公示直後の日中、予定では高知市と南国市を選挙カーで流すはずだった。が、広田さん本人がその変更を申し出た。
「つじ立ち、やります」「時間ないぞ?」「でも立ちたいんです」
以来、つじ立ちの数は日程表の当初の計画をはるかに超える。時間の限り、街角で訴える。「私は確固たる組織を持っていない。つじ立ちしかないんです」。そう苦笑するが、本心は別にある。
集票は組織頼み、街頭では連呼。そんな手法が「古いしがらみの政治」を生んできた、と考えている。だから愚直に訴える。そうやって戦って、支持を得てこそ、目指す「新しい政治」が生まれると信じている。
「うその政治はしたくない」といつも言う。運動員も「だんだん、彼の誠実さが伝わってきた」と話す。
雨の中のつじ立ち。マイクが傘を打つ雨音を拾う。その音をかき消すように力強い声が響いた。
「年金制度への信頼は今や地に落ちている。私は議員年金の廃止に取り組みます。それを信頼回復の『はじめ』の一歩にしたい」
ずぶぬれになる。時には梅雨の合間の厳しい日差しに汗だくになる。連日立って、立って、訴えている。
【写真】つじ立ち後、聴衆と握手する広田さん(北川村野友)
(7月5日付・高知新聞朝刊掲載)
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