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2003年が暮れていく。イラク情勢に世界が揺れたことし、県内でも知事と高知市長のW選挙をはじめさまざまな出来事があった。記憶に新しいあのニュース、大きな区切りがついたあの問題、来年に持ち越すあの課題から「’03高知」を振り返る。
「さよなら」の言えない突然の別れが衝撃をより大きくした。2月28日、ダイエーホークスの中内正オーナーらが来高。「高知市に何の不満もないが…」といいつつ、13年間続いた高知キャンプ撤退を突如、表明した。王監督以下ナインが日本一奪回に向け、東部球場でのキャンプを打ち上げてから、わずか3日後のことだった。
西武は宮崎県南郷町へ、ダイエーも宮崎市へキャンプ地を移す。キャンプ地として半世紀の歴史を持ち、昭和55年には5球団がキャンプを張ったこともある本県。それが来年の県内一軍キャンプは、阪神だけとなった。その阪神も、2年続けて沖縄県宜野座村で前期キャンプを行うことになっている。
ダイエー撤退表明の翌日は、西武キャンプの最終日。24年間続いたレオ戦士たちへの惜別ムード以上の寂しさが漂い、「土佐路の春は球春から」のフレーズが風前のともしびとなる“春の終わり”となった。
約175億円をかけ、総合スポーツ公園を整備中の宮崎市。温暖な気候に加え、豊富な資金力をバックに急速に施設整備を進めている沖縄。ダイエーは球団の「九州戦略」、西武は、本社が経営する南郷町のホテルへのてこ入れという“企業の論理”があったにせよ、本県は宮崎、沖縄という強敵を前に、地域間競争の厳しい現実を突きつけられた。
一方、本県側も「手をこまねいてるわけにはいかない。一つ一つできることをやるしかない」(県観光コンベンション協会)と動きを活発化させた。
3月、高知市がキャンプ誘致推進本部を立ち上げ。安芸市も1億円をかけた球場整備など阪神引き留め策を強化。県も施設使用料金の減免や宿泊料など1000万円を上限にした補助を打ち出す。
その動きが徐々に実を結び始めた。西武二軍(B班)が春野で、近鉄二軍が東部球場でキャンプを行うことが決まった。昨年から誘致活動を続けた教育リーグ、「よさこいリーグ」が10月に3年ぶりに復活した。
西武、近鉄、よさこいリーグ、いずれも単年度契約で、一、二軍の差は大きいが、反撃ののろしは上がった。定評のある施設やキャンプ運営のノウハウに磨きをかけ、プロ球団への信頼とパイプを、さらに太くすることが来年以降の課題だ。
【写真】春季キャンプを打ち上げるダイエーナイン。この3日後に13年続いた高知キャンプ撤退が発表された(2月25日・東部球場)
(平成15年12月19日付朝刊掲載)
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