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第9回移動高知新聞
ふれあい高新IN中芸

安田こども新聞

 第9回移動高知新聞「ふれあい高新in中芸」に合わせ、シリーズで掲載している中芸地域の小中学生による「こども新聞」第3弾は安田町です。同町のこどもたちの自慢は、全国的にも評判のアユをはぐくんできた安田川。実際に川に出掛けてアユ漁を学ぶなど、精力的に取材活動を展開しました。そのほか、地元の伝統産業である染め物や地元のお祭りなど、地域の足元を見つめた記事が盛りだくさんです。

味は一番!安田のアユ 釣り名人に聞く 中山小

アユの釣り方を教えてもらいました(安田町の安田川)  夏の楽しみ。安田川での「アユつり」。6月1日の解禁日にはたくさんの人がアユをかけに来ていました。

 私たちは、安田町に住む公文隆二さんに「アユつり」について教えてもらおうと学校の下の川に行ってみました。行ってみると、公文さんはもう、何匹かかけていました。私たちは早速、話を聞きました。

 場所選びには、石についているコケの様子を見るとのことでした。アユがいる所は、石についているコケを食べているので、石の表面がきれいだと聞いて、なるほどと思いました。

 つぎにアユがけについてです。アユはなわばりをもっているそうです。おとりのアユを泳がせると「ここは、オレさまの場所だ」と追いかけているうちに針にひっかかります。その時、アユが川下に向かって糸をグッグッとひっぱります。公文さんもその時が一番うれしいそうです。

 公文さんのサオを借りて、実際にアユがけをしました。サオは軽くて、けっこう楽だと思ってやっていましたが、アユはかからず、だんだん手がいたくなってきました。いつの間にかアユは向こう岸まで行って草にひっかかっていました。やっぱり、アユをかけるのはむずかしかったです。

 公文さんが釣ったアユにさわってみました。ヌルヌルしてなかなかつかめません。つかむと体をくねらせて逃げてしまいました。やっぱり安田川のアユは、いきがいいなあと思いました。

 公文さんや近くで、かけていたおじさんに聞くと、「一番おいしいのは、安田川のやねえ」とのこと。すごくうれしかったです。でも、その一番のアユがすむ川が、このごろよごれてきているそうです。下水処理の方法を工夫したり、ごみを川に放置しないなどといったことで川をきれいにし、もっと大切にしていきたいと思います。

 安田川のアユもこれからが本番。多くの人に安田川のアユを食べてもらいたいです。中山地区にある「味工房じねん」では、新鮮なアユ、アユのひもの、アユアイスなど売っています。近くにおいでた時は、寄ってみてください。

 【写真】アユの釣り方を教えてもらいました(安田町の安田川)

 (井上美利佳、松本直樹、谷渕駿、竹内千春、森沢歩美、南佳織、平山真衣、小松舞夢、山下桜、小松千織、上岡聖、山下桃、森沢智梨美、武本襟香、佐川美咲、伊吹真帆、小笠原裕樹記者)

釣り歴60年・小川さんに聞く もっと川に親しんで 安田小

ともがけ漁の名人、小川さん=左。右は孫の愛さん(安田町の小川さん宅)  私たちの住む安田町の自まんはたくさんあります。その中でも一番の自まんは安田川です。町の中心部を流れる安田川は、水がきれいでダムもなく、アユやアメゴなど川魚の宝庫として知られています。

 安田川では「石ぐろ漁」と「ともがけ漁」が行われています。石ぐろ漁は江戸時代からある漁法で、川底を30センチほどほり石を60センチほどもった「ぐろ」を作って魚をとります。昨年この漁を体験した友達は、「次の日行ったら、ぐろの中にエビやウナギ、ゴリがいっぱい入っちょった」と言っていました。

 ともがけ漁は自分のなわばりを守ろうとするアユの習性を利用する漁法です。

 名人の小川多一さん(こども新聞記者の小川愛さんのおじいさん)に話を聞きました。多一さんは小学生の時から60年以上もこの漁をしていて、弟子もたくさんいるそうです。この漁のだいごみは、知え比べをして勝ったとき。なんともいえないいい気持ちだそうです。安田川のアユはとても味がよく、「利きアユ大会」で2度もグランプリを受賞しているそうです。

 多一さんは「もっときれいな安田川にしてほしい。こどもたちはもっと川に親しんでほしい」と話していました。

 取材を通して安田川のことがよく分かり、とても好きになりました。これからも安田町の人たちと一しょに、きれいな安田川を守っていきたいです。

 【写真】ともがけ漁の名人、小川さん=左。右は孫の愛さん(安田町の小川さん宅)

 (内川梓、小川愛、畠中佑弥、横田達記者)

染め物 親子で頑張る豊永さん かつては安田川利用

 私たちは、江戸時代から安田町にある染物屋の5代目主人、豊永喜六さんの作業場に取材に行きました。ここではフラフ、はっぴ、のれんなどを染めています。

 染め物は下絵、のりづけ、かんそう、色付け、のりおとしの順で行われます。のりの原料は米とぬかです。ぬるま湯にバクテリアを混ぜて、生地をつけて2時間ぐらいつけるとのりを落とすことができます。10年前は安田川でつけていたけれど、今では川の石がよごれてできなくなってしまったそうです。とても残念です。

 今、この仕事を豊永さんは息子さん、奥さんの3人でやっています。息子さんと意見がちがうこともあるけれど、お互い学び合うことができます。豊永さんは後をついでくれた息子さんに感謝しています。

 豊永さんは、この仕事が大好きで、チャレンジしたいことがたくさんあるそうです。目標は安くていい品物を作ることだそうです。67歳なのにやる気いっぱいで、すごいです。この仕事がずっと安田町の自まんでいてもらいたいです。

 (北川香純、谷田勇、寺岡湧水記者)

安田中リサーチ 川の汚れでアユ不漁? 美しさ保つ行動必要

 安田中学校の生徒会執行部は、安田川のアユ釣りについてリサーチした。安田川は1日も見ない日がないほど近くにあるが、知らないことも多くある。そこで川でアユを釣っているおんちゃんたちに聞き込み調査をした。

 おんちゃんは「おとり釣り」をしていた。「おんちゃん、釣れゆう?」という質問に対し、「めった。今年は不漁じゃあ」。不漁の原因の質問には、「わしの腕が下手ながよう」と笑うおんちゃん。まったく調査にならなかった。

 しかし、僕たちは考えた。今年の不漁の原因は川の汚れにあるのではないかと。人々は「清流安田川」と言うかもしれないがそうでもない。川には洗剤のあわやビニール袋が浮かんでいる。これではアユも嫌になるに違いない。

 今、日本で「清流」と呼ばれる川はいくつあるだろうか。陽気なおんちゃんも思っていただろう。安田川を汚すのもきれいにするのも、安田町の人々の行動次第。100年たってもアユの川、安田川でありつづけてほしいと思う。

 (斎藤友則、手島由貴、南光香、東岡太樹記者)

山芋祭りで地域に元気 昨年から独自の踊りも 中山中

収穫した山芋を水洗いする生徒たち(安田町の中山中学校)  中山には山芋祭りがあり、毎年12月に地域の人が行っています。中山中の生徒も山芋を作っています。この祭りは、中山でとれた山芋を使って、山芋汁、山芋まんじゅう、おすし、山芋クッキーなどをたくさん作って、それをセットで食べれます。

 山芋祭りは10年ぐらい前に、老人会の人が山芋の栽培を始めたのが始まりです。それが中山中学校やPTAの人たちに広まっていきました。山芋を栽培する人が多くなってきて中山地区の名物になっています。

 山芋の加工施設として、3年ぐらい前に「味工房じねん」ができました。山芋祭りは、老人会の人たちが栽培した山芋の収穫祭として、地域の人たちに山芋料理を振る舞っていたことから始まりました。

 山芋祭りでは毎年、小川獅子舞が踊られています。去年は中山中学校が自ら課題を見つけて作った踊り、「まっことええぜよ中山」を踊りました。

 小川獅子舞は約800年前に始まりました。もともとは武士の踊りでとても激しい踊りです。明治時代に1度後継者がいなくなり、自然消滅していきましたが、戦後から復活しました。

 今では小川獅子舞は、シデ、盆の舞、剣の舞、があります。小川獅子舞は毎年、川上神社の祭りの日に神社の前の境内で踊られています。そのほかにも、イベントなどに出ています。今年開催される「よさこい高知国体」の開会式でも踊ります。ぜひ見てください。

 去年、私たち中学生が踊った「まっことええぜよ中山」は、人とのかかわりを深め、地域の活性化をしようということで始まりました。まず生徒たちが、踊りのグループと衣装のグループに分かれ、それぞれの案などを出し合いながら仕上げていきました。

 作詞作曲は、安田町で有名な小松秀吉さんに頼んで作ってもらいました。ほかにも踊り方や衣装づくりなど、いろんな人に協力してもらいました。歌詞の中には、アユが川で踊っている様子が書かれています。「まっことええぜよ中山」は、体育大会などで踊るのでぜひ見てください。

 【写真】収穫した山芋を水洗いする生徒たち(安田町の中山中学校)

 (竹内泉、小松大智、小松亜理沙記者)

私たちの主張

豊かな自然と心残そう

 私たちは未来の中山にどうあってほしいかと考えるとき、これからの中山の発展を考えると、たくさんの人が中山に住むようになってほしいし、中山の良いところをたくさん知ってもらいたいです。やっぱり子どもたちが自由にのびのびと遊べるような所や、少しはコンビニとかができてお店ももっとあってほしいと思うこともあるけど、そうなるより、今のままが良いです。

 そして、この美しい自然を、この山々の景色を、豊かな木々の緑を、清らかな谷川の流れを残したらいいと思います。安田川はダムがないというとても珍しい川で、アユがとてもおいしいです。清流にいるアユを大切にして、毎年アユ釣りをしてたくさんの人に楽しんでもらいたいです。

 道にはタヌキが時々顔を出したり、道端には草花やいろいろな植物があって、それだけでもう満足です。そして山から聞こえてくる小鳥の声が何よりも好きです。

 私たち都会に行ったことはないけど、都会に出て行ってもたぶん「中山が良いなあ」と思う気持ちがだんだんと強くなってくると思います。空気もきれいだし、都会とは違って何となくのんびりしているからです。

 山芋やイチゴや野菜などの特産物が豊かな中山と、透き通るような自然と森の緑や動物たちを大切にするような、心豊かな良い人たちをしっかりと残していきたいです。

 (中山中記者一同)

 首長メッセージ・有岡正幹町長  未来への飛躍期待

 元気あふれる豊かな里、安田町は雄大な太平洋に面し、緑の山々や清流安田川など、豊かで素晴らしい自然があふれています。

 この豊かな自然と温暖な気候、先人のたゆまぬ努力によって、農林水産、商工業など今日の産業や文化の礎が築かれました。

 小中学生のみなさんが清流安田川でのアユや染め物、「山芋まつり」、「小川獅子舞」などを取り上げ、独自の視点で取材し紹介しています。

 先人が守り育ててきた豊かな自然の保全や、伝統文化の継承の大切さを実感したことと思います。こうした財産を21世紀に羽ばたく子どもたちに引き継ぎ、町の未来を託するためにも、私たちが待ち望んだ、ごめん・なはり線の開通を地域振興に生かし、これを契機にさらなる産業の振興発展、地域の活性化に努力しなければなりません。

 町の将来を担う子どもたちは無限の可能性を秘めています。みなさんの頑張りと大きな飛躍を期待しています。

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