今回の県民世論調査。意見欄からは「今のままでは大国のエゴのため、その先兵として利用される危険性がみえみえ。昔来た道を再び後戻りすることになる」(県中西部、70歳以上の男性)と憂う声が拾える。
だが、自衛隊派遣に強い反対意思を示す「いますぐ撤退すべきだ」は1割。イラク派遣前の昨年10月に実施した調査で「どんな理由であれ派遣すべきでない」とした約2割から半減した。消極的容認論がじわりと広がっている。
■国民に決定権
国際貢献論を追い風とするように、12年1月に始まった衆参両院の憲法調査会の論議は仕上げ段階に入ってきた。
「改憲」を目指す自民党、「創憲」を訴える野党第一党の民主党は、九条の条文改正で意見が一致。17年5月をめどに衆院の同調査会がまとめる最終報告書の内容がまず注目される。
その後は自民、民主両党の改憲草案づくりを待って、18年以降に国会で審議。衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が得られれば、国民投票を実施する―。これが改憲へ想定されるスケジュールだ。
制定後50年以上が経過し、地方分権や環境権など新しい人権への対応、無用論がくすぶる参院の在り方など憲法改正論議に理解を示す県民は少なくない。だが、世論調査で「議論はいいが拙速な改正は慎むべきだ」とする「論憲派」が55・3%と突出。政界ほど論議の高まりは見られない。
それでも参院選後に生じる国政選挙の「空白期間」に、憲法改正の動きは加速する気配だ。「改憲」「創憲」「加憲」「護憲」。各党がそれぞれの立場で国民と向き合い、この国の在り方を考える。参院選では候補者の憲法観、ひいては国家観も問われている。
【写真】土ぼこりが舞う中を走る自衛隊の軽装甲車。なし崩し的に活動範囲を広げる自衛隊はどこへ向かうのか…(16年4月8日、イラク南部サマワ)
(参院選取材班)
(6月20日付・高知新聞朝刊掲載)
「2004高知参院選」ページに戻る。
高知新聞フロントページへ
|