高知新聞
天気追加:
地震情報
花粉予報
中部の天気
東部の天気
西部の天気

高知のニュース
国内・国際ニュース
おすすめトピックス

高知新聞購読申し込み

携帯サイト
iPhone版も登場!
坂本龍馬の部屋

とさあち
いちの土佐
おすすめグルメガイド

ピックアップ
楽しもう英語 English is Fun!!
岩崎四代物語
高知ファイティングドッグス

まんが
きんこん土佐日記web版
単行本7巻発売!
にゅーすけっち

病院・診療所 診療科目ガイド


47CLUB高知繁盛記

ミュージアムマップ
イベント情報

音声ブラウザーご使用の方へ

47clubでお買い物

Google


 
高新写真コンテスト募集
声ひろばなど投稿
記事データのご利用
後援申請の用紙
サイトからのお知らせ


高新住宅総合展示場ライム

土佐いごっそう倶楽部

47news

釣りタイムズ
地球33番地公式サイト

企業情報
高知県内リンク
「高知競馬」という仕事
     =第5部= 公務員たちの現場
 【4】

 「つじつま合わせ」  ――窪田元農林部長「むなしい仕事だった」

 「転がし」「闇起債」で始まった高知競馬場の移転事業は、建設単価の上昇と金利負担で事業費が年々膨らんだ。

 建設造成費は170億円以上。県は負債処理に頭を悩ませた。用地と造成費は競馬収益と旧競馬場跡地の売却代金を充てたが、建設費の「80億円」が、どうにも始末できなかった。

昼寝の時間(高知競馬場)  昭和57年から農林水産部長を務めた“クボケイ”こと、窪田敬一さん(76)は、この80億円の後始末を任された。

 財政担当の職員ら2人を選んで返済計画を作らせた。その一人が、疲れ切った顔でやってきた。

 「部長、どういじっても返済計画はできません」「なんとか、やってくれ」「たとえ無理でも、返済できることにするわけですか」「そうだ」

   □────□

 財政課の職員が奇策を編み出した。本来は建設が終われば役割を終えるはずだった県競馬施設公社を、そのまま残す。そして80億円の巨額負債をそっくり引き取らせる。その上で、騎手やきゅう務員らの働きに支えられている県競馬組合の財布から県市が「競馬場使用料」を徴収、それを補助金として公社に横流しする。公社は補助金を金融機関に払う―。

 つまり県市は1円も出さずに、“トンネル組織”を使って借金を現場にかぶせた。金利7・8%で、向こう25年間の返済。80億円の元金に100億円の金利がつく、計180億円の返済計画だった―。

 窪田さんはある県議に答えた、こんなやりとりを覚えている。

 「25年とはむちゃだ。払い終わったころには、馬小屋は小便で腐っておるのではないか」

 「いえ、私は農家のせがれで馬をよく知っています。馬の小便は、小屋の板を強くします」

  □────□

 議会の承認を得るため、無理やり計画を練り、こね上げた。

 「あっさりいうて、数字合わせ、つじつま合わせ。もう施設はできておるし、巨額も投じた。大勢の雇用も抱えている。とても後に引けない状況でした」

 場外馬券場の設置による売り上げの増加や、馬券を販売する従事員の賃金カットなどによる経費削減を見込んだ。その上で債務負担行為の議決(施設公社が返済できなかった場合は県市が負担するとの約定)を取り付けるため県市議会に根回しをし、説得した。

 「無謀な計画だと。そもそもばくちの上がりを自治体に配分できないのなら、なんのための競馬ならと。しょせん、ばくちじゃないかと。ごうごうたる非難、競馬廃止論が続きました」

   □────□

 窪田さんは昭和21年に県庁入り。振り出しは、当時海岸沿いにあった旧長浜競馬場の会計係だった。

 「妻の父も元馬主。私も馬は好きでした。退職前の3年間に、また競馬の仕事が回ってきたんですが」

 競馬場を残したい一心で計画をこね上げたが、「廃止せよ」「しょせん、ばくち」の批判…。

 「今思えば、面白くない仕事でした。先送りの数字合わせをした、むなしさもあった。結果的に議決はもらったが、しんどかった思い出ばかりで…」

 退職直後の昭和60年4月。新競馬場の完成セレモニーに招待されて自宅でネクタイを結んでいる時、ふと嫌気が差したという。

 「行くの、やめた」。ネクタイを放り投げた。

 【写真】昼寝の時間(高知競馬場)

平成16年6月26日付夕刊掲載


【続き】

「高知競馬」という仕事 目次に戻る。

高知新聞フロントページへ  

サイトマッププライバシーポリシーネット上の著作権新聞購読お問い合わせ