景気は回復基調とされながら地方の暮らしは一向に良くならず、むしろ悪化をたどっている。中央と地方の格差は広がるばかり。そうした優勝劣敗を容認するかのような改革路線をひた走る小泉首相の政治手法は、一方で国の針路への不安も増幅させている。
「イラクへの自衛隊派遣、年金改革法の強行採決、地方を無視した三位一体改革など十分に審議せず次々と行っている。独裁的とも見え、国政の方向に不安を覚える」(高知市、50代男性)「改革、改革とあらゆる面に手を広げ、数の原理で法改正。国民に不安を与え未来を不透明にしている」(県東部、70歳以上の男性)
批判的な有権者の多くに共通するのは「説明責任が欠けている」との見方だ。
しかし、小泉内閣の岩盤はなお固い。
今回の世論調査では小泉内閣を過半数(55・0%)が「評価する」と回答。期待度が46・4%だった昨秋の衆院選時から盛り返した。
この結果を裏付けるように、県中東部の20代の男性は「小泉内閣になって政治に関するニュースを見るようになった。小泉首相は結果を出している。非難されるのはおかしい」と擁護する。
北朝鮮による拉致問題への対応には「首相が一歩ずつ解決していくのを大変望ましく思う」(高知市、40代女性)「歴代の総理は何をした? 民主党、社民党には何ができるの。小泉首相を評価する点はたくさんある」(高知市、60代男性)との声も少なくない。
■票流政治
賛否がねじれ合う民意、一様でない民意は、政治家に対しても同じ。
「政治家のモラルが低すぎる。一度政権交代をすべきだ」(高知市、70歳以上の女性)。小選挙区制による二大政党化の効用を生かせとする意見があれば、野党に対して「レベルの低い攻撃は見ていて国民として恥ずかしくなる」(県中西部、60代男性)との批判も突き付けられる。
年金の未納問題や制度改革関連法案をめぐる審議、採決の在り方を踏まえてか、「すべての政党が政党のための政治を行っている」「もう少し国民のことを考えた政治を」と、政党政治全体に向けられる厳しい注文もあった。
論点、争点はいくらもある。問題はそこに接点を見いだせるかどうか。「小泉政治」を「票流政治」としないためには、有権者の側の「参戦」意識が問われている。
(参院選取材班)
(6月18日付・高知新聞朝刊掲載)
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