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9 ホビー館構想 宮脇館長の「夢」
「社長はオタクですけど、館長(創業者で前社長)は荒海を船でこいで渡る漁師のような人ですからね。僕らの船頭なんです」
海洋堂造形師・ボーメさんは、創業者の宮脇修さん(78)=幡多郡黒潮町出身=をそんなふうに表現する。
宮脇さんの通称である「館長」という言葉には深い意味が込められている。社長時代からずっと社員らに「館長」と呼ばせていた。
それは「海洋堂ホビー館」を実現させるという大きな夢のためだ。
宮脇さんが構想する「ホビー館」とは、ものづくりの楽しさを集大成する壮大なアミューズメント・ビルディングである。
そこには海洋堂がこれまで手掛けてきた造形のすべてを集大成するばかりでなく、ものづくりという楽しみを包括したホビーの殿堂にしたいという熱い思いがある。
日本初の博物館
「館長」という呼び名に込めた思いの一部は既に実現している。
昨年9月、「黒壁の町」として知られる滋賀県長浜市元浜町の中心地に、「海洋堂フィギュアミュージアム黒壁」をオープンさせた。国内初のフィギュア専門博物館として話題を呼び、これまでに総入場者数は25万人を突破。観光の目玉の一つともなっている。
このミュージアムの特長は、海洋堂の膨大な食玩フィギュアを一堂に展示するばかりでなく、ジオラマ=キーワード=を導入したことにある。
フィギュアが持つ世界の情景や場面を再現した上で、一体一体を配置していく。一つのボックスの中に、フィギュアだけではなく、ドラマチックな世界が表現されるという手法だ。
宮脇さんは、このミュージアムの「館長」でもある。
高知県立美術館で開催中の「造形集団 海洋堂の軌跡」展には、安藤広重「東海道五十三次」をジオラマ化した作品が、同館エントランスで初公開された。この作品は同展での特別展示の後、フィギュアミュージアムに置く予定だ。
本県にミュージアム?
宮脇さんの78歳の誕生日となる今年5月20日、海洋堂展が開幕した。
同日行われた記念講演で宮脇さんは、本県での海洋堂ミュージアム実現に強い意欲を示した。
宮脇館長の熱烈なファンの旅館経営者ら「スーパーハチキン」、そして高知市の中心商店街関係者のミュージアム誘致のラブコールを受けてのことだ。
故郷高知のために何かしたい――。
宮脇さんの思いは固まっている。
【写真説明】展覧会開幕には日本を代表する現代美術家の村上隆さん=右=も駆け付けた。隣は宮脇修一・海洋堂社長(県立美術館)

ジオラマ 「情景模型」とも訳される。プラスチック模型では、1971年に田宮模型が発売したミリタリー・ミニチュアシリーズが大ヒットした。戦車だけでなく兵士や武器、小道具を配置するなど戦場の雰囲気をつくり上げ、より深くその世界を楽しむことができる。
(2006年6月1日付・朝刊)
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