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04参院選高知 争点 接点  今年、発足50年を迎えた自衛隊。節目の年は戦後初の“戦地派遣”で、年初から国民の注目を浴びた。賛否両論が渦巻く中、隊員たちはイラクへ足を踏み入れ、今も「復興支援」の名の下、活動を続けている。

 平成3年の湾岸戦争発生以降、世界各地で紛争が起きるたび、国際社会から日本の「貢献」の在り方が問われてきた。それに連動する形で、国会では憲法との整合性を問う論議が巻き起こってきた。

 ■重なる「事実」

 4年に成立した国連平和維持活動(PKO)協力法で、自衛隊は初の海外活動へと踏み出した。そして13年9月の米中枢同時テロ発生で、行動制限のたがは一気に緩くなる。

 小泉内閣はテロ対策特措法、イラク人道復興支援特措法を相次ぎ成立させた。米国で今月開かれた先進国首脳会議(サミット)に参加した小泉首相は何の議論もなしに、イラク主権移譲後の自衛隊の多国籍軍参加を表明、閣議決定へと事を進めた。

 国会も「数の力」で勝る自公連立与党の前に、護憲党派の声は弱まるばかり。現行憲法では認められない集団的自衛権に限りなく踏み込んでいく既成事実の数々。不戦を規定した憲法九条も国民県民の意識も、現実を前に揺らいでいる。

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3、憲  法改正あおる貢献論 続き
土ぼこりが舞う中を走る自衛隊の軽装甲車。なし崩し的に活動範囲を広げる自衛隊はどこへ向かうのか…(16年4月8日、イラク南部サマワ)  今回の県民世論調査。意見欄からは「今のままでは大国のエゴのため、その先兵として利用される危険性がみえみえ。昔来た道を再び後戻りすることになる」(県中西部、70歳以上の男性)と憂う声が拾える。

 だが、自衛隊派遣に強い反対意思を示す「いますぐ撤退すべきだ」は1割。イラク派遣前の昨年10月に実施した調査で「どんな理由であれ派遣すべきでない」とした約2割から半減した。消極的容認論がじわりと広がっている。

 ■国民に決定権

 国際貢献論を追い風とするように、12年1月に始まった衆参両院の憲法調査会の論議は仕上げ段階に入ってきた。

 「改憲」を目指す自民党、「創憲」を訴える野党第一党の民主党は、九条の条文改正で意見が一致。17年5月をめどに衆院の同調査会がまとめる最終報告書の内容がまず注目される。

 その後は自民、民主両党の改憲草案づくりを待って、18年以降に国会で審議。衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が得られれば、国民投票を実施する―。これが改憲へ想定されるスケジュールだ。

 制定後50年以上が経過し、地方分権や環境権など新しい人権への対応、無用論がくすぶる参院の在り方など憲法改正論議に理解を示す県民は少なくない。だが、世論調査で「議論はいいが拙速な改正は慎むべきだ」とする「論憲派」が55・3%と突出。政界ほど論議の高まりは見られない。

 それでも参院選後に生じる国政選挙の「空白期間」に、憲法改正の動きは加速する気配だ。「改憲」「創憲」「加憲」「護憲」。各党がそれぞれの立場で国民と向き合い、この国の在り方を考える。参院選では候補者の憲法観、ひいては国家観も問われている。

 【写真】土ぼこりが舞う中を走る自衛隊の軽装甲車。なし崩し的に活動範囲を広げる自衛隊はどこへ向かうのか…(16年4月8日、イラク南部サマワ)

(参院選取材班)

(6月20日付・高知新聞朝刊掲載)

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