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しょうゆ醸造所に後継者 長女Uターン 須崎市

 須崎市民に愛されている地元のしょうゆの醸造所に今夏、経営者の長女が東京からUターンしてきた。「丸共味噌醤油醸造場」(同市中町1丁目)の辻佳生子(かなこ)さん(25)。伝統の味を守るとともに、営業や商品に新風を吹き込もうと奮闘している。

 佳生子さんは高校卒業後、東京の短大から大学に編入学。大学のゼミで訪れたアフリカのガーナで飲んだギネスビールの味に感動し、横浜市の地ビール会社でアルバイトし、そのまま就職した。

 製造も、飛び込みの営業も、経理もやった。小さくても個性的な商品に携わる仕事は楽しかった。

 が、終電の時間まで仕事に追われる生活に疑問も。そんなときに頭に浮かんだのが家業の醸造所。「同じ『醸造』で、もっと思うようにやれる土俵があった」―。8月の終わり、醸造所に佳生子さんの姿があった。

 会社を切り盛りする父の高志さん(59)は「僕も年だから、娘が帰ってくれてうれしかった」と話す一方で、「跡継ぎに? 商売は甘くないし、それはまだ分からんでしょう」。Uターンから2カ月余りの佳生子さんも「まだまだそんな自信はありません」。

 風味豊かで独特の甘みのあるしょうゆは市民なじみの味。佳生子さんは、商品を熟知するために、工場で秘伝の味の作り方を学ぶ日々だ。

 その一方で、全国にこの味をPRしようとホームページ作成を計画。「これからは田舎の時代。しょうゆやみそだけじゃなくて、高知の良い物を売りたい。土佐和紙の化粧箱に入れて贈答品にしようかな」などと戦略を練る。

 「欲張りな性分」と話すだけに、「新しい商品も作りたい。あまり使っていない木おけがあるんですが、昔と同じようにそこで熟成させても面白いのでは」とも。夢は大きく“佳生子のしょうゆ”へ―。

 【写真】かき混ぜてしょうゆの味を調整する辻佳生子さん(須崎市中町1丁目)

(2003年11月3日朝刊掲載)


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