【22】 加ト吉(下) 核は中国人の本社員で
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執筆したビジネス書を前に中国市場について語る加藤義和社長(香川県観音寺市坂本町の加ト吉本社)
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―中国には拠点を何カ所構えている?
山東省に五つ、浙江省と広東省に一つずつで合計7工場。従業員数は全部で約1万5000人。年商は300億―400億円ですか。そのほかにも出資だけしている拠点などがあります。
―その工場は誰に任せている?
うーん。本当はあまり公開したくないが、中国人の加ト吉社員です。
―社員とは?
うちには、中国人留学生で、日本の大学を農業博士として卒業した人が8人いる。その者たちは日本人社員と同じように入社して、日本人と同じ開発の仕事や、工場現場を経験した幹部候補生。中国人だけど、加ト吉の経営を基礎から知っている人材。その社員が各拠点の核となって、仕切っている。向こうで日本人も働いてはいるが、1万5000人中でわずか5人。必要最低限だけ。
―その中国人幹部は中国進出後に採用したんですか?
いや、その前から。進出を決める前から採用していた。その時は進出のためではなかったが、漠然と中国ビジネスへのイメージを持っていましたから。
―すると、現地が裏切る心配は全くない?
ないですよ。本社の社員ですから。中国の給与と全く待遇が違う。権限も持たせて任せている。それにね、「中国の工場を上場させて、その社長になれ」と夢も持たせている。
―一般従業員の教育もその中国人トップがしているわけですね。
日本人が片言で言っても本当の教育はできない。社会や文化、環境などが全く違うんだから、完全に通じるはずはないでしょ。すべての拠点が同じやり方ではなく、それぞれのトップの裁量で、従業員がやる気の出るシステムをつくっている。給与面に一部、出来高制度なども取り入れてます。
―順調に来ているが、失敗はなかった?
資本だけ出して、向こうに経営を任せた所はちょっと…。うちだけではなく、いろいろな企業から買い付けにきて、うちとの取引が中途半端になって…。そんなとこかなあ。
―中国市場の今後の可能性をどう見る。
中国の沿岸部はまさに日本の大阪万博のころと同じ。外食産業が発展し始めたころ。これから外食のチェーン店も冷凍食品もどんどん出る。日系企業がやっているスーパーやコンビニなどが広がっていくことを期待して、それに対応していく。
―内陸部も将来はターゲットになる?
この間、内陸部の西安を訪れた。そこの水産売り場には、フナやコイ、ドジョウやザリガニなど川魚だけ。「ここに海の魚が並んだら、売れる」と思った。中国内陸に冷凍の物流ルートが確立されれば、日本の10倍の人口があるのだから、大きなマーケットになる。ルートができればモノを作るのはわれわれ。そのための備えはしている。
―最後に、中国ビジネスを始めようという企業にアドバイスを。
パートナーをどうするか。この選び方が一番難しい。独資というやり方もあるが、最初から自分だけでやるのは難しい面が多々出てくる。例えば、工事代金などの相場が現地で分からない。だから、かなりぼられる危険性がある。最初は信頼できる企業と組むことです。上海などには日本の行政の出先があるでしょう。そんな機関を積極的に活用して、いいパートナーを探すべきです。
聞き手=経済部・野本裕之
写 真=写真部・岡部吉哲
(第2部おわり)
(2005年6月16日)
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