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平成7年の阪神大震災では倒壊した建物の下から多くの人が近隣住民らに救出された。人と人、地域内の結び付きが「その時」、人を助ける。須崎市でも今、自主防災組織ができ始めている。
誰が助けるか
須崎市下分乙。須崎湾に注ぐ新荘川下流に角谷という60戸ほどの集落がある。今年2月に「角谷地区自主防災会」が発足。先日、市担当者との地震・津波対策のワークショップが開かれ、国土交通省の浸水想定図も説明された。
民家が立ち並ぶこの集落でも優に人の背丈を超す水が襲う。「皆、ショックを受けたようで。ここは大丈夫、と思ってましたから。でもそういう意識は危ないですよね」
防災会副会長、田部光夫さん(55)が言う。田部さんらは市の防災マップとは別に「角谷マップ」の作製も考えている。
「一人暮らしとか、昼間は家族がいないお年寄りの家に印を付けようと思うんです」
南海地震対策で幅広い提言を続けている高知大理学部の岡村真教授(地震地質学)は「誰が誰の安全を確認し助けるか、複数の担当者を決めておいた方がいい」とし、場所によっては「助ける側が“制限時間”を考えておくことが必要」とも。すべてをのみ込む津波を考慮しての指摘だ。
「何もしていない」
須崎市では本年度末までに28カ所で「自主防」ができる予定だが、「市全域で最終的に150程度の組織が必要」と市担当者。角谷のように既存の「部落会」が防災会を担う地区が多いが、素地となる町内会組織がない地区もある。「行政に指導されるから」ではなく、市民、地域自身の主体性が問われる。
5月の市津波対策セミナーの際の参加者アンケートがある。「地震、津波対策を何かしていますか」との問いに回答者約180人中、3分の1が「何もしていない」。地震はあす必ず来るわけではない。しかし、いつか来る。あすじゃない、とは断言できない。
行政任せではなく、一人ひとりが備えてほしい。命を守るために地域の結束を強めてもらいたい。それは多分、「その時」に限らず、日常の街づくりに大きな効果をもたらす。防災を通し、もっと温かく、魅力あふれる「海の街」ができる。
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「ふれあい高新in須崎」では31日、岡村教授が住民と地域を歩いて危険個所などを解説する「防災診断」と、地震学の権威、京都大学の尾池和夫副学長の講演会を開く。あなたもこの機会に「その時」を考えてみませんか。
(須崎支局・古井永伍)
=おわり
【写真】浸水想定図を見ながら、南海地震対策を話し合う角谷地区の住民(須崎市下分乙の角谷公民館)
(2003年10月28日朝刊掲載)
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