「こんな広いスペースを見たら、『どうしてもっと早く生かさないのか』って皆さん思うでしょうねえ」と話すのはイオン高知SC(高知市秦南町1丁目)の黒原大補(だいすけ)ゼネラルマネジャー。背後に広がる巨大空間は、シネマコンプレックス(複合映画館)予定個所の一部。この4倍以上のスペースが同SC内で眠っている。
県民を2年半もの間やきもきさせたシネコン騒動は9月30日、高知地裁の判決でSC設置者のシキボウ側が勝訴。高知市が控訴を断念したため、シキボウが高知市に再度建築許可を申請し、12月5日に許可が下りた。来年の夏休み前のオープンに向けて準備を急いでいる。
シネコンは当初、同SCがオープンした平成12年12月下旬から1年後をめどにできるはずだった。ところが――。
13年5月と6月に、既存映画館と中心商店街がそれぞれ高知市議会へ設置反対を請願。同議会がこれを採択し、松尾徹人市長(当時)も反対を表明したことから迷走。昨年9月、シキボウなど関係3社が高知地裁に行政訴訟を起こす事態に発展した。
判決は「シネコン建築は公益性があり、市の判断は裁量権を逸脱、乱用があった」とシキボウ側の訴えを認め、市側に建築不許可処分の取り消しを命じた。
シネコン問題が決着したことで、今は「いつオープンするのか」「どこにできるのか」といった問い合わせが相次いでおり、県民の期待の大きさを感じるという。
シネコンの外枠は、既に同SC完成時に出来上がっている。南端の3、4階部分で大型玩具店の真上。現在は「倉庫」という名目で、巨大な闇のスペースとなっている。
しかし、それもあと6、7カ月。10の映画館(客席合計1615席)に生まれ変わり、休日ともなれば1日3000人前後の観客でにぎわうことになる、と黒原さんは予想する。
「シネコン自体は配給会社の運営ですが、SCもそれに合わせたサービス提供を考えてます。例えば、映画と飲食街を併用してご利用いただく場合は割引をするとか、相乗効果を考えたいろんな活用法があります」と期待を膨らます。
【写真】「ここがシネコンになれば、いろんな活用法がある」と話すイオン高知SCの黒原ゼネラルマネジャー(高知市秦南町)
(平成15年12月26日付朝刊掲載)
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