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2004年6月24日付・高知新聞夕刊

 参院選公示 予想の4氏届け出 県選挙区

 年金制度改革、イラク多国籍軍への自衛隊参加問題を二大争点に、今年最大の政治決戦となる第20回参院選が24日公示され、予想された320人が午前中に立候補を届け出た。各党党首は各地で第一声を上げ、7月11日の投開票に向けた17日間の選挙戦がスタートした。立候補届け出は24日午前8時半から中央選挙管理会(総務省)と都道府県選挙管理委員会で行われ、選挙区で192人、比例代表には8政党・政治団体の128人が手続きを終了した。午後5時に締め切られ、立候補者が計320人で確定すれば、2001年の前回選挙の計496人より大幅な減少となり、83年の比例代表導入以降で最少の立候補者による少数激戦となる。(共同)

 66万有権者の審判を仰ぐ高知県選挙区(改選数1)も24日公示され、7月11日の投票に向け17日間の選挙戦本番に突入した。

 県選挙区の立候補受け付けは午前8時半から県庁正庁ホールで行われ、出馬を予定していた予想の4氏が次の順で届け出た。

 松岡由美子 56 無所属・新=社民党、新社会党推薦=

 広田  一 35 無所属・新=民主党推薦=

 森下 博之 62 自民・現(1)=公明党推薦=

 中根 佐知 48 共産党・新

 届け出に出向いた各陣営の代理人は短時間で手続きを済ませ、街頭演説用の標旗など「選挙の七つ道具」を受け取るとそれぞれの出陣式へ直行。

 午前9時前後には、4候補が事務所前などで、大勢の支持者らを前に第一声。

 無所属の松岡氏は「子供たちに戦争への道を歩ませないため、平和憲法を守る」、無所属の広田氏は「今の政治に風穴をあけ、未来に責任を持つ政治へ世代交代を」とアピール。

 自民党の森下氏は「愛する古里高知を念頭に、豊かで尊敬される国づくりを目指す」、共産党の中根氏は「民主的なルールのある日本をつくり、暮らしと平和を守り抜く」と訴えた。

 出陣式を終えた4候補は、選挙カーや自転車に乗って遊説をスタート。午前中は県内有権者のほぼ4割を占める大票田の高知市を中心に、立候補のあいさつに駆け巡った。

 参院選高知 県選挙区4候補薄曇りの下舌戦開始

参院選公示に備え、立候補受け付けのリハーサルをする県選管職員ら(23日午後、県庁正庁ホール)  小泉政権にイエスか、ノーか――。参院選が公示された24日、県選挙区の4候補は高知市の事務所前などで高らかに出陣の第一声を上げた。「米百俵の精神」の所信表明演説から始まった小泉構造改革路線。自衛隊の在り方を含め大きな政治課題になりつつある憲法問題はじめ、年金など暮らしの設計図、景気対策、地方行政を直撃する三位一体改革…と、問われる争点は多い。暮らしの中で何が生まれ、何が消え、この国はどう変わっていこうとしているのか。有権者は現政権の歩みと方向にどんな審判を下すのか。薄曇りの街に交錯する候補の訴えと有権者の思い。高知を、日本を覆っている雲の晴らし方を問う選挙戦の幕が開いた。(4陣営は上から届け出順)

 【写真】「ガンバロー」。必勝を期して気勢を上げる支援者ら(24日午前、高知市内)

 松岡由美子陣営 平和憲法守り抜く

 イメージカラーの水色のスーツ姿の松岡由美子さん(56)が、城見町の事務所に姿を見せたのは午前7時半ごろ。昨晩はよく眠れなかったそうで、朝食も青汁を口にした程度。「やるしかない。勇気です」と、緊張した面持ちで支持者らが待つ事務所近くでの出陣式に向かった。

 社民党県連合代表の江渕征香県議が「今、平和憲法が危ない。小泉内閣は多国籍軍参加という暴挙を働き、年金問題では暮らしに不安の影が落ちている。平和を願う人々の力を結集し、闘わなければならない。怒りを選挙にぶつけ、政治を変えよう」と士気を鼓舞。続いて、橋詰武勇・新社会党県本部委員長らがエールを送った。

 松岡さんが登壇すると、支持者から「頑張れ!」の熱い声が飛んだ。松岡さんは「今、この国では暮らしを直撃する政策が打ち出され、戦争のできる国に変えるような動きがある」「小泉政権は悪政であり、多くの国民がそのことに気付き始めた。あきらめず、勇気を持って悪政に立ち向かわなければならない。皆さんの力を勇気に頑張りたい」と力を込めた。

 「平和憲法を守り抜こう!」と団結した後、笑顔の松岡さんを乗せた選挙カーが街へと出発した。

 広田一陣営 古い政治終止符を

 広田一さん(35)は午前8時半、出陣式会場の中央公園に現れ、集まった支援者の間を握手して回った。「頼んだぞ」「頑張れ」。激励に応える広田さんのさわやかさにつられ、笑顔の輪が広がった。

 その和やかな雰囲気も出陣式が始まると、一転。「地方はこのままどうなってもいいのか。時代を変える総仕上げの時が来た」。町田貴後援会長をはじめ、推薦する民主党県連代表の五島正規衆院議員ら応援弁士から、現政権への怒りが次々と噴出。「今ほど地に落ちた政治はない」「パフォーマンスで真実を覆い隠し、その場の思い付きで日本を悪くしている」

 広田さんのあいさつにも、自然と気合が入り、身ぶり手ぶりが大きくなる。「出生率など、でたらめな数字を基にした年金制度、三位一体の改革と称する地方切り捨て。国のおごりが勝つのか、地方の危機感が勝るのか、それが問われている選挙だ。政治を変えるのは皆さんの意思、一票。古いしがらみの政治を終わらせよう」と改革への熱い思いを語った。

 最後に民主党の平野貞夫参院議員の音頭で、「当選を期して、ガンバロー!」。声援と拍手を受けながら、広田さんはさっそうと17日間の決戦に出発した。

 森下博之陣営 古里思い国づくり

 南はりまや町1丁目の森下博之さん(62)の事務所では午前7時20分、森下さんの郷里、日高村から宮司を招いて必勝祈願。この後、届け出順が「3番」の報を受けると、ぐっと顔を引き締め出陣式に臨んだ。

 応援弁士は8人。恒石静男後援会長をはじめ、中谷元・自民党県連会長ら同党国会議員と、森下さんを推薦する公明党県本部代表の石田祝稔衆院議員らが壇上へ。

 森下さんの活動ぶりを紹介しながら、「5人の自民党国会議員の最年長で、一歩下がって全般を見つつ、しっかりわれわれをまとめてくれる要の人」「父の顔を見たことのない戦争遺児だった森下さんの少年時代の苦労が今、ここに生かされなければ」と、人柄を前面に出して幅広い支持を訴えた。

 森下さんは三位一体改革や年金改革、北朝鮮の拉致問題など小泉政権の評価、批判を織り交ぜつつ、「これからも常に高知県のこと、自分の愛する古里のことを念頭に置きながら、国際社会からも尊敬される豊かで平和な国づくりを目指し、懸命に頑張っていきたい」と熱く決意表明。集まった支持者とともに「ガンバロー!」を三唱し、握手を交わしながら選挙カーに乗り込んだ。

 中根佐知陣営 庶民の痛み国政へ

 ひまわりの胸飾り、黄色のスーツ姿ではりまや町3丁目の事務所に登場した中根佐知さん(48)。沿道に集まった支援者にいつもの笑顔を振りまき、一人一人の手をがっちり握った。

 出陣式では、佐竹峰雄・共産党県委員長が「年金、雇用の問題など暮らしの根本と、イラクへの自衛隊の派遣、憲法改悪など平和と日本の国の針路が問われる歴史的な選挙だ」とあいさつ。

 応援に駆け付けた西岡瑠璃子・元参院議員、春名直章・前衆院議員は「自公政権のやり方はもう我慢の限界。主権者として怒りをいつ燃やすのか」「この六年で憲法と教育基本法が改悪されるかが決まる」と戦いの意義を強調した。

 熱い応援演説に何度もうなずいていた中根さんは毅然(きぜん)とした表情で登壇し、「財界の言いなりで税金の使い方を正そうとせず、庶民に痛みを押し付ける政治でいいのか。暮らしの痛みを国政に持っていく」と宣言。「戦火が訪れてから、子どもが兵隊に送られてから、嘆いても遅い。平和を守り、民主的なルールのある日本をつくりたい」と力を込めると大きな拍手がわき、最後は「団結ガンバロー!」。薄曇りの空に拳を突き上げ、必勝を誓い合った。


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