知に根を下ろした両雄の激突がついに幕を開けた。13日告示の’03県知事選は、現職で4選を目指す橋本大二郎さん(56)と、新人で前高知市長の松尾徹人さん(56)の宿命的ともいえる一騎打ちが確定的。高知市での第一声、橋本さんが「圧力に屈しない県政を!」と改革の継続を強調すれば、松尾さんは「信頼と協調の県政に!」と政治手法の転換を主張。30日の投票まで17日間。県内各地でぶつかり合う両候補、両陣営の思いの丈を66万余有権者はどう受け止め、誰を、どんな思いで県政トップに選ぶのか―。「審判」への秒針が音高く動き始めた。

 「公正な県政継続を」 橋本大二郎候補

 4選を目指す橋本さんは午前9時前、出陣式の会場となった中央公園に妻の孝子さんと姿を見せた。

 肌寒い会場には黄色いハンカチを手にした“大ちゃんファン”や支援県議らが詰め掛け、2人を囲む激励が飛び交った。

 出陣式では町田照代後援会長が「相手は、初当選の12年前と同じく組織。草の根は組織に負けないことを見てもらおう」とあいさつ。橋本さんは、小学生姉妹が届けてくれた折り紙の花束を手に、お立ち台へ。

 「初めての挑戦のとき、話題になった言葉が2つある。草の根としがらみだ。草の根の皆さんが、しがらみのない僕を知事の座に押し上げてくれた。この12年間、声の大きな人や影響力の強い組織の力に流されない県政を目指してきた。情報公開の実現などで、あと一歩で後戻りしないところまで来た」

 柔らかい表情。よく通る声。圧力に屈しない県政の継続を重ねて訴え、高らかに締めた。

 「公正な県政の実現は、草の根の皆さんから託してもらった原点だ。この流れを後戻りさせるわけにはいけない。負けるわけにもくじけるわけにも後退をするわけにもいかない」

 支持者はこぶしを突き上げ、「橋本大二郎とともに頑張ろう」コール。女性たちが拍手で送り出す中、「4度目の選挙カー」が駆け出した。

 「ぬくもりの政治を」 松尾徹人候補

 午前7時半すぎ、升形の事務所に現れた松尾さん。妻の真理子さん、後援会長の藤原定子さんと仲良く手を携えて、まず近くの出雲大社に必勝祈願に向かった。

 8時半すぎに立候補届け出順が2番と伝えられると、「おお、V(勝利)じゃ、Vじゃ」。集まった多くの支持者から歓声がわいた。

 出陣式では藤原後援会長のあいさつに続き、自民党の国会議員や民主党高知市議、社民党県連合代表、新社会党県本部の書記長ら幅広い党派の代表らが次々に激励。「年間130日も県庁にいない人を知事と言えるか」「(陣営の)イメージカラーの緑は、『マトリックスレボリューションズ』の変革の色」。痛烈な現職批判や話題の映画に引っ掛け、「変革」を強調した。

 松尾さんはまず「過去3回の選挙とも、(届け出順)2番で勝ち抜いてまいりました。必ずや30日にはVサインを」と決意表明。「経済、教育、いろんな政策が展開されながら、その効果が上がってこない。政治手法に問題がある。信頼と協調のぬくもりの政治手法がすべての第一歩」と基本姿勢を熱く訴えた。

 悩み抜いた出馬の心境と高知への愛着も随所ににじませた第一声。「この高知県を皆さんとともに変えようではありませんか!」と締めた後、「頑張ろう」コールでこれまでと違う、広い選挙区に送り出された。

 不在者投票一斉に開始 各市町村選管

 県知事選挙が13日告示されたのに伴い、県内の各市町村選管は一斉に不在者投票の受け付けを開始。県勢浮揚の願いを込めて、有権者が次々に1票を投じた。

 県内有権者の約4割が集中する高知市では、午前8時半に受け付け開始。10時半までの2時間で28人が投票した。

 同じ時間帯に64人を数えた今月9日投開票の衆院選を大きく下回ったが、市選管の木藤善治事務局長は「高知市長選の不在者投票は23日から。市長選告示を待って両方を一度に済まそうとする有権者も多いのではないか」としている。

 前回11年の知事選で同市の不在者投票者は計8060人。市たかじょう庁舎の市選管事務局で投票した女性(57)は「2人の候補をてんびんにかけて、ちょっと重い方に票を入れました」。

 高知市では、市役所玄関前ピロティと市内14カ所のふれあいセンターで午前8時半から午後5時まで(ふれあいセンターは正午から午後1時まで昼休み)、選管事務局では午後8時まで不在者投票を受け付ける。


11月13日付・高知新聞朝刊

 県知事選きょう告示 32年ぶりトップ対決へ

 任期満了(12月6日)に伴う県知事選挙は、13日告示される。立候補を予定しているのは、いずれも無所属で、現職の橋本大二郎氏(56)=3期、新人で前高知市長の松尾徹人氏(56)=自民党県連、社民党推薦=の2人。4選を目指す現職知事に、県都の前市長が挑む構図が確定的。昭和46年の「溝渕VS氏原」以来、32年ぶりのお堀を挟んだ“トップ対決”に有権者の関心も高まっており、30日の投票日まで17日間、県内各地で熱い選挙戦が繰り広げられる。

 立候補の受け付けは、13日午前8時半から県庁正庁ホールで始まり、同日午後5時で締め切られる。県選挙管理委員会は12日、立候補受け付けのリハーサルのほか、運動員用の腕章など選挙の“7つ道具”を最終点検し、本番に備えた。

 両陣営とも、受け付け開始に合わせて代理人が立候補を届け出た後、それぞれの選挙事務所などで出陣の第一声を上げ、遊説をスタートさせる。

 橋本陣営の事務所は、帯屋町2丁目のアーケード内。出陣式は午前9時から中央公園で行い、町田照代後援会長らがあいさつ。その後、高知市、土佐山村、鏡村へ選挙カーを走らせ、夜は同市内の2カ所で個人演説会を開く。

 一方、松尾陣営の事務所は升形の電車通り南側。事務所での出陣式には、推薦・支援を決めている政党・団体関係者も参加。藤原定子後援会長らがあいさつした後、選挙カーで遊説を開始。初日は高知市、土佐山村、鏡村を回る。


 信頼と協調の県政に 松尾陣営が総決起大会

 13日告示の県知事選に立候補する無所属新人で前高知市長、松尾徹人氏(56)の総決起大会が12日、高知市の高知新阪急ホテルで開かれ、大勢の支持者が「冷たい県政から、信頼と協調の県政に変えよう」と必勝を誓い合った。

 藤原定子後援会長は、「松尾さんは高知を良くしようと一生懸命で、高知を本当に愛している。松尾知事誕生へ力を貸してほしい」とあいさつ。

 自民、民主、社民各党や連合高知、県農協中央会など、政党・団体の代表も登壇。自民党県連の中谷元会長は「エンジン全開、全力で応援する。力を一つに結集すれば、必ず勝てる」と気合を込めた激励で盛り上げた。

 充実した表情でマイクを握った松尾氏は「確かな手応えを感じている。勝たなければ、高知が駄目になってしまう。そんな危機感を持って頑張っている」と県内を回った1カ月を振り返った。

 続けて「いろいろな政策が行われながら、成果が上がっていないのは、政治手法が間違っているからだ。私は信頼と協調の手法で協力を得ていきたい」と強調。「厳しい戦いだが、期待してくれる人がいる。元気とぬくもりの県政実現へ、死に物狂いで頑張りたい」と力強く決意を述べた。

 事務所を移転

 松尾氏の後援会は12日、事務所を高知市升形5―35に移転。13日の告示以降は選挙事務所となる。電話番号はこれまで通り088・824・1838。

 【写真】大勢の支持者が必勝を誓い合った松尾陣営の総決起大会(高知市の高知新阪急ホテル)


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