パリのマルモッタン美術館からモネの「睡蓮(すいれん)」などが高知へ―。開館10周年を迎えた高知市高須の県立美術館で、6月20日から8月14日まで「モネと印象派の画家たち」が開催された。
6万3901人が訪れ、絵画展としては同館の最高記録を樹立。1993年の開館記念展の人出を超えるという、異例の盛り上がりだった。
「モネ展」は、同館を運営する県文化財団が高知新聞社、高知放送と組み、初めての実行委員会形式で開催された。
できるだけ多くの県民に、美術館に足を運んでほしい。同館にとって、地元メディアと本格的に組んだ「モネ展」は、新しい挑戦的試みだった。
近年、同館の観覧者数は低迷著しい。開館初年度の10万7895人をピークに、14年度は3万9131人まで落ち込んでいる。
同館は1993年、国内で“最後発組”の美術館として出発した。人気がある印象派などをコレクションしようにも、先行館にやり尽くされていた。そこで、今後評価される「現代美術」の収集を掲げ、これが成功した。
1980年代の「ニューペインティング」のコレクションは、主要作家を網羅し、米国・グッゲンハイム美術館から貸し出し要請があったほど。
また、シャガールの版画については、この10年で日本最大、世界規模のコレクションに育てた。同館のシャガール作品の総評価額は29億1447万円に上る。
併設の美術館ホールは、「全国の中規模ホールの手本」と評価されている。先駆的・実験的な舞台芸術を紹介し、この不況下にありながら、企業側から「助成したい」と声が掛かっている。文化施設としての質は評価されているのだ。
しかし、それは対外的な評価の話。公立美術館の使命は、地元に愛されることである。「本物」に感動する場として、いかに県民に足を運んでもらうかが、喫緊の課題になっている。
来年4月10日には、「モネ展」に引き続き、県文化財団、高知新聞社、高知放送の実行委員会形式による「ピカソ展」が開幕する。作品のほとんどが本邦初公開とあって、再び大きな注目を集めそうだ。
【写真】多くの県民がパリのマルモッタン美術館からやって来た印象派絵画を楽しんだ「モネと印象派の画家たち」(県立美術館)
(平成15年12月22日付朝刊掲載)
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