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北京からニイハオ
 5.食事皆で「楽しむ」を重視
 中国と言えば料理。友人や家族とゆっくり、おしゃべりしながら食事をするのも中国人の楽しみの一つだ。

 北京には、各種の中華料理はもちろん、韓国や北朝鮮、ロシア、日本、タイ、ベトナムに加え、フランスやイタリア料理など、数え切れないほどのレストランがひしめきあっている。毎日食べ歩きしても回り切れないほどだ。

 知り合いの韓国人は「中韓日の箸(はし)の長さに各民族の文化的な特徴が現れている」という。最も長い中国のはしは円卓に置かれた遠くの料理を取るのに便利。二番目の韓国のはしは多くの種類が出る韓国料理を突っつくのに重宝する。一番短い日本のはしは一人ひとりの料理用で、身近なものをつかむのに優れている。よって、中国や韓国は食事を大勢で長く楽しむことを、逆に日本は個人中心でサッサと食事をする文化を物語っている、のだそうだ。

 確かに中国人は大勢で円卓を囲んで楽しく食事をする。だが、中国の食事のマナーにだけは違和感を覚える。日本では、食事の時に余計な音を立てるな! と教えられてきた。でも、中国では平気で「ピチャピチャ」と音を立てて食べるし、何と言ってもその話声の大きさには圧倒される。

 日本の中でも土佐人は大声で話をする方だと思うが、その比ではない。「声がでかくないと届かない」という大陸かつ中央集権の意識があるせいだろうか?。とにかく、客が多い店(おいしい店)はうるさい隣りの席の客に負けてはいられない、とばかりに皆がしゃべるものだから、勢い大声になる。隣の声や食器の触れ合う音など、あらゆる騒音を乗り越えて、にぎやかに会話をする。にぎやか好きの土佐人の私でさえ、時には閉口するほどのすさまじさだ。

 また、食事がおいしかったら食べ散らかすという習慣も受け入れがたかった。郷に入っては郷に従え―ではないが、2年目ごろから、枝豆を食べても、その皮を床に投げ捨てることができるようになった。マナーを気にせず、空腹時にガツガツとモノを食らうのは、実にうまい。そのことを実感している。

 中国は人がやたらと多い。それゆえに、総じて独善的で皆タフだ。他人を意識し、他人に制約される暮らす日本とは全く違った世界がある。東京とほぼ同じ人が暮らしている北京だから、他人も多少のことは気にしない。で、いつのころからか、私も大通りで人目もはばからず歌をがなるようになってしまった。

 【写真説明上】北京名物「火鍋」(中華風しゃぶしゃぶ)を囲む市民ら。食事とおしゃべりは娯楽のひとつ

 【写真説明下】食事時には人気の店は大にぎわい。よく食べ、しゃべり中華パワーを蓄える

 
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