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【流通再編】
大競争時代へ突入
高松自動車道・善通寺インターチェンジ(IC)から北へ約一キロ。郊外バイパス沿いの田んぼの真ん中に平成八年三月、その大型店はこつ然と出現した。
岡山県の総合スーパー「天満屋ストア」(本社、岡山市)が四国へ初出店した天満屋ハピータウン善通寺店。売り場面積約一万平方メートルの広々とした店内は同社の直営売り場と、テナントの専門店三十六店で構成する。
店内ワンフロアを生かしたバリアフリーで、店の出入り口に段差はない。車いす専用レジやトイレ、視覚障害者のための誘導床材など障害者や高齢者に配慮した建築基準「ハートビル法」の認定を香川県内の量販店で初めて受けた。後発組の四国デビューには、それなりのアピールが込められている。
善通寺店オープンの一年後、同社は高松市にも出店した。高松西ICから東へ約七キロ、やはり郊外ロードサイドに立地した太田店で、将来はすぐ近くに高松ICができる。
■センターから1時間
「善通寺店も太田店も瀬戸大橋や高速道での時間短縮があって初めて出店できた。基本的には岡山のセンターから一時間程度のエリアを出店可能と考えている」。天満屋ストア本部の林忠明・経営企画担当の説明は明快だった。
林さんが言う「岡山のセンター」とは、岡山市大内田の「天満屋ハピータウン・岡山流通センター」、倉敷市の「天満屋グループチルド流通センター」、岡山市築港元町の「同生鮮センター」。同社直営あるいはメーカー、卸業者と共同で運営する物流センターだ。
同社は岡山県内を中心に総合スーパー二十店舗をチェーン展開しており、商品特性によって三つのセンターが集荷、仕分け、配送を担当する。生鮮センターは青果、肉、鮮魚、総菜を受け持ち、香川への配送は瀬戸大橋が前提。四トントラックが毎日二便、午前六時と正午前ごろに出発し、善通寺店、太田店の順に回る。
■鮮度、時間で勝負
四月初旬、小雨の中を生鮮センターから二十二台の冷凍トラックが次々に出発した。正午ごろに出ると善通寺店には午後一時半ごろ、太田店には午後二時すぎに着く。この季節、総菜ではたけのこ弁当がよく売れる。同センターで加工、調理、パック詰めした総菜が瀬戸大橋を渡る。倉敷のセンターからも豆腐や牛乳、岡山市の流通センターは日用雑貨類を毎日配送する。
今のところ香川の配送先は二店。帰り便は積み荷がない。午後の便も往路は積み荷スペースの積載率が六割くらいにとどまる。林さんは「配送コストと利益の関係で見れば、香川への配送は今の通行料(瀬戸大橋)だと厳しい。しかし、生鮮食品は鮮度、品質が勝負。配送効率よりも優先さすべきテーマだと、うちは考えている。将来、香川での出店を増やせば、物流コストは下がるでしょう」
日用雑貨類も「時間との勝負だ」と言う。「店は多品種少量の品ぞろえが第一。できる限り数多く陳列するために在庫スペースは削り、従来のように在庫を持たない」。だから、店の注文にジャストタイムで応じる納品を優先し、そのためには瀬戸大橋だ。「物流条件がフェリーなら、香川への出店はまず考えられない」と断言した。
岡山からは香川へ、その逆に香川から岡山へと、瀬戸内の流通業界は瀬戸大橋開通以後、大競争時代に入った。その競争は店頭での物販にとどまらず、物流センターや加工場の新設、これに伴う物流の見直しなど流通トータルでの総力戦へと突入している。
【写真】生鮮食品の加工と物流を担う天満屋グループの生鮮センター。冷凍トラックが瀬戸大橋を渡って毎日香川へ向かう(岡山市築港元町)
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