5月28日、高岡郡佐川町内で開かれた高吾北地域合併協議会(佐川町、越知町、池川町、吾川村、仁淀村)。居並ぶ5町村の委員たちの間に、何とも言えない気まずい空気が流れた。
原因は合併後の中心庁舎位置問題。この日、委員の3分の2以上の賛成で佐川町に正式に決まったのだが採決の際、同町と誘致を競った越知町の吉岡珍正町長ら、同町の全10委員が退席したのだ。
これ以降、越知町と他4町村との溝が埋まることはなく、同町は協議会離脱を表明。昨年10月、県内で初めて誕生した高吾北法定協は今月末で解散することに。合併協議の難しさをまざまざと見せつけた。
平成の大合併が本格化してきた。合併特例法期限(17年3月末)を見据え、県内でも“離合集散”が加速している。
「高吾北」同様、津野山グループの法定協(葉山村、東津野村、梼原町)も、庁舎位置などで合意できず9月に解散。その後、葉山、東津野の2村は新たに法定協を設置した。
一方で、法定協設置を求めたり合併の枠組みなどを問う住民投票も、葉山村、大野見村、土佐町、大川村、春野町、大正町の6町村で実施された。行政や議会主導の合併論議に納得しない住民たちが、「合併という大切な問題は、自分たちの意思で決めたい」と実施を求めたケースが多い。
実際、春野町では住民投票の結果、町議会などが下した単独自立方針が覆り、高知市、鏡村、土佐山村との合併が再び模索され始めた。大正町でも執行部などが目指した十和村との2町村合併とは別の、窪川町、十和村との法定協が来年1月にも設置される予定だ。
「合併するんなら(各自治体は)借金も洗いざらい示すべきだ」「(他市町村の)基金をあてに合併するわけじゃない」
――合併協議では自治体の財政事情などから激論になり、感情論が噴き出ることもしばしば。しかし、合併は地域住民が地方自治について意識を高めるまたとないチャンス。行政や議会にとっても、住民のニーズを的確につかんでいるかが問われる。
現在、県内の法定協は10グループで、計32市町村が合併協議を行っている。このまま合併まで進むのか、紆余(うよ)曲折があるのか。ドラマはまだまだ続きそうだ。
【写真】佐川町に中心庁舎を置くことを採決した際、退席する越知町の委員(5月28日、佐川町総合文化センター)
(平成15年12月25日付朝刊掲載)
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