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共産に依然高い「壁」
「『政治を変えないといけない』という有権者の思いを、保守を割って『反自民』を掲げた広田一氏と小泉人気にもっていかれた」
県選挙区で新日本婦人の会県本部事務局長の中根佐知氏(45)を擁立した共産党県委員会の浦田宣昭委員長は、敗因をこう分析する。
中根氏の得票は四万五千。平成十年の参院選で同党推薦の元社会党参院議員、西岡瑠璃子氏が獲得した十一万二千票の半分にも満たず、自民党公認候補と渡り合った前回とは全く違う展開となった。
比例票は四万三千(得票率12.4%)。前回の六万六千票(同19.6%)を大きく割り込み、県内第二党から第四党に転落。「後退」の二文字をいや応なしに突き付けられている。
真の受け皿目指し
近年の共産党は、自民党中心の政治に嫌気が差した無党派層をターゲットに「無党派との共同」で躍進を遂げてきた。
金字塔となっているのが、八年の衆院選だ。高知1区の激戦を山原健二郎氏が制し、比例も過去最高の七万七千票(得票率22%)を記録。四国比例名簿二位の春名真章氏も当選した。
浦田氏は無党派との共同を「山原選挙で具現化した勝利のセオリー」と位置付け、「『共産党が伸びれば政治は変わる』という党への波を起こし、それを選挙区での勝利につなげる図式だ」と説明する。
前回参院選もこの延長線上にあり、公認候補を擁立した今回は戦略をさらに鮮明化。中根氏は昨秋の出馬表明以来、県内を三巡、四巡する中で、消費税減税や大型公共事業の削減、医療・福祉・介護の充実など、党の政策を中心に説いた。
小泉政権発足後は「聖域なき構造改革」の「痛み」を訴え、対決姿勢を強化。だが、主張はさほど浸透せず、目指した「自共対決」には程遠い選挙戦だった。
特に、大命題とした比例の得票率は躍進前の前々回参院選(13.3%)を下回るレベル。小泉人気と保守分裂の構図を前に、最近の躍進を支えた無党派の支持は吹き飛ばされ、いわゆる基礎票内にとどまった格好だ。
戦いの構図にかかわらず、同党には反共攻撃や共産アレルギーという難敵も付きまとうだけに、党を前面に押し出した選挙戦は困難を極める。その壁を乗り越えるには、山原選挙や西岡選挙以上の燃え方が必要なはずだが、運動員の電話や直接対話による支持拡大も遅れ気味で進んだ。
浦田氏は選挙戦を総括する中で、「組織にも問題はある。途中で『勝てそうにない』となり、動きが鈍った面がある」と指摘。
「どんな突風が吹き荒れようと、前進できるだけの党の地力をつけること」を目標に、「景気に打つ手なしの小泉政権がいずれ破たんするという、参院選での訴えはこれから生きてくるはずだ。市町村議会選挙を通じて支持の底上げを図りながら、国政選を視野に入れた訴えを地道に続ける」と再生を期す。
◇
各党、各候補が良くも悪くも小泉旋風にほんろうされた今回の参院選。自民党が勝利したとはいえ、株価低迷や不良債権処理に伴う倒産・失業の増大、靖国神社の参拝問題、日米地位協定など、日本の行く末を左右しかねない経済、外交上の難題は手付かずで残されている。
一方、県政ではやみ融資事件の責任問題も冷めやらぬ橋本大二郎知事が特定候補の応援に奔走し、新たな火種を残した。政治攻防は既に始まっている。
(参院選取材班)
=おわり=
【写真】(左から)西岡、山原両氏らの支援を受けた中根氏。党を前面に出した戦いは実らなかった(7月22日、高知市の日曜市)
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