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「うちも大赤字で。『ヒラズゲンセイ』のように真っ赤っ赤ですよ」
高知市大原町の高知競輪場内にある市公営事業課。個人で研究している赤色の甲虫の写真を室内に何枚も張った市幹部が、自嘲(じちょう)気味に笑う。
「計画が全く見込み違いでしてね。これからどうなるかは、ちょっと」
高知競輪場が高知国体に向けて市総合運動場「りょうまスタジアム」の一角として改修されたのは平成11年。自転車競技場に要した建設費145億円のうち、63億円は基金の積み立てなどで払った。しかし、残る不足分が82億円。市はこれを長期借入金(起債)で賄うこととしたが、この返済計画がたちまち頓挫した。
市によると、起債の返済には競輪の収益金を充てる予定だったが、頼みの競輪事業は売り上げが減少。市の一般財源に繰り入れられるはずだった「施設使用料」(売上額の一定割合)が計画を下回り、10年度以降6年間で、市は約5億円もの“予定外”の持ち出しを余儀なくされた。
「(その分は)まあ、税金で穴埋めした、ということになるのかな」
競輪の特別会計は10年度末時点で累積赤字約10億円だったが、その後も赤字は膨張。レース開催自体の不振に加え、建設償還金の支払いなどが重くのしかかり、累積赤字は15年度末で64億円に達した。
「赤字? 解消できなければ市民負担(税金)で賄うしか。でも、17年度からは単年度黒字になる計画を作ってます。コスト削減もベストを尽くします」
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人口の少ない本県に、高知競馬と高知競輪という2つの公営事業が存在している。競馬、競輪は本場以外に場外売り場が各2カ所あり、香美郡赤岡町には鳴門競艇場外売り場(8年度設置)もある。
バブル崩壊から間もなくの4年度から14年度までの売上高の推移を見ると、高知競馬はこの10年でほぼ半減。高知競輪もほぼ3分の2に落ち込んでいる(特別競輪を除く)。
供給過多とも言える県内の公営事業にあって、競馬と競輪はとても共存できているとは言えない。高知競輪を経営する市と、高知競馬の経営主体の県(市も15分の4を出資)は、展望もない不毛な消耗戦に入っている。
高知競馬は昨春以降、売上額に応じて賞金額を決める「出来高払い」方式になった。当面、赤字が増えることはなくなったが、生活に窮した厩舎(きゅうしゃ)の転廃業や馬の処分、減少が相次ぎ、レースの質を落とす悪循環に陥っている。
先の市幹部が続ける。
「どっちもしんどいけれど、まっ、経費の高い競馬の方が、先に悲鳴を上げたわなあ」
担当職員が続ける。
「どっちかがつぶれない限り、少ないパイを取り合い続けるしかない」
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不毛な消耗戦でも決して損をしない団体と人がいる。金利で稼げる銀行と、経営責任をかぶらない公務員。万一、競馬場がつぶれても場外売り場さえあれば、従事員も仕事は残る。
結局、一番損をするのは職を失う馬関係者と、負債を最終的に背負わされる県民、という構図になる。
【写真】朝の洗い場(高知競馬場)
(平成16年7月1日付夕刊掲載)
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