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セメント工場や木材置き場などが並ぶ須崎港の一角。秋の潮風が吹きつける国土交通省須崎港湾建設事務所のだだっ広い敷地に、その巨大なコンクリートの箱(ケーソン)は横たわっていた。
一つの大きさが横26メートル、高さ、奥行きともに13メートル余り。今、須崎湾入り口では、重さ約3000トンもあるこのコンクリートの化け物をどかどか並べ、津波防波堤を築く作業が続いている。
全長約1・4キロ
作業船に乗って15分ほど海風を受けると、防波堤が目前に迫った。とにかく大きい。長い。船を着けて階段を上ると、まさに「海の砦(とりで)」といった感じがする。
津波防波堤は、東防波堤(940メートル=740メートルと200メートルの2基で構成)、西防波堤(480メートル)の二つから成る。
西防波堤を築く作業が始まるのは来月からで、記者が上ったのは東防波堤。こちらは平成4年の着工から11年を経て現在、長さ555メートル。海面からの高さは4―6メートル。堤の太平洋側は60トン級の消波ブロックも積まれ、より強固な造りだ。
東西両防波堤の完成目標は、6年後の21年度。港周辺では既存の防潮堤をさらにかさ上げする工事も進んでおり、国交省は「こうした対策によって、昭和南海と同じマグニチュード(M)8・0規模の地震が起きても、市街地への津波被害はほぼ食い止められる」とする。
万全ではない
ただ、巨大な防波堤も決して万全なものではない。須崎港の防波堤は昭和南海地震クラスの地震を想定して建設中だが、国交省自身、それを上回る規模の地震に見舞われることも一方で予測している。その場合、津波が防波堤を越すことも。当然、市街地の浸水も免れない。
しかし、建設中の防波堤をさらに高くすることは財政的にも考えづらい。両防波堤の建設費は現計画だけで最終的に約460億円に上る見込みだ。今後30年間に40%の発生確率とされる南海地震が、防波堤完成前に発生することも十二分に考えられる。
ではどうすればいいのか―。今、行政は「ハードよりソフト」、つまり、「造って防ぐより、逃げて(生命を)守る」ことを重視している。
須崎市の「避難対策」を探ってみよう。
【写真】須崎湾口で着々と整備が進む全長約1.4キロの津波防波堤
(2003年10月25日朝刊掲載)
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