全国各地に“飛び火”し、“増殖”する「よさこい祭り」が今年、第50回の大きな節目を迎えた。8月9―12日の4日間、187チーム、約2万人の史上最多の踊り子が群舞を重ね、記念の夏にふさわしい熱気とにぎわいを見せた。
開幕前夜、台風10号が県東部に上陸。高知市の中央公園などではせっかく造った会場を撤去し、また設営し直すなど、舞台裏では開催直前までぎりぎりの作業が続いた。
「何としてでも本場で踊りたいんです」。台風をもろに受けながらトラックで乗り込んできたチーム関係者が言った。踊り子誰もが「この夏」を待ち焦がれていた。
記念行事の目玉は電車通りでのパレード。時代時代を象徴してきた代表20チームの競演風景はさながら“よさこい博物誌”。競演場の一部を観光客に開放する「よさこいアベニュー」では、「まんが甲子園」に参加していたペン児ら約500人も鳴子の魅力を体感した。
50年を振り返るパネル展は厳選された写真を飾るとともに、鳴子踊りの生みの親、故・武政英策氏を顕彰。妻の春子さんも「よくここまで成長して…。とても喜んでいると思います」。
全国大会出場枠も20から35に拡大。フィナーレの総踊りは46年ぶりに復活した高知公園追手門横の特設ステージが会場になった。約5000人の踊り子が思いの限り、力の限り踊り抜き、感極まった踊り子らの、別れを惜しむ鳴子がシャンシャン、カシャカシャ…といつまでもお城下の夜空に響き合った。
6年前、本紙が調査した時点で、全国の「よさこい祭りの輪」は29都道府県、57カ所だった。それが昨年、高知市観光協会やNPO法人「よさこい塾」が調べたところ、222カ所とさらに激増。「YOSAKOIソーラン」の成功も手伝い、予想を超える広がりを続けている。
分家の面々を引き付けてやまない本家の魅力は「自由闊達(かったつ)」という言葉に集約される。ショーでもイベントでもコンテストでもない。時代とともに変わりはするが、決して迎合もしない。
いろんな個性を包み込んで進化する古くて新しい「祭り」が、新たな半世紀へ踏み出した。
【写真】電車通りに鳴子が響いた第50回の記念パレード(8月9日、高知市本町3丁目)
(平成15年12月24日付朝刊掲載)
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