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第3部 瀬戸大橋10年<3>
【流通再編

広域化待ったなし

 瀬戸大橋開通に素早く、しかもダイナミックに反応したのは物流業界だろう。中・四国の一体化に伴う事業拡大、あるいは共同配送による効率化を進める運送業者の動きが目立った。

 その物流に支えられた流通業界も商圏拡大と競争激化に対応するため、大型量販店が積極的に広域化を展開。物流センターの新設や物流業者との協同事業が流通再編を促した。

 そんな流れの中で本県の総合卸業、「関」(高知市南久保、関淑公社長)は積極的に中・四国展開を行い、この十年間で売上高を倍増させた。その事業拡大には「瀬戸大橋が欠かせなかった」という。

 ■瀬戸内が最前線

 「橋がなかったなら、そもそも坂出への支店開設や岡山で取引先を開拓するという発想も生まれなかった。現状ではもちろん、今後も瀬戸大橋は欠かすことができない」

 実感を込めてこう話すのは、同社坂出支店(平成八年開設)の千谷勝支店長(43)。千谷さんは坂出支店の前身、香川営業所(坂出市、昭和五十八年開設)、さらにその前の琴平出張所(同五十三年開設)時代から営業最前線の現場を歩んできた。

 同社が扱う商品はティッシュペーパーなどの家庭紙、ショッピングバッグや紙容器など紙製品、洗剤、ポリ袋、包装フィルムなどの日用雑貨類、さらにコンピューター用紙、印刷資材など約一万点。本県の総合スーパーをはじめ香川、愛媛、岡山の量販店を主な取引先に地盤を築いている。

 「瀬戸内の出店ラッシュはここ数年、本当に激しかった。全国大手はもちろんだが、香川のスーパーやホームセンターが岡山、愛媛に出店したり、愛媛のスーパーが広島に進出といった具合に広域展開の流れは待ったなしの勢い。中・四国は一つの市場、特に瀬戸内は営業最前線だ」

 ■大型店ラッシュ

 香川では瀬戸大橋開通後、高速道や幹線道路網の整備を背景に大型店の出店ラッシュが始まる。そして大規模小売店舗法(大店法)の改正による規制緩和でその流れはさらに加速。坂出市、丸亀市などの中讃地域から高松へと出店の波が広がった。

 四国通産局がまとめた第一種大型店の出店届け出状況(四国内)によると、架橋前の昭和六十年度は四件だったが、平成元年度には十七件、二年度は三十一件に急増。これをピークにその後は一服したが、七年度三十一件、八年度三十三件と再び出店競争が激化する。四県の中でも香川、愛媛の増加が特に著しい。

 ■売上高10年で倍増

 同社の中・四国展開を指揮している西田栄夫常務は「うちは従来から県外で業績を伸ばし、体力をつけてきた」という。ここ十年間の売上高は、昭和六十二年の五十四億二千五百万円から、平成九年には百十一億八千七百万円に倍増。

 この業績アップの大きな力になったのが坂出、松山両支店をはじめとする瀬戸内の営業拠点。両支店以外にも徳島(七年開設)、伊予三島(八年開設)にも営業所を置き、来春の今治−尾道ルート開通に向けて松山支店の拡充を計画。五月にも新社屋建設に着工し、十月の完成を目指す。

 西田常務は「3橋時代を意識してきたというより、流通の広域化に必死で対応してきた。その流れの延長に岡山、広島が見えてきたというのが正直なところです」

 【写真】積極的な中・四国展開で実績を大きく伸ばした総合卸、「関」の坂出支店。配送トラックが週2便瀬戸大橋を往復する(坂出市沖の浜)


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