|
【変化】
明石へ徐々にシフト
明石海峡大橋の開通が、本県の物流にも少しずつ変化を与えている。
既に紹介したように、現状では明石ルートの方が瀬戸大橋ルートよりコストがやや安い。徳島自動車道が全通すると、それに時間の正確さとスピードが加わる。コストと正確さ、スピード。この三要素がそろえば物流のウエートが高くなるのは当然だ。今のところ劇的な動きはないが、本県の物流関係者にとって「明石」は無視できないルートになりつつある。
■明石に4割集中
将来を予感させるデータがある。
神戸淡路鳴門自動車道(明石ルート)三九・一%、瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋ルート)三二・〇%、フェリー二五・六%、西瀬戸自動車道(尾道・今治ルート)三・三%。
徳島道、西瀬戸自動車道、高松自動車道が完成した後に四国と本州間の貨物輸送量がどうなるか、それを主要な輸送業者に意向調査した結果である。
実施したのは四国運輸局。調査は五十台以上の営業用トラックを保有する四国内の業者と、島内に営業所を置く四国外業者の計百十四社が対象。五月にアンケート形式で行い、うち六十八社の回答を分析している。同局によると、六十八社の集計によって四国発着貨物量の約半分がカバーできたという。かなりの信頼が置ける調査だと考えていい。
先ほどの結果をごく大づかみに言えば、四国本州間のトラック貨物は近い将来にその四割が明石ルートに集中することになる。続いて瀬戸大橋に三割、フェリーが二・五割。
この調査で興味深いのは、ルート変更の意向を高速道や橋の整備の進展具合に応じてまとめていることだ。それによると、時系列的な変化はこんな具合になる。
まずは明石海峡大橋開通前。これはフェリーが最も多く五七・〇%、瀬戸大橋ルートが四三・〇%だった。明石海峡大橋開通後は、それが明石ルート三五・八%、瀬戸大橋ルート三五・七%、フェリー二八・五%に変わっている。物流の主軸が海から両大橋に移ったことが分かる。
来年に予定されている尾道・今治ルート全通後は一位と二位の差が大きくなり、明石ルートが三七・二%、瀬戸大橋が三三・五%。徳島道全通後はその傾向がさらに進み、明石ルート三八・一%、瀬戸大橋ルート三二・七%、フェリー二六・二%、尾道・今治ルート三・〇%。道路網が整備されればされるほど四国の物流は明石ルートに向かう結果となっている。
■均衡とれた本県
もちろん四国四県それぞれに事情は違う。本県業者の場合、明石海峡大橋開通前はフェリーが五九・七%、瀬戸大橋ルートが四〇・三%の割合だった。明石ルートの開通後はそれが明石ルート三五・七%、瀬戸大橋ルート三三・九%、フェリー三〇・四%と変化する。ほぼ三分割である。
明石ルート中心型の徳島(明石ルートに七二・二%が集中)、瀬戸大橋ルート中心の香川(瀬戸大橋ルート四七・九%、フェリー一九・六%)、愛媛(瀬戸大橋ルート五四・五%、明石ルート一四・九%)と比べると、本県は見事にバランスがとれている。
つまり本県にとって今は三ルートが均等条件で存在する段階と言っていい。そして今後は、先のデータ通り明石ルートの比重が高まっていくとみられている。
ゆっくりと、しかし確実に。本県の物流窓口は明石へとシフトし始めている。
(第4部おわり)
(経済部・松島 健
依光隆明
野本裕之
内川雅彦
広末智子)
【写真】明石ルート経由で四国に入るトラック。物の流れは徐々に「明石」を利用し始めている(鳴門インターチェンジ料金所)
|