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「僕も政治家の家の生まれだから、本来こういうことは嫌いじゃない。明日は全会派へあいさつに回りますよ」
11月30日。登庁を翌日に控えた橋本大二郎氏は、出直し知事選で支援を受けた保守系県議の統一会派・21県政会の県議会控室で、くつろいだ様子で懇談していた。
橋本氏が控室に出向くのはいつ以来か本人も思い出せないほど。同会派の中内桂郎会長は「県政の安定に必要な姿勢。激戦を通じやっと分かってくれた」。議会との融和路線を模索し始めた橋本氏に目を細めながらも、「すぐに雪解けとは行かないだろうが…」と先行きの不安も織り交ぜた。
反橋本宣言
3年知事選での橋本陣営の資金疑惑浮上、百条委員会の設置と調査、そして辞職勧告決議―。県議会内は昨秋以降、自民党を中心とした反知事派と親知事派の対立色が深まり続けた。橋本氏はその県議会をひとまとめにして「敵役」に仕立て上げ、出直し選に打って出た。
時にそうした手法を取る橋本氏には、親知事派からも苦言が飛び出る。橋本氏が疑惑についての説明文書を公表したのは辞職後の10月25日。これには親知事派でさえ「なぜ9月定例会で説明しなかったのか」とする声が出ていた。
「選挙結果を受けても、これまでの是々非々のスタンスは変えない」。自民党県議団の土森正典会長は、森林環境税や高速道路の延伸ももともとは自民会派の政策提案や国への働き掛けの成果だと強調し、「責任を取らずに手柄だけを自分のものにする橋本氏の姿勢を厳しくチェックするのは当然だ」と息巻く。
自民党県連は昨秋、百条委の調査対象だった建設関連業者から計2500万円の政治献金を受けていた。県議団の中には、この事実を「足元を見直す必要がある」と率直に反省する声もある一方、“反橋本”宣言もあらためて聞かれる。「今さら融和? 何を寝とぼけたことを」「彼が知事でいる限り徹底して追及する」
リセット
今回の選挙で橋本氏擁護のビラを大量に配布するなど“党営選挙”を展開した共産党。同党の塚地佐智県議は「私たちの県政への提言は従来以上に聞き入れてもらえるだろう」と選挙での貢献度を自負しつつ、「反知事派がしつこく橋本批判を続けるなら、議会解散の署名活動も視野に入れる」と身構える。
橋本氏が議会内の「パイプ役」を託そうとする21県政会の中にも、一部に自民党への敵対心が残る。共産党が県政で存在感を増せば、自民、公明両党が反発するのは自明。政党間の対立が「是々非々」を遠ざける遠因になりかねない。
こうした不安定要素を、政党の役割を否定するかのような橋本氏の政治手法が往々にして助長してきたきらいがある。
「今は、13年前のこと(資金疑惑)をまた蒸し返したり、議会解散で出直せなどというのは横に置いて、三位一体改革や経済情勢の厳しさに一緒に立ち向かえる県になりたい」
12月1日、再始動した橋本氏は難局を乗り切るため、対議会関係もいったん“リセット”したいとの考えを強くにじませた。
10日から始まる県議会12月定例会が混乱の「第二ラウンド」になるのか、多選の領域に入った無党派知事と議会の望ましい関係構築の「第一歩」になるのか。対話の模索は始まったばかり。その先の霧はまだ晴れていない。
【写真説明】初登庁後に県議会にあいさつに回った橋本氏。融和方針の先行きは不透明(12月1日、県議会21県政会の控室)
(出直し知事選取材班)
(2004年12月4日付・高知新聞朝刊)
=おわり=
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