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安田町 清流沿いに花の公園

「なんぼ掛かった?」「まだ10ばあ。けんど太いぞお」
安芸郡安田町の安田川。6月1日のアユ解禁日は1年で最もにぎわう日。今年も県内外の600人もの太公望が、われ先にとさおを振るった。
釣り人の心を引き付けるのは川の美しさ。馬路村から土佐湾までの流域には一つのダムもなく、清流がはぐくむアユの味は全国一、二の評価を得るほど絶品だ。
「でもね、昔に比べたら川は汚れちゅうで」。安田川漁協の中田皓三組合長はつぶやく。「家庭や工場の排水が原因やろうねえ」
漁協内では安田、馬路の流域2町村に「清流保全条例」の制定を働き掛けようとの声が上がり始めた。「まだ致命的じゃないが、このままではきっと川は死ぬ。そうさせないためにまず、人の心に訴えていきたい」(中田組合長)
町民の手で管理
その清流の中流域で最近、ちょっとした“異変”が起きている。草ぼうぼうだった付近の公園が、いつの間にか花やハーブでいっぱいになりつつあるのだ。
「ほたるの里河川公園」(安田町内京坊)。乱舞する蛍の観賞スポットとして平成3年に造られたが、蛍の時期は5月中旬から1カ月足らず。ほかにこれといった魅力がない上に管理も行き届かず、評判が芳しくなかった。
だが昨年、住民が参加して町づくりを考える会合で「もっと活用を」との意見が上がり、対策に着手。検討を重ねた結果、敷地内に花やハーブを植え「花の公園」とすることになった。
植栽や手入れなど管理のほとんどを、町民がボランティアで買って出た。町は「本当にやってもらえるか心配だった」と明かすが、次第に輪が広がり、今では町内7グループ、25人ほどが、植栽や草むしりに日々精を出している。
交流も楽しみに
不動地区のボランティア8人は、ほぼ毎日誰かが作業にいそしむ。その一人、中淑美さん(62)は「ほかのグループの人も一生懸命育てゆうでしょう。こっちも負けられんと思いますよ」と笑う。この日は6人で青いサルビアとハナショウブを植えた。小松芳恵さん(60)は「今まで人影がなかった公園に、人が集まるだけでうれしい」。ボランティアも見に来る人も、皆花が好き。だから自然と話が弾み、それもまた楽しみの一つという。
「けんど、まだ人に見せられるほどじゃないわね。ボランティアでやりゆうがやき時間はかかる。まあそのうち『モネの庭』に負けんばあに…って言うたら欲張り?」。小松さんはそう言って、仲間と顔を見合わせて笑った。
清流を守る人、そこに彩りを添えようと頑張る人。豊かな自然のシンボル安田川は、地域の人々の心の中にも清らかに流れている。
【写真】せっせと花の手入れをするボランティアの人たち。「きれいねえ」と言われるのが一番うれしい」という(安田町内京坊)
(平成14年6月26日付朝刊掲載)
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