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四国沖に眠るメタンハイドレートは、近未来のエネルギー源として注目されながら、実はこれまで本格的な調査が実施されてこなかった。
しかし、ここになって動きが出てきた。資源エネルギー庁は半年後、四国沖のメタンハイドレートを目標にした掘削を計画しているという。どのような性質のメタンハイドレートが、どれくらい存在するのか。10月からは統合国際深海掘削計画も始まり、四国沖の掘削から目が離せない。
■米国先行
ところが、日本のこの分野の研究者は大きな不安を抱いている。人材不足だ。
愛媛大沿岸環境科学研究センターの鈴木聡教授は「地下圏微生物の研究者は日本では非常に少ない。メタンを作る微生物の研究も日本ではまだ本格的ではありません。米国の方が進んでいます」。
南海トラフの海洋コアからメタンを作る細菌を取り出し、培養することに最近成功したのも米国の研究者だ。
地球深部探査船「ちきゅう」を建造している文部科学省の認可法人、海洋科学技術センター(JAMSTEC)の関係者はこうぼやく。
「『ちきゅう』の具体的な掘削計画は、研究者からの申し込みを基に作られます。ところが、肝心の日本人からの申し込みが非常に少ない。もっと出してほしいと呼び掛けている状況です」
世界に誇る研究環境を持ちながら、肝心の研究熱が国内で高まらなければ、成果は外国に持っていかれてしまう。
■刺激的な場所
地球の秘密が詰まった海洋コア。「ちきゅう」が深部の海洋コアを採取するようになれば、高知大海洋コア総合研究センターは、世界から熱い注目を浴びる地球科学の最前線。研究者の育成、未来の科学者たちへの啓もうにもふさわしい場所となる。
安田尚登センター長は「コアセンターは大学の施設。研究以外にも人材育成という重要な任務を持っています。世界の研究者が集まる刺激的な場所だし、県内外の大学院生や若手研究者を積極的に受け入れるつもりです」と話す。
現在、高知大は大学院理学研究科でJAMSTECと連携して教育に当たるシステムを導入。コアセンターは高知女子大の学生も受け入れ、卒業研究を指導している。
人材不足に危機感を募らせるJAMSTECは最近、中高校生を対象にした催しにも力を入れている。「子どもたちは地球を探る貴重な科学者の卵。もっともっと興味を持たせたい」―。担当者のまなざしは真剣そのもの。
壮大な海洋コア研究の旅は始まったばかりだ。
(社会部・高橋 誠)
=第2部おわり=
【写真】最新の機器を使って分析技術を学ぶ大学院生=左。高知大海洋コア総合研究センターは人材育成も期待されている(南国市物部乙の同センター) (2003年7月22日付朝刊掲載)
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